ほたる、こい

みなわなみ

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ほたる、こい

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「ママ、ホタルブクロがさいたよ。」
 ぼくは4つ。
 でも、ホタルブクロの名前は知ってる。
 この花がいたら、ママと夜のおさんぽができるの。

 かいちゅうでんとうに、赤いセロファンをかけて……
 わゴムで、とめる。

 ママのぶんと2つ。

 あとは、夜になるのを待つの。

◇◆◇

 きょうはお月さまもなくて、お星さまがきれい。
 やっと暗くなった道を、ママと手をつないで歩く。
 田んぼでカエルさんが

 ガガガ、グワッグワッ、ガガッ

 って、なくから、ボクはビックリして、ママの手をギュッてつかんだ。

 ちがうよ、ママ。
 ボク、こわかったんじゃないの。
 ビックリしただけだってば。

 ママがとまった。

 あ、いるいる。お星さまが、とんでるねぇ、ママ。

「パパはどれかなぁ……」

 ボクが、そう言うと、ママはあちこち指さした。

 どれなの?

 ボクは笑いそうになる。

 ママ、ごめんね。
 ボクは、パパって分からないの。
 だって、思い出もないんだもの。
 だけど、ママはパパの思い出がたくさんあるよね。
 だから、ボクはママといっしょにパパをさがすの。

 ママ、ボクはさみしくないよ。
 パパはしらないし、ママがそばでわらってくれるから。

 だいじょうぶ。
 もう、カエルさんも、こわくないよ。

 星になったパパが、ふわふわと飛びにくる間、また会いにこようね。ママ。



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