過去の自分と今の自分へ

ゆき

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誕生日おめでとう

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 23時55分に時計の針はさしていた。
「あと5分で18歳なんだ。」
自分達から18歳で成人と言われるようになった。自分にとっては20歳で成人って言われる方がなんかかっこいいなって思ってしまう。
自分はベランダに出て、月を見た。
「今日は満月なんだ。なんか嬉しいな。」
嬉しい気持ちとともに不安が心を支配していった。
「明日には成人になってる。自分も立派な成人になれるかな。もう未成年って言われることもなくなる。」
たった一言。
「未成年だから、こうしなさい。」
「未成年だから、大人に任せなさい。」
未成年だからと言われるのが好きではなかった。少しだけ言われなくなるのが嬉しかった。
チクタクと時計の針は進み、0時を迎えた。
成人になった。大人の仲間入りをした。
自分は満月を見た。そして、
「過去の自分へ
自分にいろんな経験をさせてくれてありがとう。いろんな感情を見せてくれてありがとう。さよなら、過去の自分。」
自分はそう言った。次に
「今の自分へ
成人おめでとう。自分も大人の仲間入り。今の自分に、こんにちはを。」
自分は、満月を見てベッドに入った。スマホが揺れた。スマホを見ると、「これまでありがとう。さよなら。元気でね!」
とだけ入っていた。自分は眠気に誘われて寝た。朝になってスマホを見るとそこには夜に来ていたはずのメッセージが入っていなかった。

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