もう会えないあなたへ

ゆき

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会いたいよ

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海の波の音だけがよく聞こえる。人の話し声はしない静かな場所。私は今、あなたの墓の前にいます。
 気づけばあなたが空に帰って半年にもなります。いまだにふと玄関を見てしまいます。けれどもあなたはもういない。ここに眠っていると分かっているのに。さみしくて泣いた日もあります。泣いていたらあなたはそっと私の頭を撫でてくれました。その事を思い出すと涙が溢れてしまう。きっとこれからもそうでしょう。
 そんなことを思いながら私は墓にそっと花束を添えて手をあわせた。私は手紙をとりだし読んだ。あなたが眠っている墓に向けて。

 あなたへ
あなたが空に帰って半年にもなります。早いですね。あなたが空に帰ってしまったとき私はずっと泣いていました。何日も何日も。あなたと行った場所をみるとあなたがいるのではないかと思い探してしまう。アルバムを開けばあなたは笑顔で写っている。まだあなたはどこかで生きているのではないかと思う。けれどもあなたはもういない。そう思うとさみしいです。
 ある日、私は体調を崩して病院に行きました。そしたら、お腹の中にあなたとの子供がいることを知りました。あなたもびっくりでしょう。だからその事を知ったとき私は決めました。ずっと泣いているのではなく、さみしいと思うのではなくこの子のために頑張って前を向こうと。これからは前を向いてこの子と生きていこうと思います。だから見守っていてください。私頑張りますから。

私は手紙を読み終わったあと少し涙を流した。そして、立ち上がって
「行ってきます。」
と言って墓をあとにした。
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