1 / 1
過去に戻れるのなら
しおりを挟む
あの日、君は僕を置いて行った。一通の手紙を置いて。君はずるい人だ。本当にずるい人だ。
僕と君は大学からの付き合いだった。始めは学科が同じ、隣の席にいる人という感覚だった。ある日、君は廊下で持っていた荷物を転けて落とした。ドジだなと思った。周りに人がいないから手伝ってあげようと思い、君の所まで行き荷物を拾った。
「どうぞ。」
僕はそう言って荷物を渡した。そしたら、君は目が会った途端に顔を赤くして目をそらし
「ありがとうございます。」
と言って荷物を受け取った。君の顔が赤すぎたのでつい
「大丈夫ですか?顔が赤いですけど?」
と言った。君は赤い顔を余計に赤くして
「大丈夫です!ありがとうございました!」
君はそう言うと慌てて走り去った。
ある日、また君と会った。君は顔を赤くしながら
「おはようございます」
と言った。僕もつられて
「おはよう」
と言った。その時に僕は君と目が合ってつい僕も顔が熱くなった。
「あっ、僕は恋をしたんだ。」
そう分かった。そう気付いてからは君に会う度に顔を赤くしてしまう。
「僕も男だ!気合いだ!」
とか言いながら、僕は君のもとに行った。
君はのんびり、噴水の近くのベンチに座っていた。僕は、勇気を出して
「あの、少しいいですか?」
君は顔を赤くして
「はい。」
と言った。
「いきなりで悪いけど、僕は君が好きだ!僕と付き合ってください。」
僕はそう言って手を伸ばした。手を伸ばしている間はとても長く感じた。ふと、手が暖かくなった。手を見ると、君は僕の手を握っていた。
「お願いします。」
君はそう言った。
それからは、僕たちは毎日のように一緒に過ごした。遊園地、水族館、動物園などたくさんの所に行った。僕たちは毎日が楽しかった。毎日が夢のようだった。
けどある日君は、僕を置いて行った。手紙を置いて。僕は手紙を読んだ。
あなたへ
あなたがこの手紙を読んでいるということは、私はきっともう空に帰っています。あなたに会ったときから私は後数カ月の命だと言われていました。私はその事を隠していました。ごめんなさい。あなたにいうことが怖かった。あなたが離れていくのではないかと思った。
けれど、あなたと過ごした時期はとても楽しかった。その事は嘘ではありません。毎日が夢のようだった。
最後にあなたは私のことを忘れてください。幸せになってください。これが私の最後の願いです。お幸せに。
「忘れてください…。忘れられるわけないだろ。あんなにも楽しかった日々を。僕がどれだけ君のことを好きだったか。」
僕は泣き崩れた。
きっと、僕はこれからも君のことを引きずって生きていくのだろう。僕は君のことを忘れられないです。
僕と君は大学からの付き合いだった。始めは学科が同じ、隣の席にいる人という感覚だった。ある日、君は廊下で持っていた荷物を転けて落とした。ドジだなと思った。周りに人がいないから手伝ってあげようと思い、君の所まで行き荷物を拾った。
「どうぞ。」
僕はそう言って荷物を渡した。そしたら、君は目が会った途端に顔を赤くして目をそらし
「ありがとうございます。」
と言って荷物を受け取った。君の顔が赤すぎたのでつい
「大丈夫ですか?顔が赤いですけど?」
と言った。君は赤い顔を余計に赤くして
「大丈夫です!ありがとうございました!」
君はそう言うと慌てて走り去った。
ある日、また君と会った。君は顔を赤くしながら
「おはようございます」
と言った。僕もつられて
「おはよう」
と言った。その時に僕は君と目が合ってつい僕も顔が熱くなった。
「あっ、僕は恋をしたんだ。」
そう分かった。そう気付いてからは君に会う度に顔を赤くしてしまう。
「僕も男だ!気合いだ!」
とか言いながら、僕は君のもとに行った。
君はのんびり、噴水の近くのベンチに座っていた。僕は、勇気を出して
「あの、少しいいですか?」
君は顔を赤くして
「はい。」
と言った。
「いきなりで悪いけど、僕は君が好きだ!僕と付き合ってください。」
僕はそう言って手を伸ばした。手を伸ばしている間はとても長く感じた。ふと、手が暖かくなった。手を見ると、君は僕の手を握っていた。
「お願いします。」
君はそう言った。
それからは、僕たちは毎日のように一緒に過ごした。遊園地、水族館、動物園などたくさんの所に行った。僕たちは毎日が楽しかった。毎日が夢のようだった。
けどある日君は、僕を置いて行った。手紙を置いて。僕は手紙を読んだ。
あなたへ
あなたがこの手紙を読んでいるということは、私はきっともう空に帰っています。あなたに会ったときから私は後数カ月の命だと言われていました。私はその事を隠していました。ごめんなさい。あなたにいうことが怖かった。あなたが離れていくのではないかと思った。
けれど、あなたと過ごした時期はとても楽しかった。その事は嘘ではありません。毎日が夢のようだった。
最後にあなたは私のことを忘れてください。幸せになってください。これが私の最後の願いです。お幸せに。
「忘れてください…。忘れられるわけないだろ。あんなにも楽しかった日々を。僕がどれだけ君のことを好きだったか。」
僕は泣き崩れた。
きっと、僕はこれからも君のことを引きずって生きていくのだろう。僕は君のことを忘れられないです。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
ざまぁはハッピーエンドのエンディング後に
ララ
恋愛
私は由緒正しい公爵家に生まれたシルビア。
幼い頃に結ばれた婚約により時期王妃になることが確定している。
だからこそ王妃教育も精一杯受け、王妃にふさわしい振る舞いと能力を身につけた。
特に婚約者である王太子は少し?いやかなり頭が足りないのだ。
余計に私が頑張らなければならない。
王妃となり国を支える。
そんな確定した未来であったはずなのにある日突然破られた。
学園にピンク色の髪を持つ少女が現れたからだ。
なんとその子は自身をヒロイン?だとか言って婚約者のいるしかも王族である王太子に馴れ馴れしく接してきた。
何度かそれを諌めるも聞く耳を持たず挙句の果てには私がいじめてくるだなんだ言って王太子に泣きついた。
なんと王太子は彼女の言葉を全て鵜呑みにして私を悪女に仕立て上げ国外追放をいい渡す。
はぁ〜、一体誰の悪知恵なんだか?
まぁいいわ。
国外追放喜んでお受けいたします。
けれどどうかお忘れにならないでくださいな?
全ての責はあなたにあると言うことを。
後悔しても知りませんわよ。
そう言い残して私は毅然とした態度で、内心ルンルンとこの国を去る。
ふふっ、これからが楽しみだわ。
幼馴染、幼馴染、そんなに彼女のことが大切ですか。――いいでしょう、ならば、婚約破棄をしましょう。~病弱な幼馴染の彼女は、実は……~
銀灰
恋愛
テリシアの婚約者セシルは、病弱だという幼馴染にばかりかまけていた。
自身で稼ぐこともせず、幼馴染を庇護するため、テシリアに金を無心する毎日を送るセシル。
そんな関係に限界を感じ、テリシアはセシルに婚約破棄を突き付けた。
テリシアに見捨てられたセシルは、てっきりその幼馴染と添い遂げると思われたが――。
その幼馴染は、道化のようなとんでもない秘密を抱えていた!?
はたして、物語の結末は――?
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
婚約なんてするんじゃなかったが口癖の貴方なんて要りませんわ
神々廻
恋愛
「天使様...?」
初対面の時の婚約者様からは『天使様』などと言われた事もあった
「なんでお前はそんなに可愛げが無いんだろうな。昔のお前は可愛かったのに。そんなに細いから肉付きが悪く、頬も薄い。まぁ、お前が太ったらそれこそ醜すぎるがな。あーあ、婚約なんて結ぶんじゃなかった」
そうですか、なら婚約破棄しましょう。
真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる