卒業

ゆき

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卒業

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 気がつけば長いようで短かった学校生活が今終わろうとしていた。

 「ただいまより卒業式を開始させていただきます。」

三年前、何も分からないまま始まった学校生活。次から次へ、学校行事があり、瞬く間に学校生活が終わった。
私と友達は誰もいない教室にいた。
「私たちの学校生活終わったね。」
賞状を持って私は言った。
「そうだね。それもあっという間にね。」
友達も言った。
「クラスのみんなとはバラバラになるね。」
卒業式が終わればみんなバラバラの道に進む。一人一人の人生が始まる。わかってるのに。
「なんか、さみしいね。」
私はぽつりと言った。
「うん。慣れ親しんだ場所や人たちと離れるからね。」
友達も同じことを思っていたみたいだ。
「まだクラスのみんなと一緒にいたかったね。思い出もまだ作りたかった。」
「うん。」
涙を浮かべながら、私たちは静かな教室を見渡した。賑やかだった教室を思い浮かべながら。
「そろそろ、行かないとね。」
「そうだね。」
私たちは靴に履き替え、門に行った。
二人で、門を出る前に学校の校舎に向かって
「「今までありがとうございました!」」
溢れる涙を拭きながら言った。
「また、会おうね。」
「絶対だよ!」
私たちは背を向け、今、自分の人生を歩み始めた。


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