ほしぞら

hitomi

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もののけの正体

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もののけ騒ぎのうわさでもちきりの京の都
都にはそういったうわさは尽きない。
生霊だのもののけだの、今日は重政の屋敷に行く用があり
屋敷に向かう途中あの屋敷の前を通ると
いつものように琴が鳴り音を奏でる。
「やっぱり不気味だな」
敦盛はそういうと重政の屋敷に足早に
むかう。
「誰ぞある?」
「いらしゃいませ 敦盛殿こちらへ」
中へと通されてまっていると
重政が来て
「どうしたのじゃ敦盛」
「重政効いてくれ」
「何があったのじゃ」
「今日もここへ来る途中琴の音が聞こえてきた」
「そうだったのか まぁ1杯飲むか?」
「ありがとう今夜は冷える」
女御に酒の用意をさせて
待っていると敦盛が
「もののけ姫のうわさは尽きない」
「どうしたものかまぁ1杯」
と杯に酒を注ぐ重政
敦盛はそれを飲み干すと
「だが正体がわからぬ」
「まだわからないのか」
「そうじゃ、まだわからぬ」
「それは困ったな。。。生霊という話もあるが」
「そう言ったうわさは後を絶たない」
酒を注ぎもう1杯飲み干す敦盛
外は雨が降っていた。
縁側に立ち
「今日は泊っていくか?やみそうにない」
「そうだなでは葵に文を書こう」
女御に葵への文を書き終えると渡し
使いの者に文を渡してとどけるようにといい
使いの者は敦盛の屋敷に向かった。
降りしきる雨の中。。。
敦盛の屋敷に着き文を渡すと
「雨の中ごくろうさま」
といいあったかいお茶を出して
「ありがとうございます 奥方様」
「あったまったら主人にこれを」
「わかりました」
雨もやみ家来が敦盛のもとへ文を持っていき
「じゃそろそろ支度でもしときましょう」

「敦盛殿にこれを」
「おあずかりします」
敦盛と重政がいるへやにゆき文を渡すと
様子のおかしい敦盛に
「どうしたというのだ敦盛」
「屋敷にかえらねばならぬ」
「なにがあったのじゃ」
「いやなに葵が帰ってこいと催促してきよったわ」
「何そんなことか? 今日は返してやるが物の怪とやらの正体が分かったら
そのような話してくれよ」
「わかったまたこよう」
酒盛りの後片付けを女御がしていると
「もうよい。さがっていろ」
「はい」
しばらく1人で飲んで重政は床に就いた。

次の日、女御が酒盛りの片づけをして朝ご飯を運んできた
重政はそれを食べて朝廷にいった
出かける途中に敦盛と会い
例の物の怪の話になった
「どうだ噂の出どころはみつかったのか?」
「ある程度の情報はわかっているんだが」
「その情報とやらを教えろ」
「それがどこぞの姫らしくて。。。琴を弾いてるみたいなんだが」
「そうなのか?」
朝廷に着きそれぞれの持ち場にゆき仕事をこなす
昼には物の怪のうわさで持ち切りだった
夕方になり帰りの支度をしていると
「重政帰ろう」
「もう終わったのか?敦盛」
「そうだ。噂の出どころもつかんだし」
「そうだったのか それでどんな話だ」
「姫の話はしたよな?それが帝に入内した1人なんだ」
「ほぅ~、そのようなことが」
「重政聞いてくれ」
「どうしたのじゃ?」
「それが帝がおかしくなられたみたいで」
「またそのような嘘を申すのか?」
「嘘ではない 重政」
「ではどのようにおかしくなられたのじゃ」
「気がふれたようにさまよってるところを大臣に見つかったようだ」
「そうであったか」
敦盛は重政に
「それだけじゃないらしい」
「どいうことだ!!敦盛」
敦盛は何も話さず時間だけが過ぎる
「どうして何も話さぬ」
「いやなんでもない。。。」
2人は黙って時が過ぎていくだけ
「それじゃわたしはこれで帰る」
「そうかまた何かわかったら教えてくれ」
2人はそれぞれの屋敷に帰った

家に着くと重政は急いで使いの者に敦盛をよび
に行かせた
どうしたものかと急いで重政のいる屋敷に行くと
「どうしたのじゃ?」
「今からその屋敷に行くぞ」
「どういうことだ重政」
「よいよい 行くぞ」
2人は暗くなったよ道を歩きながら屋敷の前に着く
すると中から琴の音が聞こえてきて
「ほら帰ろう重政」
「中へ入るぞ敦盛」
屋敷の中へ入る重政
「ちょっ、ちょっとまたぬか重政」
「何をしておる敦盛」
どんどん屋敷の中へと入っていく重政
「待ってくれ重政」
屋敷の奥に入るとことの音が聞こえなくなり
そっと襖を開けると
生霊が1人琴の前にいる
「そなたは誰じゃ?」
「わらわは藤姫じゃ」
「どうしてここにおる」
「ここはわらわの住んでた家」
「そうであったか 今1度琴を弾いてはくれぬか?」
「いいですわ」
琴を弾き始めて藤姫は消えた
「消えたぞ重政」
「生霊とはそのようなものだ敦盛 藤姫とか言ったな調べておけ」
「藤姫だな わかった」


「藤姫について調べろと言われても。。。何から調べてよいものか?」
「どうした?敦盛殿」
「つかぬことを聞くが藤姫のことは知ってるか?」
「どうしたというのだ!!藤姫ならあそこにいるのが本人だが」
「どこだ!!たしかなことか?」
「嘘なんて言わない」
藤姫はきれいな女性で、どうして生霊なんてことになっているのかわからなかった
帝からも寵愛されて暮らしも裕福な藤姫
どうしてそんな藤姫が。。。










































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