上 下
4 / 26
第1話第4節

ありがとう。。。

しおりを挟む
 しかし、画面が白く光って見えにくい。女子も額に手を翳して眩しそうに目をそばめている。彼女の着座したテーブルの部分だけが夏の強い日差しが当たって輝いている。

 歩久は窓際側の八人掛けのテーブルに座っている人達の背後に回り、女子のためにブラインドの一部を下す。女子の前に座った男性高齢者が振り返って彼を仰ぎ見、頷く。

 歩久が席に戻ると、女子は両耳からワイヤレス・イヤフォンを外して彼の方を見、礼を言った。
「ありがとう」(つづく)
しおりを挟む

処理中です...