グループディスカッション

プロローグ

グループディスカッションとは、複数の被験者で討論を行うものである。




20XX年。 政府によってある法令が発令された。

 それが『クリエイティブ社会向上法』である。


これは、労働力よりも創造的、独創的なアイデアを持つ人達を重要視し、社会的な向上を図るための制度であるが この法令は表向きの華やかな法令とははるかに違う、恐ろしい法令であったーー。




「近いうちに必ず日本の雇用は崩壊します。人工知能によって私たちの職は奪われ、職がない人達で溢れかえります」 

年々下降を示すそのグラフは雇用状況を表しているものだった。 


「人の必要性までもなくなるか……」

 研究者の話によると、将来私たちの職はほとんどが人工知能によって代行出来るようになり、人の力を全く使わない世界に変わってしまうという。 

人工知能の急激な発達により、ロボットは人が手で行うことを簡単に、また正確にこなせるように成長している。 

「機械でほとんどの作業が代行出来るとなるともう、人の力を使う意味はない」

それは近い未来、私たちがすべき仕事がなくなるということだ。 創造性、つまり考えることを必要としない仕事はすべてテクノロジーに任されることになる。

生産性は格段にあがるが、そこに雇用が生み出されないという問題が今後、深刻化していく。
言ってしまえば人が余る時代。結論はすぐに出た。


「これからの私たちの将来、存続していくためには人口が多すぎる」


そこから生み出された、危険な対策。
クリエイティブ社会向上法。


 「人口を減らそう、 創造性のあるもの、考える力や議論出来る力だけが生き残る世界に」

過去最高に危ない法令は可決された。


 「クリエイティブ社会向上法を可決します」