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16.これからどうぞ宜しくお願いします
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重臣達が出た後、別の人たちが入って来た。その人達は武術及び護身術、剣術、魔法、その他諸々の知識を教えてくれるいわば先生のような人たちだ。
「遙様の護衛、及びお世話係を務めますイージス・カレンと申します。遙様が笑顔で過ごせるように努めてまいります」カレンさんが柔らかな笑みを浮かべて一礼する。カレンさんの笑顔は不思議と心がぽかぽかする笑顔。良かった、俺の傍に居てくれる人がカレンさんで。
「初めまして遙様。私はアルム王国第一部隊隊長の、イージス・アルカナと申します。武術、護身術をメインに担当致します。どうぞよろしくお願い致します。又、弟のカレンの事もどうぞよろしくお願いします」アルカナさんはカレンさんを一度見遣った後に俺を見て、深々とお辞儀をした。此の2人兄弟…なのか。確かに目元とか似てるような…凄く優しそうな人だな。
「お初にお目にかかります。アルム王国第二部隊隊長をしておりますフェール・アローと申します。私は主に弓の扱いについて教えを説かせていただきます」名を名乗り俺の前で跪くと、俺の手を取り手の甲に口付けてくる。ちょっとキザな感じの人なのかな。って、失礼か。
「アロー、やめてあげなさい。アローが無礼を働き失礼致しました。私は全部隊総司令官を任されております、キャヴァリエ・ソードと申します。主に剣術を担当致します。以後、お見知り置きを」アローさんの頭を軽く叩いた彼はとても物腰が柔らかくて、でも流石全部隊を纏めているだけあって貫禄が感じられる。
「若い者は元気で良いですな。此の老いぼれは此の城内の図書館司書をしております、リュンヌ・クロノと申します。此の世界や魔法の事など様々な事を遙様にお伝えさせていただきます。どうぞ宜しくお願いします」優しそうなお爺さんが深々と頭を下げる。
「遙様、お会い出来て光栄です。俺はサラマンダー・イグナイト、火属性魔術師です。綺麗な貴方に似合う魔法を少しお見せしましょう」元気もりもりな彼は深い笑みを浮かべると指をぱちんと鳴らし、俺の頭上にぱちぱちと綺麗な小さい花火を打ち上げて見せた。綺麗な花火に見惚れた俺は思わず感嘆の声を上げる。その様子を見た彼は満足気に笑みを浮かべていた。
「イグ、それ程にしてくれないか。ハードル上がるだろ。遙様、私はウンディーネ・カスケードと申します。水属性魔術師をしております。イグナイトのように綺麗な花火は出来ませんが、これを」穏やかに微笑む彼は俺の前に立つと指一本を俺に向け、そしてそこからふよふよと雫を出しては当たりに漂わせた。何此れ凄過ぎ。
「…僕はノヴァ・アイシクル。氷属性魔術師。よろしくね」笑み一つ浮かべない彼は俺を真っ直ぐに見つめてくる。そして指を小さく鳴らすと、俺の周りをふよふよと漂う雫を凍らせた。先程のカスケードさんが即座にツッコんでいる。面白い人たちだな。
「あー、みんな凄い事してるけど俺は何も出来ねぇよー。俺はノーム・ホライズン。土属性魔術師だ。大した事は出来ねぇんだが…あ、あそこの外の花壇見ててみ」頭を乱雑に掻きながら面倒臭そうに挨拶する男は窓の外を指差す。そして指鳴らしをすると何と花壇の土がぽこぽこと盛り上がり、其れは次第に形となり埴輪のような小さくて可愛い人形になった。何だか微笑ましくてふっと俺が笑うと、ノームさんもつられるように笑った。
「よーし、じゃあその変な人形見ててねー。っと、僕はシルフ・ゲイル。風属性魔術師だよ。よろしくね」可愛らしい見た目の男の子が指をくるっと円を描くように回すと、先程の土で出来た人形が風に吹かれ、悲しくも倒れてしまう。ノームさんは其れが可笑しかったようで笑っていた。良かった、怒ってないみたい。何だか変にヒヤヒヤしちゃったじゃないか。
「….あの、僕はノクターン・スパークです。雷は怖いだろうし僕も怖いから、試すのはやめておくね。あ、よろしくお願いします」小さな体、小さな声で彼は不安気に俺を見つめてくる。俺が優しく微笑むと微かに笑みを返してくれた。怖がりさんなのかな。
「こうして遙様に会えて光栄です。私はセラフィム・シャイン。光属性魔術師をしております。貴方は治癒も出来るとか。残念ながら私には治癒する力はございませんが、どうぞよろしくお願い致します」シャインさんは深々と頭を下げ、そして俺に近付くと俺の頬に触れ真っ直ぐ見つめてくる。何だか目が離せなくて、まるで彼の瞳に吸い込まれてしまいそう。色っぽい唇が俺へと迫り、俺の頬へ彼の唇が触れる。直ぐに彼が離れると俺に向かって何やら詠唱を唱え始めた。するとキラキラと輝く粉が俺に降り掛かってくる。凄く綺麗。何だろう、男の人なのに見惚れちゃうような色っぽい人…
「流石シャインだな。今のはバリア魔法だ。そなたに攻撃魔法が掛からぬようにしてくれている」王様が満足気に頷きながらシャインさんを見た。シャインさんはとても嬉しそうに一礼している。何だろう、此の感じ…なんかもやもやする。
「皆さま、これからどうぞ宜しくお願いします」俺は全員に向かって深々と頭を下げた。
俺に関わる全ての人の紹介が終わり、どっと疲労を感じる。其れに、何だか分からないけどシャインさんの最後の笑みに違和感を感じた。
「遙様の護衛、及びお世話係を務めますイージス・カレンと申します。遙様が笑顔で過ごせるように努めてまいります」カレンさんが柔らかな笑みを浮かべて一礼する。カレンさんの笑顔は不思議と心がぽかぽかする笑顔。良かった、俺の傍に居てくれる人がカレンさんで。
「初めまして遙様。私はアルム王国第一部隊隊長の、イージス・アルカナと申します。武術、護身術をメインに担当致します。どうぞよろしくお願い致します。又、弟のカレンの事もどうぞよろしくお願いします」アルカナさんはカレンさんを一度見遣った後に俺を見て、深々とお辞儀をした。此の2人兄弟…なのか。確かに目元とか似てるような…凄く優しそうな人だな。
「お初にお目にかかります。アルム王国第二部隊隊長をしておりますフェール・アローと申します。私は主に弓の扱いについて教えを説かせていただきます」名を名乗り俺の前で跪くと、俺の手を取り手の甲に口付けてくる。ちょっとキザな感じの人なのかな。って、失礼か。
「アロー、やめてあげなさい。アローが無礼を働き失礼致しました。私は全部隊総司令官を任されております、キャヴァリエ・ソードと申します。主に剣術を担当致します。以後、お見知り置きを」アローさんの頭を軽く叩いた彼はとても物腰が柔らかくて、でも流石全部隊を纏めているだけあって貫禄が感じられる。
「若い者は元気で良いですな。此の老いぼれは此の城内の図書館司書をしております、リュンヌ・クロノと申します。此の世界や魔法の事など様々な事を遙様にお伝えさせていただきます。どうぞ宜しくお願いします」優しそうなお爺さんが深々と頭を下げる。
「遙様、お会い出来て光栄です。俺はサラマンダー・イグナイト、火属性魔術師です。綺麗な貴方に似合う魔法を少しお見せしましょう」元気もりもりな彼は深い笑みを浮かべると指をぱちんと鳴らし、俺の頭上にぱちぱちと綺麗な小さい花火を打ち上げて見せた。綺麗な花火に見惚れた俺は思わず感嘆の声を上げる。その様子を見た彼は満足気に笑みを浮かべていた。
「イグ、それ程にしてくれないか。ハードル上がるだろ。遙様、私はウンディーネ・カスケードと申します。水属性魔術師をしております。イグナイトのように綺麗な花火は出来ませんが、これを」穏やかに微笑む彼は俺の前に立つと指一本を俺に向け、そしてそこからふよふよと雫を出しては当たりに漂わせた。何此れ凄過ぎ。
「…僕はノヴァ・アイシクル。氷属性魔術師。よろしくね」笑み一つ浮かべない彼は俺を真っ直ぐに見つめてくる。そして指を小さく鳴らすと、俺の周りをふよふよと漂う雫を凍らせた。先程のカスケードさんが即座にツッコんでいる。面白い人たちだな。
「あー、みんな凄い事してるけど俺は何も出来ねぇよー。俺はノーム・ホライズン。土属性魔術師だ。大した事は出来ねぇんだが…あ、あそこの外の花壇見ててみ」頭を乱雑に掻きながら面倒臭そうに挨拶する男は窓の外を指差す。そして指鳴らしをすると何と花壇の土がぽこぽこと盛り上がり、其れは次第に形となり埴輪のような小さくて可愛い人形になった。何だか微笑ましくてふっと俺が笑うと、ノームさんもつられるように笑った。
「よーし、じゃあその変な人形見ててねー。っと、僕はシルフ・ゲイル。風属性魔術師だよ。よろしくね」可愛らしい見た目の男の子が指をくるっと円を描くように回すと、先程の土で出来た人形が風に吹かれ、悲しくも倒れてしまう。ノームさんは其れが可笑しかったようで笑っていた。良かった、怒ってないみたい。何だか変にヒヤヒヤしちゃったじゃないか。
「….あの、僕はノクターン・スパークです。雷は怖いだろうし僕も怖いから、試すのはやめておくね。あ、よろしくお願いします」小さな体、小さな声で彼は不安気に俺を見つめてくる。俺が優しく微笑むと微かに笑みを返してくれた。怖がりさんなのかな。
「こうして遙様に会えて光栄です。私はセラフィム・シャイン。光属性魔術師をしております。貴方は治癒も出来るとか。残念ながら私には治癒する力はございませんが、どうぞよろしくお願い致します」シャインさんは深々と頭を下げ、そして俺に近付くと俺の頬に触れ真っ直ぐ見つめてくる。何だか目が離せなくて、まるで彼の瞳に吸い込まれてしまいそう。色っぽい唇が俺へと迫り、俺の頬へ彼の唇が触れる。直ぐに彼が離れると俺に向かって何やら詠唱を唱え始めた。するとキラキラと輝く粉が俺に降り掛かってくる。凄く綺麗。何だろう、男の人なのに見惚れちゃうような色っぽい人…
「流石シャインだな。今のはバリア魔法だ。そなたに攻撃魔法が掛からぬようにしてくれている」王様が満足気に頷きながらシャインさんを見た。シャインさんはとても嬉しそうに一礼している。何だろう、此の感じ…なんかもやもやする。
「皆さま、これからどうぞ宜しくお願いします」俺は全員に向かって深々と頭を下げた。
俺に関わる全ての人の紹介が終わり、どっと疲労を感じる。其れに、何だか分からないけどシャインさんの最後の笑みに違和感を感じた。
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近々番外編をあげます。
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