異世界ワープしたら王様に求婚されました。

ふわパカ

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34.上手く言えませんが

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首筋から下へと王の唇が触れていき、やがて胸元へと唇を寄せられる。すると、ふと彼の動きが止まった。

「此の印…憎くて仕方が無い。遙、シャインにはもう此の様に肌を晒してはならぬ。良いな?」シャインに付けられた痕を見ながら、圧の有る声で彼が告げる。俺もあの人にこんな事されるのは嫌だ。

でも、如何して…如何してシャインにされるのは駄目で、王にされるのは平気なのだろうか…?

「遙、返事をしろ」ぼーっと考え事をしている俺に痺れを切らしたのか、彼が鋭い目つきで俺を見ていた。怖いな、此の人のこういう顔。

「はい…でも、俺あの時動きを封じられて抵抗すら出来ませんでした。今度からは自らにバリアを張ってから指導を受けるつもりです」慌てて答えると、彼は満足気に頷いた。

「噫、其れは良い案だ。其方の無理の無い程度にバリア魔法の練習に励む様に。其れはそうと…其方の此の印、私が上書きせねばならぬな」彼は口角を上げると、シャインの付けた痕の上に吸い付き、赤い痕を残した。

「…っ、上書きも何も…王様の印だらけではありませんか…」俺が小さく呟く様に告げると、彼は幸せそうに表情を和らげた。

あ、此の人のこういう顔、好きだ。さっきの獲物を狩る様な怖い顔よりよっぽど良い。

「ふっ…良い事を言うではないか。私だけの印では無い、という事実は面白く無いが…」そう言うと、彼は再び俺の胸元へ唇を寄せては数箇所に痕を付けていく。其の度に俺はぴくりと反応し、其の反応に彼は笑みを深める。

「確かにシャインさんから付けられてしまったのはそうですけど…でも、其の、上手く言えませんが…王様に付けられるのは全然嫌じゃ無いし…寧ろちょっと嬉しいし、何か少し気持ち良いし…」言いながら恥ずかしくなってきた。俺の言葉に彼は目を丸くさせながら、じっと見つめてくる。

「…そうか。私も上手く言えないが…やっと其方に少し認めて貰えた様な気がして、嬉しいぞ」彼は真っ直ぐに俺を見つめ、そして俺の唇へと口付ける。彼の唇の感触に驚き目を見開くと、彼の真っ直ぐな視線と俺の視線が交じり合う。

彼は何度も啄む様に俺の唇へと口付け、そして口付けつつゆっくりと俺の腹部をつーっとなぞっていく。思わずぴくんと肩を跳ね上げぎゅっと目を瞑ると、其の反応に気を良くしたのか更に深く口付けられ、腹部から胸へと手を這わされる。

彼の舌が俺の唇をちろりと擽る様に舐め、其の感触に如何して良いか分からず、きゅっと唇を結ぶ。すると彼は、急に俺の胸の突起へと触れた。びくっと強い刺激に思わず口元を緩めると、すかさず彼の舌が俺の口内へと侵入する。

「ん…ふ…」彼の舌が歯列や上顎をなぞっていき、其の何とも言えぬ感覚にくぐもった様な甘い声が洩れてしまう。

「んん…っ」彼の舌が俺の舌を捉え、そしてねっとりと舌を絡めていく。

空いた彼の手は俺の胸や腹部を撫で、そして時折胸の突起へ触れていく。唇も舌も胸も腹部も、彼に触れられる所は全て気持ちが良くて溶けてしまいそう。

「….ん…王、様…此れ以上は、駄目…です」唇が離れると、彼は俺の胸の突起へと唇を寄せ、舌先でくりくりと刺激をする。あまりにも強い快感にびくんと腰を跳ね上げ、小さく声を洩らしながら告げる。

「ふっ…何故駄目なんだ。其の様な顔や声で言われても説得力が無い」俺、そんなやばい顔してるのかな。

彼は動きを止める事は無く、俺の胸の突起へ吸い付き、もう片方の突起は指の腹で捏ねる様に刺激していく。

「ん….っ、王様…俺…変になり、そう」快感にぴくぴくと反応し、とろんと蕩けた表情で彼を見つめると、彼は息を荒くし口角を上げた。

「変になって良い。この様な事が出来るのも私とだけだ。私とだけで良い。其の愛らしい表情も、全て私にしか見せるな。其方の表情はとても唆られる。繋がりたくて仕方が無い」彼は俺の耳元で吐息混じりに囁くと、俺の耳へと口付ける。ぴくっと肩を跳ね上げると、彼は再度耳に口付けた。

すると突然、どんどんと扉の叩く音がした。

「王様!!無礼をお許し下さい。至急お話をさせて頂きたく参りました」外で男の人の声がする。切羽詰まった様な声で、只事では無い事情が予測される。

「…良い所だったというのに…」ぼそりと彼が告げると、彼は俺にさっと掛け物を掛け、頬に口付けた。

「今日は此処で休め。カレンには寝支度をする様に伝えておく。続きはまたいずれ何処かで」彼は妖艶な笑みを俺に向け、そして俺の頭を撫でると己の服を整え、部屋を後にした。

何も彼に返答出来ず、急に色々されて急に一人になってしまった。其れに、最後に言ってた事ってつまり…此れよりも先の事をするって意味、だよな。

いや其れは駄目だ。だって俺、未だ大人じゃ無いし。そういう知識も経験も無いし…

一人ぽつんと、悶々と色々な事を考え、火照る身体をどうにかしようと、ぱたぱたと手で仰ぐのだった。
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