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第2章 ダンジョンへ挑戦 ミナ、リン

81話 料理コンテストの会場へ

 1週間が経過した。
 今は朝だ。
 宿屋前にて、俺、シルヴィ、ユヅキの3人で立っているところである。

「よし。今日は、リンの料理コンテストの日だったな」

「そうですね! リンさんはたくさん練習されていましたし、きっと好成績を収められるでしょう!」

 シルヴィがそう言う。
 俺たちが用意したリトルブラックタイガーの肉により、リンはたくさんの練習ができた。
 もともと腕はいいし、さらに狩りにより『料理人』のジョブレベルもかなり上がった。

「うん。期待したいところだね。今日は、みんなで応援に行くんだよね?」

「ああ。リンは先に会場に向かっている。ミナは、一度ここで合流する予定だ。……おっ」

 噂をすれば。
 見覚えのある赤い髪のドワーフの少女が、こちらに向かってきている。
 ミナだ。

「おはようなのです。待ったのです?」

「いや、今来たところだ」

 何だかデートの待ち合わせ時の受け答えみたいになった。

「これでみんな揃ったことになる。行くぞ!」

「「「おーっ!」」」

 そうして、俺たちは料理会場に向かい始めた。
 会場は、町の広場で行われる。
 そこに近づくにつれて、人も多くなってきた。

「なかなか盛況のようだな」

「うん。僕もこの町を拠点に活動して長いけど、毎年賑わっているよ」

 ユヅキがそう言う。
 高ランク冒険者は割りのいい仕事を探してあちこち巡る人が少なくない。
 しかし一方で、駆け出しの低ランク冒険者は、特定の町を拠点に活動する者が多い。

 どうせいろいろな町に行ったところで、ホーンラビットやゴブリン程度の魔物しか狩れないのだ。
 わざわざ移動する手間や費用がムダである。
 隊商の護衛依頼を受けようにも、低ランク冒険者では『いないよりマシ』程度の扱いで、大した報酬をもらえないしな。

「ボクは今まで興味なかったのですが……。リンさんの料理を食べて、価値観が変わったのです!」

 ミナがそう言う。
 彼女はズボラな性格だ。
 これまでは、食生活にも拘らずに鍛冶ばかりしてきたのだろう。

「わたしはもちろん初めてですよ! ご主人様も初めてなのですか? お揃いですね!」

 シルヴィが上機嫌にそう言う。
 彼女は遠方の村から奴隷として売られ、この町にやって来た。
 結構微妙な話題のような気もするが、シルヴィに気にした様子はない。
 なかなかメンタルが強いな。

「ああ。参加者たちの料理を見させてもらうことにしよう」

 参加者は、ざっと30人以上か。
 ずいぶんと多い。

 広場に簡易的な厨房が設けられている。
 あそこで料理して、審査員に出して採点をしてもらう感じだ。
 包丁などの調理器具は持参可だが、その他の基本的な調理器具は据え付けのものを使うことになる。
 これは、実力の差が出てしまうだろう。

 俺たちは、広場でしばらく待つ。
 開会の時間が近づくにつれて、さらに人が増えてきている。

 そして、開会の時間となった。
 司会の男が前に出て、口を開く。

「では、開会します! まずは特別審査員のローズ様、そしてティータ様のお言葉をいただきます!」

 司会の男の言葉を受けて、2人の少女が前に出る。
 確か、彼女たちは……。
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