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第2章 ダンジョンへ挑戦 ミナ、リン
82話 リンの料理
料理コンテストの開会式が始まろうとしている。
「では、開会します! まずは特別審査員のローズ様、そしてティータ様のお言葉をいただきます!」
司会の男の言葉を受けて、2人の少女が前に出る。
その片方が口を開く。
「本日はお招きいただきありがとうございます。領主である父に代わり、皆さまの素晴らしいお料理を楽しませていただきますわ」
確か、彼女は領主の娘であるローズだ。
なかなかの美人だという噂を聞いていたが、その噂通りの顔立ちである。
年齢は10代後半くらい。
髪は桃色で、気品を感じる。
「……うん。ティータもおいしい料理に期待してる。よろしくね……」
もう片方が、簡潔にそう言う。
彼女はエルフ族のティータだ。
エルフの森から、来賓としてこの町に滞在していると聞いたことがある。
年齢は10代中盤くらい。
緑色の髪が美しい。
彼女たちの開会の言葉の後、数人の審査員からの挨拶が始まる。
今日は、ローズやティータに彼らを加えた審査員たちの総合評価点で順位が決まるのだ。
「……であるからして……」
「うんたらかんたら……」
おっさんたちの話は軽く聞き流しておく。
そこそこのお偉いさんだったり、美食家として有名な人だったりするようだが、俺は男には興味ない。
そして、いよいよコンテストが始まった。
参加者たちが一斉に料理を始めている。
俺はリンの様子を注視する。
「まずは、下ごしらえしてきたリトルブラックタイガーの肉を焼くぜ!」
リンが豪快に肉を焼いていく。
火加減を間違えれば焦げてしまうが、そこは度重なる練習でバッチリマスターしている。
「焼きながらさらに調味料をまぶして……」
調味料をかけすぎると、味が濃くなる。
調味料が不足していると、そっけない味になる。
そのあたりのバランスは、俺やシルヴィが味見役として散々協力させてもらった。
「おらあ! 追加でブラックタイガーの肉を焼くぜ!」
ブラックタイガーの肉は、偶然により手に入ったものだ。
本来は階層ボスクラスの魔物が通常の魔物のように出現するという、レアケース。
さらに、たった一度の討伐で肉がドロップするという幸運により、手に入った。
「その間に、サラダもつくっておいて、と」
俺やシルヴィは肉料理が好きだ。
料亭ハーゼでは、ひたすら肉料理ばかり注文していた。
見かねたリンやユヅキにより、サラダもムリヤリ食べさせられてきた思い出がある。
君たちは俺のオカンか。
……と、俺が過去に思いを馳せつつ眺めているうちに、料理は終わりに近づいてきた。
彼女が皿に料理を盛り付けていく。
「おあがりよ」
これにて、料理の完成だ。
審査員たちが食べることになる。
果たして、高評価を得ることができるだろうか。
「では、開会します! まずは特別審査員のローズ様、そしてティータ様のお言葉をいただきます!」
司会の男の言葉を受けて、2人の少女が前に出る。
その片方が口を開く。
「本日はお招きいただきありがとうございます。領主である父に代わり、皆さまの素晴らしいお料理を楽しませていただきますわ」
確か、彼女は領主の娘であるローズだ。
なかなかの美人だという噂を聞いていたが、その噂通りの顔立ちである。
年齢は10代後半くらい。
髪は桃色で、気品を感じる。
「……うん。ティータもおいしい料理に期待してる。よろしくね……」
もう片方が、簡潔にそう言う。
彼女はエルフ族のティータだ。
エルフの森から、来賓としてこの町に滞在していると聞いたことがある。
年齢は10代中盤くらい。
緑色の髪が美しい。
彼女たちの開会の言葉の後、数人の審査員からの挨拶が始まる。
今日は、ローズやティータに彼らを加えた審査員たちの総合評価点で順位が決まるのだ。
「……であるからして……」
「うんたらかんたら……」
おっさんたちの話は軽く聞き流しておく。
そこそこのお偉いさんだったり、美食家として有名な人だったりするようだが、俺は男には興味ない。
そして、いよいよコンテストが始まった。
参加者たちが一斉に料理を始めている。
俺はリンの様子を注視する。
「まずは、下ごしらえしてきたリトルブラックタイガーの肉を焼くぜ!」
リンが豪快に肉を焼いていく。
火加減を間違えれば焦げてしまうが、そこは度重なる練習でバッチリマスターしている。
「焼きながらさらに調味料をまぶして……」
調味料をかけすぎると、味が濃くなる。
調味料が不足していると、そっけない味になる。
そのあたりのバランスは、俺やシルヴィが味見役として散々協力させてもらった。
「おらあ! 追加でブラックタイガーの肉を焼くぜ!」
ブラックタイガーの肉は、偶然により手に入ったものだ。
本来は階層ボスクラスの魔物が通常の魔物のように出現するという、レアケース。
さらに、たった一度の討伐で肉がドロップするという幸運により、手に入った。
「その間に、サラダもつくっておいて、と」
俺やシルヴィは肉料理が好きだ。
料亭ハーゼでは、ひたすら肉料理ばかり注文していた。
見かねたリンやユヅキにより、サラダもムリヤリ食べさせられてきた思い出がある。
君たちは俺のオカンか。
……と、俺が過去に思いを馳せつつ眺めているうちに、料理は終わりに近づいてきた。
彼女が皿に料理を盛り付けていく。
「おあがりよ」
これにて、料理の完成だ。
審査員たちが食べることになる。
果たして、高評価を得ることができるだろうか。
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