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74話 3回表~8回裏 そして最後の攻防へ

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 桃色青春高校vs大火熱血高校。
 初回に3点を先制した桃色青春高校であったが、その後の2回裏に1点を返された。
 そして、その後は大きな動きのないままイニングが進んでいく。




     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|300      |3|
大火熱血|01       |1|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|300      |3|
大火熱血|010      |1|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|3000     |3|
大火熱血|010      |1|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|3000     |3|
大火熱血|0100     |1|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|30000    |3|
大火熱血|0100     |1|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|30000    |3|
大火熱血|01001    |2|
―――――――――――――――――
ツーアウト・ランナー2塁から
1番・センター・焔のタイムリーヒットで1点を返す





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|300001   |4|
大火熱血|01001    |2|
―――――――――――――――――
ワンアウト・ランナー3塁から
6番・キャッチャー・ユイのタイムリーヒットで1点を追加する





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|300001   |4|
大火熱血|010010   |2|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|3000010  |4|
大火熱血|010010   |2|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|3000010  |4|
大火熱血|0100100  |2|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|30000100 |4|
大火熱血|0100100  |2|
―――――――――――――――――





     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|30000100 |4|
大火熱血|01001001 |3|
―――――――――――――――――
ツーアウト・ランナー満塁から
7番・セカンド・赤月のタイムリーヒットで1点を返す
2塁ランナーは本塁にてタッチアウトとなり、さらなる点は入らず




『スリーアウトチェンジ!』

 審判ロボの声を受け、龍之介たちがベンチに引き上げた。
 試合が終盤なこともあり、全体的に疲労感が漂っている。
 その中でも、とりわけ息が乱れている者がいた。

「ぜぇ、ぜぇ……」

「だ、大丈夫ですか? 龍様」

 明らかに龍之介の顔色が悪い。
 ミオが心配そうに声をかける。

「ああ、大丈夫だ……と言いたいところではあるが、少しキツイな。この暑さは……」

 桃色青春高校のエース・龍之介は疲労困憊であった。
 1回戦や2回戦では、見事な完投勝利を見せたことがある。
 だが、それらの試合では下位打線などを相手にする際に適度に力を抜いていた。
 今日の大火熱血高校の強力打線が相手では、それができない。
 その上、11月とは思えないほどに高い気温が彼の体力を奪っていた。

「8回の裏に1点を入れられ、1点差になってしまった。すまない……」

「問題ありませんっ! この回は、ちょうど1番のわたしから始まる打順ですからっ!」

「そうでござるな。某たちが打って、改めてリードを広げておけば安心でござる」

 ノゾミとセツナがフォローする。
 投手の龍之介はかなり消耗している。
 9回の裏も、1点ぐらいは覚悟しなければならないかもしれない。
 となると、この9回表の攻撃でリードを広げられるかどうかで試合の大勢が決まるだろう。

「すまないが、よろしく頼む。幸いなことに、相手ピッチャーもかなり疲れている様子だ。俺たちなら必ず追加点を――ん?」

 龍之介が言葉の途中で顔をしかめる。
 相手ベンチで、何やら口論が始まっていた。

「監督! アタシは今日、絶好調なんだ! 確かに、さすがのアタシでも疲れ始めてるけどよ……龍之介との投げ合いで先にマウンドを下りるわけにはいかねぇだろっ!!」

 不知火である。
 彼女は監督に向かって声を荒げていた。
 どうやら、采配について不満があるようだ。

 しかし最終的には不知火が折れたようで、ベンチの奥に下がっていった。
 監督が審判ロボに何かを告げる。
 そして――

『大火熱血高校、選手の交代をお知らせいたします。ピッチャーの不知火君に代わりまして、朱里君。6番・ピッチャー・朱里君』

 投手交代のアナウンスがされたのだった。


     123456789 計
―――――――――――――――――
桃色青春|30000100 |4|
大火熱血|01001001 |3|
―――――――――――――――――
9回表、桃色青春高校の攻撃前



【高校野球】2099年東京都秋大会雑談スレ32【ダークホース桃色青春高校】

826:代走名無し@野球大好きオジサン
このタイミングで投手交代!
体力の限界ってところか?

827:代走名無し@野球大好きオジサン
不知火投手は尻上がりタイプらしいが……
さすがにこの猛暑では完投は無理だったか

828:代走名無し@野球大好きオジサン
バテバテだったもんな
さらなる失点をする前に交代するのは、賢明な判断だ

829:代走名無し@野球大好きオジサン
桃色青春高校も同じく投手交代ができれば良かったのにな
ここに来て、選手層の厚さの差を痛感した

830:代走名無し@野球大好きオジサン
大火熱血高校は、この回を無失点に抑えれば逆転サヨナラもあるな
最低でも同点に追いつけば、延長線では有利だし
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