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隆太「この前家族でちょっと値の張るレストラン行ったんだ」
和樹「へぇ、何食べたの?」
隆太「オムライス」
和樹「お子様ランチでも食べたの?」
隆太「甘いねぇ、お子様ランチに付いてるゼリー並みに甘い」
和樹「動物のかわいいイラストが描かれてるアレね、で、何が甘いのさ?」
隆太「ご家庭で作る薄焼き卵のオムライスと違って、俺が食べたオムライスは、なんとラグビーボール状でケチャップライスに乗っかっていたんだ。それに切り込みを入れると、中から半熟卵がとろとろ~って出てくるんだ。あれだ」
和樹「あー、あれね、旨いよね」
隆太「え、それだけ?」
和樹「ん? それ以外に何を享受すればいいの? 僕もオムライス食べにポムの樹に行った事はあるけれど、感想といっても、とろっとしてておいしいなってくらいしかないかな」
隆太「分かってねぇなぁ、何も分かってねぇ」
和樹「……何をさ、隆太は何を分かっているって言うんだい?」
隆太「よくぞ聞いてくれた。オムライスは、芸術だよ」
和樹「……ごめんわからない」
隆太「分からないか? 調理場を見させてもらったんだけど、あれはすごかった。卵をフライパンで加熱する時のフライパンの火の絶妙な接触加減、中を加熱させ過ぎずに整形していく素早いフライパン捌き、そして出来上がったプレーンオムレツの表面のきめ細やかさ、全てが芸術であり、作品だった。食べるまでに五分はかけたな」
和樹「いや食べなよ」
隆太「食べた食べた。ちょっと冷めてたけど」
和樹「やっぱり冷めてたんじゃん」
隆太「それだけじゃないんだ、ケチャップライスを皿に盛りつける時に、楕円形の容器に詰め込んでからしてたんだよ。プリンみたいな。そういう技術が使われていたんだって思うと、ただ料理食べてるよりも楽しめるんだよね」
和樹「ほー、なるおどね。ただ消費するのではなく、提供の様子を見ることでそのありがたみを、文字通り噛みしめられるってことだね」
隆太「そういうこと。ただお金を支払ってそのままオムライスを食べてるだけじゃ勿体ないからな。さて、そろそろ三分経ったか。いただきます」
和樹「カップ麺に調理工程とかないけど、それはどうするの?」
隆太はカップ麺の側面を見せる。そこには市販のイラストではなく、手描き感あふれるイラストが描かれていた。
隆太「抜かりはない、このために大阪のカップラーメンミュージアムに行ってきた」
和樹「その究極の消費者スタイルがプロフェッショナルだよ」
和樹「へぇ、何食べたの?」
隆太「オムライス」
和樹「お子様ランチでも食べたの?」
隆太「甘いねぇ、お子様ランチに付いてるゼリー並みに甘い」
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隆太「ご家庭で作る薄焼き卵のオムライスと違って、俺が食べたオムライスは、なんとラグビーボール状でケチャップライスに乗っかっていたんだ。それに切り込みを入れると、中から半熟卵がとろとろ~って出てくるんだ。あれだ」
和樹「あー、あれね、旨いよね」
隆太「え、それだけ?」
和樹「ん? それ以外に何を享受すればいいの? 僕もオムライス食べにポムの樹に行った事はあるけれど、感想といっても、とろっとしてておいしいなってくらいしかないかな」
隆太「分かってねぇなぁ、何も分かってねぇ」
和樹「……何をさ、隆太は何を分かっているって言うんだい?」
隆太「よくぞ聞いてくれた。オムライスは、芸術だよ」
和樹「……ごめんわからない」
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和樹「いや食べなよ」
隆太「食べた食べた。ちょっと冷めてたけど」
和樹「やっぱり冷めてたんじゃん」
隆太「それだけじゃないんだ、ケチャップライスを皿に盛りつける時に、楕円形の容器に詰め込んでからしてたんだよ。プリンみたいな。そういう技術が使われていたんだって思うと、ただ料理食べてるよりも楽しめるんだよね」
和樹「ほー、なるおどね。ただ消費するのではなく、提供の様子を見ることでそのありがたみを、文字通り噛みしめられるってことだね」
隆太「そういうこと。ただお金を支払ってそのままオムライスを食べてるだけじゃ勿体ないからな。さて、そろそろ三分経ったか。いただきます」
和樹「カップ麺に調理工程とかないけど、それはどうするの?」
隆太はカップ麺の側面を見せる。そこには市販のイラストではなく、手描き感あふれるイラストが描かれていた。
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