男子高校生の休み時間

こへへい

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変わらない日々、ヒビ無き瓦

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和樹「はぁ、つまらない」

隆太「授業なんてそんなもんだろうよ、それにそんなつまらないところから面白い発見を得た時の喜びは、結構大きいぞ?」

和樹「つまらないところから面白いところ? そんなのあるの? 見もしない歴史上の人物と謳われている、よくわからない白黒写真の人の物語を追いかけて何が楽しいっていうんだよ」

隆太「そんなお前に高杉晋作のお言葉を贈ろう、『面白きこともなき世を面白く住みなすものは心なりけり』ってな。攘夷志士って感じだろ? そういう感じで、つまんねーことを面白くしようぜってことだよ」

和樹「はーつまんな、どうせ眼帯付けて『俺はただ壊すだけだ』とか言ってんでしょ? はいはい中二病乙」

隆太「アニメ知識しかねぇな。何がそんなにつまらないってんだよ」

和樹「こうして毎日毎日同じ場所に来て、同じ授業を毎週受けて、同じ時間に帰る。刺激がないんだよ刺激が。そりゃ眠たくもなるよ」

隆太「まぁ、授業のシステムを『面白く住みなす』のは確かに難しいけれどもな、でも授業ってそこまで単調か? 授業ってちゃんと単元変わるし、文化祭とかもあっただろう?」

和樹「授業なんてつまらなくて聞いてないし、文化祭ってもうはるか昔の話じゃないか。また模擬店やりたいなぁ」

隆太「遅効性の燃え尽き症候群、って言いたいところだが、普通に真面目に授業受けてないだけだな?」

和樹「受けてても頭の中素通りしてるんだよ~、つまらなさ過ぎてさぁ。なんだろうね、まるで同じ柄が永遠と続いているような感じ」

隆太「それは、まぁ、授業ってそういうもんだしな」

和樹「い~や~だ~、そんな授業、もっと刺激的な授業がい~い~」

山本「あー席つけよ席、今から国語とはなんたるものか、俺が瓦割で教えてやるからな。何? 国語を瓦割で教えられるわけがないって? んな常識俺がこの拳でぶっこわしてやるよ。そういう意図が込められてるんだ。そんなこともわからねぇ固定観念は今の内にぶっ壊す必要があるからな。何? 無理やり旨い事言おうとしてるって? タイトルのダジャレのために物語をでっちあげてるって? いいじゃねぇか鶏が先でも。お前らが無精卵で終わるかどうかはこの時間にかかっているんだ。いいから俺の最近のマイブームである瓦割に付き合え、そして飛び散った瓦を集めることだけを考えろ」

和樹「国語を瓦割で、それだぁ!」

隆太「ちなみにヒビ無き瓦は、均斉に並べられた瓦の見栄えが、ヒビという無作為な柄が入っていないことで、何の変わり映えもないことを表していたりするわけだ。この教師なんでクビにならないんだろ」
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