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小話 なんで突然ディスるんですか!?
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「変だよなぁ」
倒されたオークキングの死体が、地面にこれでもかというくらい転がっている。
「おかしなことばかりよ」
「ありえない……」
Aランク冒険者たちが口々に呟いている。
今回の依頼は確かにおかしい。依頼が……というよりはこの状況が、か。低確率でオークの群れに出現するキングが、キングのみだけで大軍を作る異常事態だ。ベテランの冒険者が眉をひそめるのも納得だ。
「もう四日目ですもんね」
一日で終わると思われていた討伐が、翌朝も大軍が出現するという緊急事態で長引いてしまっている。
次の日も、その次の日も。
毎回、確かに殲滅しているはずなのに湧いてくる。幸いなのは、通常のキングよりも弱いので、討伐自体は早く終わることだ。
通常であれば三発殴らなければ倒れないが、こいつらは一発殴るか蹴るかだけで倒れていく。
「最近は角付の狂暴化が目立ってるらしいですけど、こっちは弱体化してますね。大量発生の代償でしょうか」
先輩冒険者のボヤキに合わせようと、異常な点を挙げてみるが、どうにも反応は良くない。
(的外れな事を言ったかな?)
最近は太陽と行動することが多いが、普段はソロプレイが基本だ。あまり大勢の人と依頼をこなすのは慣れていないので、何かまずいことをしてしまった可能性もある。
「えーっと、他に気付けていないことがあったら教えてください」
空気を読んで立ち回るのは苦手だ。直球で聞いてみると意外な答えが返ってきた。
「「「おかしいのはあなた(あんただ)よ!」」」
その場にいた数人が口を揃えて言ったのは、私がおかしいということだった。
ただ、その口調は怒っているとか攻めているとかではなく、驚きに近いものだ。
「え、なんで突然ディスるんですか!?」
「いやいや!? この四日間、素手で殴って蹴ってしかしてないわよね!?」
「しかも一発で仕留めてるだろ!?」
「開始から終了まで、一度も休んでなくないか!?」
えぇ……そんなこと? 自分にとっては当たり前のことすぎて、何を驚かれているのか分からない。
「や、だから、今回のオークキングは弱くって……」
「弱くたって一発はないだろ……」
「私は結構魔力を込めて打っているわよ……」
「俺もすぐバテちまうくらいに頑張ってるのに……」
あぁ……先輩方がどんどん落ち込んでしまう。
剣に銃にスターマイン。それぞれ戦い方が違うのだから比べないで欲しい。
「身体強化メインって噂には聞いてたけど……」
「まさか素手とは思わなかったわ……」
外部魔力が無くても、日本には優秀な武器が揃っていいる。きっとそれらを使用していると思われていたのだろう。生憎、素手が一番性に合っているのだ。
「体力も威力も半端ないなぁ……」
「そんな……化け物みたいに言わないでくださいよ」
人より力が強い自覚はあるが、私だって乙女だ。そんな……怖いモノを見る目は傷つくぞ。
「ごめんごめん」
「ちょっと自分たちの弱さに落ち込んじゃった」
「追いつけるように頑張るからさ、これからもよろしく頼むな」
「こちらこそ。きっと明日も湧くでしょうし……とりあえず帰れるまで頑張りましょう!」
お互いに笑い合い、握手をしあう。
倒されたオークキングの死体が、地面にこれでもかというくらい転がっている。
「おかしなことばかりよ」
「ありえない……」
Aランク冒険者たちが口々に呟いている。
今回の依頼は確かにおかしい。依頼が……というよりはこの状況が、か。低確率でオークの群れに出現するキングが、キングのみだけで大軍を作る異常事態だ。ベテランの冒険者が眉をひそめるのも納得だ。
「もう四日目ですもんね」
一日で終わると思われていた討伐が、翌朝も大軍が出現するという緊急事態で長引いてしまっている。
次の日も、その次の日も。
毎回、確かに殲滅しているはずなのに湧いてくる。幸いなのは、通常のキングよりも弱いので、討伐自体は早く終わることだ。
通常であれば三発殴らなければ倒れないが、こいつらは一発殴るか蹴るかだけで倒れていく。
「最近は角付の狂暴化が目立ってるらしいですけど、こっちは弱体化してますね。大量発生の代償でしょうか」
先輩冒険者のボヤキに合わせようと、異常な点を挙げてみるが、どうにも反応は良くない。
(的外れな事を言ったかな?)
最近は太陽と行動することが多いが、普段はソロプレイが基本だ。あまり大勢の人と依頼をこなすのは慣れていないので、何かまずいことをしてしまった可能性もある。
「えーっと、他に気付けていないことがあったら教えてください」
空気を読んで立ち回るのは苦手だ。直球で聞いてみると意外な答えが返ってきた。
「「「おかしいのはあなた(あんただ)よ!」」」
その場にいた数人が口を揃えて言ったのは、私がおかしいということだった。
ただ、その口調は怒っているとか攻めているとかではなく、驚きに近いものだ。
「え、なんで突然ディスるんですか!?」
「いやいや!? この四日間、素手で殴って蹴ってしかしてないわよね!?」
「しかも一発で仕留めてるだろ!?」
「開始から終了まで、一度も休んでなくないか!?」
えぇ……そんなこと? 自分にとっては当たり前のことすぎて、何を驚かれているのか分からない。
「や、だから、今回のオークキングは弱くって……」
「弱くたって一発はないだろ……」
「私は結構魔力を込めて打っているわよ……」
「俺もすぐバテちまうくらいに頑張ってるのに……」
あぁ……先輩方がどんどん落ち込んでしまう。
剣に銃にスターマイン。それぞれ戦い方が違うのだから比べないで欲しい。
「身体強化メインって噂には聞いてたけど……」
「まさか素手とは思わなかったわ……」
外部魔力が無くても、日本には優秀な武器が揃っていいる。きっとそれらを使用していると思われていたのだろう。生憎、素手が一番性に合っているのだ。
「体力も威力も半端ないなぁ……」
「そんな……化け物みたいに言わないでくださいよ」
人より力が強い自覚はあるが、私だって乙女だ。そんな……怖いモノを見る目は傷つくぞ。
「ごめんごめん」
「ちょっと自分たちの弱さに落ち込んじゃった」
「追いつけるように頑張るからさ、これからもよろしく頼むな」
「こちらこそ。きっと明日も湧くでしょうし……とりあえず帰れるまで頑張りましょう!」
お互いに笑い合い、握手をしあう。
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