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家に帰ると、母親の友人、平子美華が遊びに来ていた。
リビングのソファに母親と向かい合って座っている未華は愛莉の顔を見るなり言った。
「愛莉ちゃん、あなた近いうちに、運命の人が現れるわよ」
愛莉は力が抜けたような声を出した。
「え……」
運命の人だと思っていた人と今まさに別れたばかりなのに、未華さん、なに言っているのだろう。
なにもこたえられないでいると、母親が口に手をあてて声を出して笑ってから言った。
「愛莉には今彼氏がいるの。だから、その人よね~、運命の人って」
母親が同意を求めるような目つきで愛莉を見た。
「ううん。運命の人は、これから出逢う人よ。だって、顔にそう出てるもの」
未華はビシッと言った。
未華はプロではないが占いができる人で、人相占いもして、けっこう当たると評判だ。
けれど、いくら信頼している未華の言うことでも、今の愛莉には心に響かず、信じることができない。
「ちょっと部屋ですることがあるので」
愛莉はその場にいたくなくて、未華と母親にそう言うと、二階の自分の部屋へ足早に向かった。
リビングのソファに母親と向かい合って座っている未華は愛莉の顔を見るなり言った。
「愛莉ちゃん、あなた近いうちに、運命の人が現れるわよ」
愛莉は力が抜けたような声を出した。
「え……」
運命の人だと思っていた人と今まさに別れたばかりなのに、未華さん、なに言っているのだろう。
なにもこたえられないでいると、母親が口に手をあてて声を出して笑ってから言った。
「愛莉には今彼氏がいるの。だから、その人よね~、運命の人って」
母親が同意を求めるような目つきで愛莉を見た。
「ううん。運命の人は、これから出逢う人よ。だって、顔にそう出てるもの」
未華はビシッと言った。
未華はプロではないが占いができる人で、人相占いもして、けっこう当たると評判だ。
けれど、いくら信頼している未華の言うことでも、今の愛莉には心に響かず、信じることができない。
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