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追放
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「レ、レオン様に婚約破棄されたぁああああ?!」
お父様は開口一番にいきなり叫んだ。
顔を真っ赤にし、私を怒鳴りちらした。
「レオン様に婚約破棄されて、お前の嫁ぎ先なんぞどこにもないんだぞっ! しかも、わしの顔に泥を塗りおって! このバカ娘!」
「……」
私はただ何も言えず、お父様の怒りがおさまるのをひたすら待った。
こんなときは逆らわずに静かに過ごすのが無難だった。
「愚鈍でホントにどうしようないお前はこの家から出ていけ! 二度とこの家の敷居を跨ぐな! わかったな?!」
お父様は去り際に「今日中には荷物をまとめとけ」といい、私の部屋から出ていった。
私はフラフラとベッドに行くと、突っ伏して泣き続けた。
いくらなんでも、失恋の娘に対してあんまりな仕打ちではないか。
私だって六年間、必死にレオン様に気にいられようと努力をした。
でも、もう何をしたって現状は変わらない。
私はベッドからムクリと起き上がり、クローゼットや机の引き出し、ドレッサーからトランク一つ分の荷物を詰め込んだ。
明日からどこに行くのか、さっぱり見当もつかない。
ど田舎にある親戚の家なのか、修道院なのか。
今まで、レオン様の婚約者として、ひたすら公爵邸夫人になるべく教育しか受けていない。
それも無駄になり、私に残っているものは何一つなかった。
とりあえず、お金になりそうなものは持って行こう。
私はドレッサーにある宝石類、コインが入った袋など全てトランクに入れた。
それから、お気に入りの羽ペン、レターセットも入れる。
着替えの服も入れると、トランクがいっぱいになった。
こんな形でこの家を出るとは思わなかった。
もう、二度とこの部屋に戻れないと思うと悲しくなった。
私は明日のために、ナイトウェアに着替え、ベッドに入った。
悪い夢なら早く覚めて。
そう思いながら寝た。
起きると、再び現実を知ることになり絶望した。
「ソフィア様、着きましたよ」
御者のバルトが声をかけてくれる。
「バルト、ありがとう」
「いえいえ、にしても旦那様も酷いことをなさる。お嬢様は悪くないでしょう」
バルトは目に涙を浮かべ、私を心配してくれた。
私と同じくらいの娘がいるので、何かと私を案じてくれていた。
「バルト、心配かけてごめんなさい。でも、レオン様の近くにいるよりは、遠いところで、過ごしたほうが気持ち的に楽だわ」
私は八時間かけて、遠縁の親戚に預けられることになった。
お父様は、婚約破棄の件でほとぼりが冷めたら呼び戻すと言っていた。
けど、もうガミラ伯爵邸には戻りたくなかった。
毎日、お父様の顔を伺う生活にウンザリしていたからだ。
馬車から見えた麦畑が綺麗で、私はこの場所が気にいった。
麦畑の中にポツンと一軒家が建っていた。
一軒家の前につくと、遠縁の親戚のバレッタ老夫婦が、私を快く迎えてくれた。
二人とも私の祖父母くらいの年齢に見えた。
私がレオンから婚約破棄されたことは知っているはずなのに、彼らは敢えて聞こう
ともしなかったし、私を大事にしてくれた。
使用人がいないため、一人で何もかもしなければならなかった。
ついてそうそう、まずは長年使われてなかった部屋の掃除をする。
バレッタ家は小ぢんまりとした一軒家で、私の部屋としてあてがわれた部屋はガミラ伯爵邸の自室の半分もなかった。
ほうきで床をはき、雑巾で窓を掃除し、ベッドのシーツを換える。
長時間の移動での疲れもあり、自室を掃除したら、そのままベッドで横になり寝てしまった。
私の追放生活一日目がスタートした。
お父様は開口一番にいきなり叫んだ。
顔を真っ赤にし、私を怒鳴りちらした。
「レオン様に婚約破棄されて、お前の嫁ぎ先なんぞどこにもないんだぞっ! しかも、わしの顔に泥を塗りおって! このバカ娘!」
「……」
私はただ何も言えず、お父様の怒りがおさまるのをひたすら待った。
こんなときは逆らわずに静かに過ごすのが無難だった。
「愚鈍でホントにどうしようないお前はこの家から出ていけ! 二度とこの家の敷居を跨ぐな! わかったな?!」
お父様は去り際に「今日中には荷物をまとめとけ」といい、私の部屋から出ていった。
私はフラフラとベッドに行くと、突っ伏して泣き続けた。
いくらなんでも、失恋の娘に対してあんまりな仕打ちではないか。
私だって六年間、必死にレオン様に気にいられようと努力をした。
でも、もう何をしたって現状は変わらない。
私はベッドからムクリと起き上がり、クローゼットや机の引き出し、ドレッサーからトランク一つ分の荷物を詰め込んだ。
明日からどこに行くのか、さっぱり見当もつかない。
ど田舎にある親戚の家なのか、修道院なのか。
今まで、レオン様の婚約者として、ひたすら公爵邸夫人になるべく教育しか受けていない。
それも無駄になり、私に残っているものは何一つなかった。
とりあえず、お金になりそうなものは持って行こう。
私はドレッサーにある宝石類、コインが入った袋など全てトランクに入れた。
それから、お気に入りの羽ペン、レターセットも入れる。
着替えの服も入れると、トランクがいっぱいになった。
こんな形でこの家を出るとは思わなかった。
もう、二度とこの部屋に戻れないと思うと悲しくなった。
私は明日のために、ナイトウェアに着替え、ベッドに入った。
悪い夢なら早く覚めて。
そう思いながら寝た。
起きると、再び現実を知ることになり絶望した。
「ソフィア様、着きましたよ」
御者のバルトが声をかけてくれる。
「バルト、ありがとう」
「いえいえ、にしても旦那様も酷いことをなさる。お嬢様は悪くないでしょう」
バルトは目に涙を浮かべ、私を心配してくれた。
私と同じくらいの娘がいるので、何かと私を案じてくれていた。
「バルト、心配かけてごめんなさい。でも、レオン様の近くにいるよりは、遠いところで、過ごしたほうが気持ち的に楽だわ」
私は八時間かけて、遠縁の親戚に預けられることになった。
お父様は、婚約破棄の件でほとぼりが冷めたら呼び戻すと言っていた。
けど、もうガミラ伯爵邸には戻りたくなかった。
毎日、お父様の顔を伺う生活にウンザリしていたからだ。
馬車から見えた麦畑が綺麗で、私はこの場所が気にいった。
麦畑の中にポツンと一軒家が建っていた。
一軒家の前につくと、遠縁の親戚のバレッタ老夫婦が、私を快く迎えてくれた。
二人とも私の祖父母くらいの年齢に見えた。
私がレオンから婚約破棄されたことは知っているはずなのに、彼らは敢えて聞こう
ともしなかったし、私を大事にしてくれた。
使用人がいないため、一人で何もかもしなければならなかった。
ついてそうそう、まずは長年使われてなかった部屋の掃除をする。
バレッタ家は小ぢんまりとした一軒家で、私の部屋としてあてがわれた部屋はガミラ伯爵邸の自室の半分もなかった。
ほうきで床をはき、雑巾で窓を掃除し、ベッドのシーツを換える。
長時間の移動での疲れもあり、自室を掃除したら、そのままベッドで横になり寝てしまった。
私の追放生活一日目がスタートした。
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