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ギザ男爵邸
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ガダガタ、ガタンッ
「ッ!!」
荷馬車の酷い揺れで私の体が大きく持ち上がり尻もちをついた。
「痛たたた」
お尻を擦り、荷馬車の中にあるワインが入った酒樽につかまる。
ブロック公爵邸の荷馬車は家紋が入っているが、馬車とは違い人が座る場所がない。
つまり、荷物と同じように座っている。
馬車の振動が直接伝わり、かなり揺れる。
かれこれ、二時間以上に荷馬車の中に居た。
ベネットさんが荷馬車を運転している。
街で軽く昼食を取り、今は私の実家に向っていた。
ベネットさんが昼食を奢ってくれた。
私と同じ歳のお孫さんがいらっしゃるみたいで、私の身の上話を聞いて同情してくれた。
「ヒューゴから聞いたよ。まったく酷い扱いじゃないか。ラインハルト様は一体何をしているんだか」
ベネットさんがため息をついた。
「いえ、彼には借金の借りがあるんです。働いて返さないと」
「でも、親父さんの借金だろ? 親父さんはクズだが、ラインハルト様も体外だねぇ」
意外な意見に驚いた。
「ブロック公爵もアルバート様時代は良かったんだよ。あの頃に戻りたいね」
「何かあったんですか?」
「話が長くなるから、また今度話すよ。マリーさんも力になってくれるはずだ。彼女は分け隔てなく誰の話でもしっかりと聞くから、一度相談したらどうかね?」
「助言ありがとうございます。ブロック公爵邸に帰ってたら相談します」
ベネットさんはウンウンと頷くと「そろそろギザ男爵邸に行こうか」と言って、また荷馬車を運転し始めた。
「ミアちゃん、ギザ男爵邸に着いたよ」
ベネットさんが、運転席から荷台の中を覗きこみ私に伝える。
三時間かかると思っていたが、荷馬車から出るとすっかり日が暮れていた。
「ベネットさん、ありがとうございます。写真と手紙すぐに取りに行ってきます」
「ゆっくりでいいよ」
ベネットさんはランタンを二つ取りだし、一つを私に渡した。
「暗いからね。足元には気をつけるんだよ」
「はい」
ベネットさんに返事をして、私は久しぶりのギザ男爵邸にワクワクしながら、荷馬車から降りた。
ギザ男爵邸は庶民の家よりは少し大きいが、ブロック公爵邸よりはるかに小さかった。
門を開けようとするが、カギがかかっていて中に入れなかった。
仕方ないので、門をよじ登り中に入る
私の部屋は二階だ。
扉のカギも閉まっていたので、近くに落ちている石を使い、扉の窓を割りカギを開けた。
久しぶりの我が家に入ると、何だか前に比べて綺麗になって……いる???
床にひかれていた赤いボロボロの絨毯ではなく、大理石になっていて、壁のひび割れが無くなり天井にはシャンデリアがあった。
エエッ!?
私、違う家に入った???
慌てて暖炉の上にあった家族の肖像画を見る。
肖像画には若かりし頃の父、母、幼い私の絵が飾ってある。
うん。
間違いない、ココは私の実家だ。
私は二階にある自室に続く階段を登る。
前は階段を上がる度にミシミシ軋む音が響いたはずだが、今は静かだった。
朽ち果てた手すりは新品同様になっており、光沢がある。
次に住む人が決まったのだろう。
だから、家の中が改修されているのだ。
自分の家では無くなるという寂しさに涙を拭いながら階段を駆け上がった。
「ッ!!」
荷馬車の酷い揺れで私の体が大きく持ち上がり尻もちをついた。
「痛たたた」
お尻を擦り、荷馬車の中にあるワインが入った酒樽につかまる。
ブロック公爵邸の荷馬車は家紋が入っているが、馬車とは違い人が座る場所がない。
つまり、荷物と同じように座っている。
馬車の振動が直接伝わり、かなり揺れる。
かれこれ、二時間以上に荷馬車の中に居た。
ベネットさんが荷馬車を運転している。
街で軽く昼食を取り、今は私の実家に向っていた。
ベネットさんが昼食を奢ってくれた。
私と同じ歳のお孫さんがいらっしゃるみたいで、私の身の上話を聞いて同情してくれた。
「ヒューゴから聞いたよ。まったく酷い扱いじゃないか。ラインハルト様は一体何をしているんだか」
ベネットさんがため息をついた。
「いえ、彼には借金の借りがあるんです。働いて返さないと」
「でも、親父さんの借金だろ? 親父さんはクズだが、ラインハルト様も体外だねぇ」
意外な意見に驚いた。
「ブロック公爵もアルバート様時代は良かったんだよ。あの頃に戻りたいね」
「何かあったんですか?」
「話が長くなるから、また今度話すよ。マリーさんも力になってくれるはずだ。彼女は分け隔てなく誰の話でもしっかりと聞くから、一度相談したらどうかね?」
「助言ありがとうございます。ブロック公爵邸に帰ってたら相談します」
ベネットさんはウンウンと頷くと「そろそろギザ男爵邸に行こうか」と言って、また荷馬車を運転し始めた。
「ミアちゃん、ギザ男爵邸に着いたよ」
ベネットさんが、運転席から荷台の中を覗きこみ私に伝える。
三時間かかると思っていたが、荷馬車から出るとすっかり日が暮れていた。
「ベネットさん、ありがとうございます。写真と手紙すぐに取りに行ってきます」
「ゆっくりでいいよ」
ベネットさんはランタンを二つ取りだし、一つを私に渡した。
「暗いからね。足元には気をつけるんだよ」
「はい」
ベネットさんに返事をして、私は久しぶりのギザ男爵邸にワクワクしながら、荷馬車から降りた。
ギザ男爵邸は庶民の家よりは少し大きいが、ブロック公爵邸よりはるかに小さかった。
門を開けようとするが、カギがかかっていて中に入れなかった。
仕方ないので、門をよじ登り中に入る
私の部屋は二階だ。
扉のカギも閉まっていたので、近くに落ちている石を使い、扉の窓を割りカギを開けた。
久しぶりの我が家に入ると、何だか前に比べて綺麗になって……いる???
床にひかれていた赤いボロボロの絨毯ではなく、大理石になっていて、壁のひび割れが無くなり天井にはシャンデリアがあった。
エエッ!?
私、違う家に入った???
慌てて暖炉の上にあった家族の肖像画を見る。
肖像画には若かりし頃の父、母、幼い私の絵が飾ってある。
うん。
間違いない、ココは私の実家だ。
私は二階にある自室に続く階段を登る。
前は階段を上がる度にミシミシ軋む音が響いたはずだが、今は静かだった。
朽ち果てた手すりは新品同様になっており、光沢がある。
次に住む人が決まったのだろう。
だから、家の中が改修されているのだ。
自分の家では無くなるという寂しさに涙を拭いながら階段を駆け上がった。
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