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亀裂
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「何でないのよっ?!」
私は自分の部屋に入ると机の一番下の引き出しを開けて写真と手紙を探したが、見当たらなかった。
私は机だけじゃなく、ベッドやクローゼットの中を必死に探した。
クローゼットには見覚えない高級感あるドレスが何着もかけあり、ベッドは天蓋カーテン付きのフカフカのベッドだった。
まるで自分の部屋ではないように感じた。
全身血の気が引いたみたいになる。
写真と手紙は捨てられたかもしれない。
私はフラフラと部屋を出ると、母が使っていた部屋に行く。
もしかしたら、母の部屋に写真があるかもしれない。
私は写真にしか母の記憶がない。
写真さえあれば、今の辛くてキツイ現実も耐えられそうだった。
私は母の部屋を開けた。
!!?
ちょっ、なっ、何もないっ!!
部屋に入ると、母の部屋はもぬけの殻になっていた。
床にはクローゼットやベッド、ソファ、キャビネットなどの跡しか残っていなかった。
「ミア、随分早かったな。目当てのものは見つかったか?」
ベネットが聞いてくれたが、私は首を横に振ると荷馬車に乗り込んだ。
一言も発しない私を気遣ってか、ベネットはそれ以上、話かけしてこなかった。
私は荷馬車の中でグズグズ泣き続けた。
楽しい母との思い出が無くなっていく喪失感でいっぱいだった。
首から下げているロケットを開けた。
「お母さん」
私は呟いて、ロケットを手の中にギュッと握りしめた。
母の写真はロケットの中にある一枚だけだ。
座ることも出来ず泣き崩れ、私はそのまま寝てしまった。
「ミア」
私は聞き覚えがある声に目を覚ました。
いつものベッドとは違い、違和感を感じたのでガバっと起きた。
目の前には上半身裸のヒューゴが横に居た。
!!?
フウォオオ!!!
ふっ、腹筋がバキバキに割れてるぅ!
腕も筋肉が程良くついててたくましい体に見惚れた。
普段、調理場の服しか見てないからわかんなかった。
ていうか、なぜ裸?!
「ヒュ、ヒューゴ!? なっ、なんでいるの???」
私は後ずさりすると、ヒューゴが手首を掴み抱き寄せた。
「イヤイヤイヤイヤ、ちょっと待てぃ!」
離れようとするが力強く抱きしめられていて離れられない。
ヒューゴのたくましい胸板にドキドキして、体中が熱くなる。
「ミア、荷馬車でずっと泣いてたろ?」
「心配かけてごめんね。もう大丈夫」
ヒューゴを見上げると悲しそうな顔をしていた。
「無理すんな」
更に強くギュッと抱き寄せられる。
「ヒューゴ、息が出来ない」
「ごめん」
若干、抱き寄せる力が弱まるが、ヒューゴの吐息が耳にかかり、ますます緊張する。
いつもと違うヒューゴに私はドキドキがとまらなくなる。
体中が熱くなり手で顔を覆う。
ん?!
私、シャツ一枚しか着てない………
!!?
下着を着てないっ!!
「ヒュ、ヒューゴ!」
「なに?」
「私達、その、昨晩、エッーと、アレしてないよね?!」
「アレ?」
「男女がベッドで一つになっていたらわかるでしょ!?」
「あぁ、アレね」
「何もなかったよね?」
何もないはずだ。
というか、頼むから「うん」って言えっ!!
「さぁ? どうかな?」
ニヤニヤ笑うヒューゴをぶっ飛ばしたくなる。
「睨むなよ」
「離して。自分の部屋に戻る」
私はベッドから降りて、イスに置いてあるメイド服に着替えた。
「ヒューゴがこんなことするなんて思わなかった」
私はそう吐き捨てると部屋から出て行った。
私は自分の部屋に入ると机の一番下の引き出しを開けて写真と手紙を探したが、見当たらなかった。
私は机だけじゃなく、ベッドやクローゼットの中を必死に探した。
クローゼットには見覚えない高級感あるドレスが何着もかけあり、ベッドは天蓋カーテン付きのフカフカのベッドだった。
まるで自分の部屋ではないように感じた。
全身血の気が引いたみたいになる。
写真と手紙は捨てられたかもしれない。
私はフラフラと部屋を出ると、母が使っていた部屋に行く。
もしかしたら、母の部屋に写真があるかもしれない。
私は写真にしか母の記憶がない。
写真さえあれば、今の辛くてキツイ現実も耐えられそうだった。
私は母の部屋を開けた。
!!?
ちょっ、なっ、何もないっ!!
部屋に入ると、母の部屋はもぬけの殻になっていた。
床にはクローゼットやベッド、ソファ、キャビネットなどの跡しか残っていなかった。
「ミア、随分早かったな。目当てのものは見つかったか?」
ベネットが聞いてくれたが、私は首を横に振ると荷馬車に乗り込んだ。
一言も発しない私を気遣ってか、ベネットはそれ以上、話かけしてこなかった。
私は荷馬車の中でグズグズ泣き続けた。
楽しい母との思い出が無くなっていく喪失感でいっぱいだった。
首から下げているロケットを開けた。
「お母さん」
私は呟いて、ロケットを手の中にギュッと握りしめた。
母の写真はロケットの中にある一枚だけだ。
座ることも出来ず泣き崩れ、私はそのまま寝てしまった。
「ミア」
私は聞き覚えがある声に目を覚ました。
いつものベッドとは違い、違和感を感じたのでガバっと起きた。
目の前には上半身裸のヒューゴが横に居た。
!!?
フウォオオ!!!
ふっ、腹筋がバキバキに割れてるぅ!
腕も筋肉が程良くついててたくましい体に見惚れた。
普段、調理場の服しか見てないからわかんなかった。
ていうか、なぜ裸?!
「ヒュ、ヒューゴ!? なっ、なんでいるの???」
私は後ずさりすると、ヒューゴが手首を掴み抱き寄せた。
「イヤイヤイヤイヤ、ちょっと待てぃ!」
離れようとするが力強く抱きしめられていて離れられない。
ヒューゴのたくましい胸板にドキドキして、体中が熱くなる。
「ミア、荷馬車でずっと泣いてたろ?」
「心配かけてごめんね。もう大丈夫」
ヒューゴを見上げると悲しそうな顔をしていた。
「無理すんな」
更に強くギュッと抱き寄せられる。
「ヒューゴ、息が出来ない」
「ごめん」
若干、抱き寄せる力が弱まるが、ヒューゴの吐息が耳にかかり、ますます緊張する。
いつもと違うヒューゴに私はドキドキがとまらなくなる。
体中が熱くなり手で顔を覆う。
ん?!
私、シャツ一枚しか着てない………
!!?
下着を着てないっ!!
「ヒュ、ヒューゴ!」
「なに?」
「私達、その、昨晩、エッーと、アレしてないよね?!」
「アレ?」
「男女がベッドで一つになっていたらわかるでしょ!?」
「あぁ、アレね」
「何もなかったよね?」
何もないはずだ。
というか、頼むから「うん」って言えっ!!
「さぁ? どうかな?」
ニヤニヤ笑うヒューゴをぶっ飛ばしたくなる。
「睨むなよ」
「離して。自分の部屋に戻る」
私はベッドから降りて、イスに置いてあるメイド服に着替えた。
「ヒューゴがこんなことするなんて思わなかった」
私はそう吐き捨てると部屋から出て行った。
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