借金返済のため公爵様に身売りされました

ホシカ

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決意

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俺には生まれつき困った特性を持っていた。

物心がついたとき、祖母のロザリオから注意をされた。



「ラインハルト、あなたは私と同じように魔力が高いわ」

「ばあちゃん、魔力高いのはダメなの?」

「ダメじゃないけど、魔力が高いと困ることが沢山出てくるわ。むやみに人を惹き寄せてしまうから注意してね」



ロザリオばあちゃんはいつも俺を気にかけてくれた。

グリード帝国の王妃様なのに偉そうじゃないし、優しい。

突然遊びに行っても怒らず、色々魔法を教えてくれた。

歳のわりに若くて綺麗だ。



傍目から見ると俺とばあちゃんは姉兄弟と間違わられくらいだ。

アルバートじいちゃんはシワだらけで白髪もあるのに。

若さの秘密を聞いても、教えてくれなかった。

秘密をしつこく聞いたら、アルバートじいちゃんから怒られる始末だ。



じいちゃんは剣の達人で、俺を鍛えていた。

小さい頃からスパルタ教育でついていけなかった。



「お前は根性が足りん」

「じいちゃんの鬼! もう疲れたから休ませろっ」

「情けない。ロザリオに匹敵するくらい魔力があるのに」

「ばあちゃんみたいにはなれねーよ!」

じいちゃんはいつもため息をついていた。

じいちゃんの口癖は「あとで困ったことになっても知らんからなっ!!」だった。





俺は媚薬が出ないように薬を飲む。

ばあちゃんによれば、魔力を抑えたらで媚薬はなくなるみたいだ。

魔力をコントロール出来るには鍛えないといけない。

じいちゃんにもっと鍛えて貰えれば良かった。

じいちゃんの口癖が今になって堪える。



本気で好きな女性が現れて、媚薬で無理矢理結ばれたくなかった。

ミアは甘い匂いに気づいていて、必死に抵抗し、俺を軽蔑している目で見ていた。

しかも、俺が借金返済のために体の関係を強要していると誤解していた。

初めに会ったときに「体で返せよ」なんて言うべきじゃなかった。





いまさら、「好き」、「愛してる」と言っても信じてくれないだろう。

ミアにとって俺はサイテーでクズ野郎だ。



ベッドで寝ているミアにキスをする。

彼女を傷つけたくなかった。

ただでさえ、父親には捨てられ、母親は他界してる。



俺は書斎の引き出しから借用書を取りだす。

ミアが起きたら、彼女の前で破り捨てよう。

これがあるせいで、俺達の仲がこじれている。

最初からメイドをさせずにプロポーズすれば良かった。





年末年始に、久しぶりにじいちゃんに会って、「本気で好きな人が出来た」と言ったら喜んでくれた。

母さんに「グロリア令嬢とは婚約破棄したい」と言ったら、めちゃくちゃ叱られた。

「愛の無い夫婦生活なんて無理だ」と親戚一同の前で言うと、ばあちゃんは拍手してくれた。

「私もラインハルトと同じ意見よ」

ばあちゃんの一言で両親と他の親戚も納得してくれた。



グロリアには悪いが、俺はミアと幸せになりたい。 

ミア以上に素敵な女性は二度と現れないだろう。



俺はベッドに戻るとミアの顔を撫でた。

まつ毛が長く、色白の肌はきめ細かい。

唇はピンク色でプルンとしている。

金髪はくせっ毛で腰まである。

普段は一つにまとめているが、下ろしている髪型が好きだ。

髪を一房掴むとキスをする。

うつ伏せに寝ており、背中は露わになっていて、寝返りをしたのでブランケットがズレて太ももがチラッと見える。



正直、今すぐ押し倒したい。

結婚したら、毎朝、彼女の寝顔を見て起きたかった。



ミアの指に一粒ダイヤの指輪をはめる。

起きたらプロポーズをしよう。



俺は手をとり、ミアの寝顔をしばらく眺め続けた。
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