【完結】にいちゃん。僕はクラスのギャルのことが好きなので、お尻を開発しないでください〜女の子とエッチ出来なくなったらどうするの!?〜

チョロケロ

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第七話 お弁当

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「りっくん起きなさい。学校遅刻しちゃうよ」

 そんなことを言いながら、にいちゃんがベッドで寝ている僕の体をゆすった。

「ん~。まだ眠いよぉ~」

 僕はにいちゃんの手を振り払うと、布団にくるまった。

「あっそう。起きない子にはイタズラしちゃうよ?」

 僕がにいちゃんの言葉を無視してもう一度夢の世界に旅立とうとしていたら、にいちゃんがギシリとベッドに手をついた。なにをするんだ? と寝ぼけた頭で考えていたら、突然にいちゃんがキスを仕掛けてきた。
 半開きの僕の口の中に舌を入れ、ネロネロと舐め回す。

「ん……んぅ……」

 条件反射でつい僕も舌を動かしてしまう。
 二人で無茶苦茶に舌を絡ませあっていたら、だんだん気持ち良くなってきた。眠気なんて吹っ飛んでしまい、僕はスリスリと太ももを擦り合わせて感じていた。すると唐突ににいちゃんの唇が離れた。
 僕はにいちゃんの離れてしまった唇を目で追うと、甘ったれたような声色で『もっとして』とねだった。にいちゃんは苦笑すると、さらりと僕の頰を撫でた。

「これ以上したら、イタズラじゃすまなくなりそうだから」
「じゃあ最後までしよう?」
「そんなことしてたら学校に行けなくなるよ。――さぁ、りっくん。そんなエッチな顔してないでもう起きなさい」

 僕はむうっと頰を膨らませながらベッドから降りた。
 にいちゃんから仕掛けてきたのにひどい! こんなエッチな気分じゃ学校行けないよ! なんて思いながらパジャマを脱ぐと、それを見ていたにいちゃんがニコリと微笑み、『ご飯用意してあるからね』と言って部屋から出て行ってしまった。
 ワイシャツのボタンを閉めているうちにだんだんエッチな気分がおさまってきた。その代わりにくぅーっとお腹が鳴った。
 もうエッチなことはいいや。それよりお腹空いた……。今日の朝ごはんなんだろう? そんなことを考えながら、僕はパタパタと階段を降りてリビングに向かったのだった。

※※※※

 朝ごはんを食べ終えのんびりお茶を飲んでいたら、にいちゃんが『はい、りっくん』と言ってランチクロスに包んだお弁当箱をテーブルの上に置いた。

「お昼に食べな」
「にいちゃん!」

 僕は椅子から降りると、ぎゅーっとにいちゃんに抱き付いた。

「にいちゃん。いつも美味しいお弁当をありがとう」

 にいちゃんは学校のある日は毎日僕にお弁当を作ってくれるのだ。朝昼晩の食事、それにお洗濯やお掃除まで全てにいちゃんがやってくれる。
 にいちゃんがいなければ僕は生きていけないだろう。本当にいちゃんには感謝しかない。

 お弁当が嬉しくてグリグリとにいちゃんの胸に頭を擦り付けていると、にいちゃんが優しく僕の頭を撫でた。

「いいんだよ。――それより今日は自信作なんだ。お昼楽しみにしててね」
「そうなの!? じゃあお腹ぺこぺこにしとくね」
「うん」

 そんな会話をしながら、僕たちはふふっと笑い合ったのだった。

※※※※

 いつも通り高校に行き、午前の授業を受けた。だが、僕の頭は今日のお弁当のことでいっぱいだった。
 だってにいちゃんの自信作だよ? きっとものすごいお弁当なんだ。なにが入ってるんだろう?
 そんなことを考えていたら、いつの間にかお昼になっていた。
 今日も一人ぼっちでお昼を食べる。みんな食堂に行ったり、机をくっつけ合ってワイワイ話しながらお昼の準備をしているが、僕は特に移動もせず、ポツリと席に一人で座っている。別に寂しくないよ。だっていつものことだもん。それよりお弁当だ。
 僕はワクワクしながらお弁当箱の蓋を開けた。

「!!」

 まず、ピンク色の可愛いウサギ顔のおにぎりがドーンと目に飛び込んできた。その周りには、タコさんウインナーや卵焼きなどのおかずがびっしり詰まっている。

――こ、これは……キャラ弁!!!

 このウサギは今ネットで話題の『ピョンピョンぴょん吉』の主人公、ぴょん吉だ。
 ぴょん吉はピンク色のボディと丸っこいフサフサの尻尾を持ったウサギの妖精だ。その愛くるしい姿から、女の子の間で大流行しているのだ。
 す、凄い……! そのぴょん吉が完璧に再現されている……! にいちゃん器用すぎるだろう……!?
 もの凄い感動が押し寄せてきたが、そのあとちょっと恥ずかしくなってきた。
 に、にいちゃん! 僕一応高校一年の男子なんだよ? 流石にぴょん吉のキャラ弁は恥ずかしいよ。誰かに見られたらどうしよう……。などとドキドキしていたら、突然背後から『可愛いーー!!!』と言う声が上がった。
 ビクッとして振り返ると、そこには憧れの牧田さんが立っていて、キラキラと目を輝かせながら僕のお弁当箱を覗き込んでいたのだった。
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