【完結】うーむ……。ワシの弟子が天才過ぎて困る

チョロケロ

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第五話 落ち着くのじゃ、マーガル!

 ワシの部屋はモダンな屋敷からは想像もつかない、アンティークな部屋じゃった。
 温かみのある木で統一された家具。明る過ぎない暖色のライト。観葉植物がそこらに配置され、目にも優しい。
 部屋の隅には大きな本棚があり、魔導書から物語、更には絵本までびっしりと本が詰まっておった。
 一番気に入ったのが、本棚の近くにあるロッキングチェアじゃ。あれに揺られながら読書をしたら、至福の時間が過ごせるじゃろう。
 マーガルがワシのために工夫を凝らしたのが伝わってくる。素晴らしい部屋じゃ。
 ワシはマーガルの心遣いが嬉しくなり、ニコニコ微笑みながら礼を言った。

「ありがとう、マーガル。なんと良い部屋じゃ。これならリラックスしてゆっくり時を過ごせそうじゃ」
「!」

 褒められて嬉しかったのか、マーガルの表情がぱあっと明るくなった。

「気に入っていただけましたか! 良かったです!」
「うむ。マーガルの真心がひしひし伝わったぞい。ワシなんかのために、本当にありがとう」

 マーガルは『エヘ……エヘ……』と奇妙な照れ方をした。マーガルは本当に嬉しい時、こんな笑い方をするのじゃ。幼き頃のマーガルを思い出し、微笑ましい気持ちになってきた。
 ワシは昔のように、マーガルの頭をよしよしと撫でてやった。
 昔と違いマーガルの背が高くなってしまったので、もう背伸びしなければ届かぬが、マーガルはそれはもう嬉しそうに笑った。
 図体ばかり大きくなったが、根っこのところでは、マーガルはまだまだ子供じゃのう。

 そんなことを思いつつ、弟子の可愛さに苦笑するワシなのであった。

※※※※

 荷物を整理していたら、すっかり日が暮れてしまった。使用人のダイアが夕食だと呼びに来てくれたので、一緒に食堂に向かう。
 食堂ではマーガルが待っていて、豪勢な食事が用意されていた。
 ジジイの頃は脂っこいものが苦手じゃったのだが、今は美味しくてたまらない。
 ワシはマーガルに『そんなに食べたらお腹を壊しますよ?』と心配されるほど、モリモリと晩餐を楽しんだのじゃった。
 食事が終わり一息つくと、マーガルが風呂を勧めてくれた。
 お言葉に甘え、ありがとうと礼を言ってから風呂場に向かう。
 風呂も大理石で出来ていて、まるで王族御用達のお風呂屋のようじゃった。
 広い浴槽に足を伸ばしてゆったり浸かると、ぐーっと伸びをする。

「はぁーーっ。極楽じゃあ!」

 湯は白く濁っていて、温泉のにおいがした。
 素晴らしい部屋に豪勢な食事。それに温泉まで堪能出来るなんて、ここは天国か?
 喜びに浸りながらたっぷりお湯を堪能したワシは、鼻歌を歌いながら風呂を出た。それから寝巻きに着替えて自分の部屋に戻った。

 今日は色々活動して疲れたので、ゆっくり眠れそうじゃな。そんなことを思いながらフカフカのベッドに入りうつらうつらしていたら、ノックも無しに部屋のドアが開いた。
 驚いてそちらを見ると、マーガルじゃった。
 なぜマーガルがここに? ワシは眠気が吹っ飛んでしまい、怪訝けげんな表情を浮かべた。
 マーガルはゆっくりワシのベッドに近付いてくると、上に乗った。
 ギョッとしていると、マーガルが静かに囁いた。

「お師匠さま……。もう寝てしまいましたか?」
「いや……起きとるがいきなり上に乗るな。びっくりするじゃろう?」
「すみません……。お師匠さまに早く触れたくて、気がいでしまいました」
「?」

 ワシに触れる? まるで新婚初夜に花嫁のベッドに来た花婿みたいなことを言うのぉ……。
 キョトンと目を丸くしながら、ワシはマーガルに質問する。

「マーガル……。何しに来たのじゃ?」
「ふふ……。夜這いに来ました……」

 マーガルが艶っぽく微笑んだので、ワシは『ひよっ!?』と仰天した。

「お師匠さま……」

 マーガルはとろけるような甘ったるい声でワシを呼ぶと、チュッと口付けた。
 まだ事態が飲み込めないワシは、阿呆のように口を開いて呆然としていた。
 すると、マーガルの手がワシの寝間着の中に入ってくる。
 乳首をコリコリと弄られて、混乱した。

「へ……? 本当に何しとるの?」
「お師匠さまの乳首……小さくて可愛い……」
「な、何言っとるの!?」

 弟子の頭がおかしくなってしまったのかと不安になっていたら、マーガルが勢いよくワシの寝間着をめくり上げた。
 肌が外気に晒されて、ちょっと寒い。
 ブルリと身震いしたら、マーガルがペロリと自分の唇を舐めた。

「夢にまで見たお師匠さまの乳首……」

 なんつー夢を見とるんじゃ!? とツッコむ前に、マーガルが乳首に吸い付いてきた。
 ジュル……ジュル……と下品な音が立つくらい、必死にワシの乳首を舐め、甘噛みし、吸っている。
 感じる気などさらさら無いのに、そこはぷっくりと形を変えて、快感を主張していた。

「どっ……! どうしたんじゃあ!? マーガル!?」

 あまりの破廉恥はれんちな事態に、ワシは混乱の極みにおちいってしまったのじゃった。
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