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第十三話 イワルゴス再訪
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執務室でミストに監視されながら、私は仕事に励んでいた。だが、気を抜くとデレデレと締まりのない顔になってしまう。そんな私を、ミストは不気味なものを見るような目で見ていた。
「魔王様……。一体どうなされたのですか? 人間界に行ってからというもの、気が付くとニヤニヤ笑っておられる……。ハッキリ言って、気味が悪いですよ?」
「おぉ、すまんすまん。気を付ける」
だって思い出すだけでニヤけてしまうのだ。
あの日……、ユートとニッポンデートをした日。
色々あったが、最後にユートは私を抱いてくれた。
めちゃくちゃにしたいなんて言っていたけど、ユートはとても優しく、丁寧に私を抱いてくれた。
溶けてしまうんじゃないかと思うほど熱心に私の身体を拓いてくれたし、数え切れないほどのキスをしてくれた。あまりに気持ちが良かったので、ひっきりなしに喘いでいたら、「ここ、壁薄いからちょっと静かにね」と笑いながら注意されてしまったくらいだ。
とにかく、デートもそのあとの性行為も最高だった。
あぁ! ユートが次に来てくれるのは四日後か。待ち切れないぞ。早くユートに会いたいな。
そんなことを思いながら、再びデレデレと締まりのない表情をしてしまった。
ミストは若干引いている。それからハァーっとため息をついた。
「とにかく、仕事はちゃんとやって下さいね」
「あぁ、もちろんだ」
私は書類の一枚を手に取り、ニコニコと内容を確認したのだった。
※※※※
昼になり、そろそろ昼ごはんを食べようかと思ったところで、その者は突然現れた。
「魔王! 久しぶりじゃのう!」
勢いよく扉を開けて、筋肉隆々の男が入って来たのだ。
私は一瞬驚いたが、その者を確認して、すぐに顔を顰めた。
龍国の王、イワルゴスだ。
イワルゴスが、また約束もなしに突然私の部屋にやって来たのだ。しかも、今日は一人じゃない。イワルゴスの後ろには、一人の女が立っていた。
知っている顔だ。腰まである父親譲りの赤い髪。人形のように美しい顔立ち。庇護欲をそそられる華奢な身体。
レイナだ……。
イワルゴスの一人娘のレイナまでいる。
そこで私はハッとした。
そう言えば、この前イワルゴスが訪ねて来たとき、レイナと夫婦になれとか言っていたな。
一度顔合わせがしたいから、魔王城に連れてくるとも言っていた。
驚いた……。本当に連れてくるとは思わなかったぞ。
ま、まさか……! 本気で私とレイナを夫婦にしようとしているのか!?
私が顔を引きつらせ、タラリと冷や汗をかいていたら、二人が近付いてきた。
「魔王!! 約束通り、レイナを連れて来たぞ!」
「約束なんかしてないだろ……」
「照れるな照れるな! さぁ、レイナと一緒に街に出掛けろ! それで距離を縮め、ゆくゆくは夫婦になるんじゃ!」
「無茶苦茶なことを言うなよ……。それに今、私は仕事中だ」
「仕事なんかどうでもいい!――なぁ? ミストよ?」
いきなり名前を呼ばれたミストは、ビクッと身体を震わせた。
「え……えーっと。そうですねぇ。仕事はあとに回してもいいかもしれませんね……」
この裏切り者! ミストなら「ダメです!」とビシッと言ってくれると思ったのに。
ミストは声の大きい者が苦手なのだ。
イワルゴスはバカみたいに大声で話すので、たじろいでしまったのだろう。
私はじとーっとミストを睨んでから、イワルゴスに視線を戻す。
「大体、いきなりすぎるぞ。私とレイナは二、三回しか顔を合わせたことがないのだぞ? それで突然結婚などと言われたら、レイナも困るだろう。レイナが可哀想だ。レイナは私など眼中にないのだ。――な? レイナ」
私がイワルゴスの後ろにたたずむレイナに会話を振ると、レイナはモジモジと身体を揺らした。
どうやら緊張しているようだ。イワルゴスとはエライ違いだな。本当に、大人しい娘だ。
レイナはほんのり頰を朱に染めながら、ポソポソと小さな声で話し始めた。
「わ、私は嫌ではありません」
「え?」
「魔王様の妻になることは、名誉なことだと思います……。もし、魔王様がお嫌でなかったら、少し私と話をしませんか……?」
「!!」
内気なレイナがこんなことを言うなんて……。
私は仰天した。
イワルゴスは、がはは!! と大きな声で笑い始めた。
「どうじゃ魔王!? レイナは乗り気じゃぞ? お前も照れてぐちぐち言い訳する暇があるのなら、レイナを見習え!!」
まさかレイナにその気があるとは……。
ま、まずい……。このままではイワルゴスに押し切られてしまうかもしれない。
私は今更ながら焦り始めたのだった。
「魔王様……。一体どうなされたのですか? 人間界に行ってからというもの、気が付くとニヤニヤ笑っておられる……。ハッキリ言って、気味が悪いですよ?」
「おぉ、すまんすまん。気を付ける」
だって思い出すだけでニヤけてしまうのだ。
あの日……、ユートとニッポンデートをした日。
色々あったが、最後にユートは私を抱いてくれた。
めちゃくちゃにしたいなんて言っていたけど、ユートはとても優しく、丁寧に私を抱いてくれた。
溶けてしまうんじゃないかと思うほど熱心に私の身体を拓いてくれたし、数え切れないほどのキスをしてくれた。あまりに気持ちが良かったので、ひっきりなしに喘いでいたら、「ここ、壁薄いからちょっと静かにね」と笑いながら注意されてしまったくらいだ。
とにかく、デートもそのあとの性行為も最高だった。
あぁ! ユートが次に来てくれるのは四日後か。待ち切れないぞ。早くユートに会いたいな。
そんなことを思いながら、再びデレデレと締まりのない表情をしてしまった。
ミストは若干引いている。それからハァーっとため息をついた。
「とにかく、仕事はちゃんとやって下さいね」
「あぁ、もちろんだ」
私は書類の一枚を手に取り、ニコニコと内容を確認したのだった。
※※※※
昼になり、そろそろ昼ごはんを食べようかと思ったところで、その者は突然現れた。
「魔王! 久しぶりじゃのう!」
勢いよく扉を開けて、筋肉隆々の男が入って来たのだ。
私は一瞬驚いたが、その者を確認して、すぐに顔を顰めた。
龍国の王、イワルゴスだ。
イワルゴスが、また約束もなしに突然私の部屋にやって来たのだ。しかも、今日は一人じゃない。イワルゴスの後ろには、一人の女が立っていた。
知っている顔だ。腰まである父親譲りの赤い髪。人形のように美しい顔立ち。庇護欲をそそられる華奢な身体。
レイナだ……。
イワルゴスの一人娘のレイナまでいる。
そこで私はハッとした。
そう言えば、この前イワルゴスが訪ねて来たとき、レイナと夫婦になれとか言っていたな。
一度顔合わせがしたいから、魔王城に連れてくるとも言っていた。
驚いた……。本当に連れてくるとは思わなかったぞ。
ま、まさか……! 本気で私とレイナを夫婦にしようとしているのか!?
私が顔を引きつらせ、タラリと冷や汗をかいていたら、二人が近付いてきた。
「魔王!! 約束通り、レイナを連れて来たぞ!」
「約束なんかしてないだろ……」
「照れるな照れるな! さぁ、レイナと一緒に街に出掛けろ! それで距離を縮め、ゆくゆくは夫婦になるんじゃ!」
「無茶苦茶なことを言うなよ……。それに今、私は仕事中だ」
「仕事なんかどうでもいい!――なぁ? ミストよ?」
いきなり名前を呼ばれたミストは、ビクッと身体を震わせた。
「え……えーっと。そうですねぇ。仕事はあとに回してもいいかもしれませんね……」
この裏切り者! ミストなら「ダメです!」とビシッと言ってくれると思ったのに。
ミストは声の大きい者が苦手なのだ。
イワルゴスはバカみたいに大声で話すので、たじろいでしまったのだろう。
私はじとーっとミストを睨んでから、イワルゴスに視線を戻す。
「大体、いきなりすぎるぞ。私とレイナは二、三回しか顔を合わせたことがないのだぞ? それで突然結婚などと言われたら、レイナも困るだろう。レイナが可哀想だ。レイナは私など眼中にないのだ。――な? レイナ」
私がイワルゴスの後ろにたたずむレイナに会話を振ると、レイナはモジモジと身体を揺らした。
どうやら緊張しているようだ。イワルゴスとはエライ違いだな。本当に、大人しい娘だ。
レイナはほんのり頰を朱に染めながら、ポソポソと小さな声で話し始めた。
「わ、私は嫌ではありません」
「え?」
「魔王様の妻になることは、名誉なことだと思います……。もし、魔王様がお嫌でなかったら、少し私と話をしませんか……?」
「!!」
内気なレイナがこんなことを言うなんて……。
私は仰天した。
イワルゴスは、がはは!! と大きな声で笑い始めた。
「どうじゃ魔王!? レイナは乗り気じゃぞ? お前も照れてぐちぐち言い訳する暇があるのなら、レイナを見習え!!」
まさかレイナにその気があるとは……。
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私は今更ながら焦り始めたのだった。
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