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弟子よ……。気を確かに!
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「ただいま戻りました。お師匠さま」
そんな声とともに、玄関のドアが開いた。
声の主はルディだ。
ルディは私の愛弟子だ。
十歳のころ、私の弟子になりたいと言ってこの家にやって来た。小さな子供が親も連れず一人でやって来たので、私は大層驚いた。親はどうしたのか聞くと、不貞腐れた表情で、「親なんかいない」と答えた。
詳しく話を聞くと、どうやら親は生きているらしいことが分かった。だが、酒びたりで酔うとルディを殴るらしい。嫌気がさしたルディは親を見捨て、家を飛び出したそうだ。
それで、一人で生きてゆくため、冒険者になろうと決意したらしい。痩せっぽっちなルディは戦士には向いていないと思い、魔法使いになろうと思った。
それで、王都で有名な魔法使いの私の家を訪ねたらしいのだ。
その話を聞いたとき、私は正直困惑した。
なぜなら今まで弟子などとったことがなかったからだ。しかもこんな小さな子供。魔法使いになるための厳しい修行に耐えられるとは思わなかった。
可哀想だが、なにかしら理由をつけて断ろうと思った。それで私は言ったのだ。
「私の弟子になりたいのなら、私をうならせるお菓子を作ってみよ」
実は私は大の甘いもの好きなのだ。
だから、弟子になる条件も甘いものを要求した。
こんな小さな子供がお菓子など作れんだろうと思ったのも理由の一つだ。
だが、ルディは真剣な表情でうなずいた。
「分かりました。では、材料とキッチンを貸してください」
了承すると、ルディはキッチンに向かい、クッキーを焼いてくれた。
それがサクサクのホロホロで絶品だった。
すぐにルディの作ったお菓子に心を鷲掴みにされた私は、ルディを弟子として受け入れた。
それから五年……。
根気よく魔法を教えた甲斐があり、ルディは立派な魔法使いへと成長した。
魔法の成長とともに、お菓子作りの腕も成長した。
今ではルディが作ってくれたおやつを食べなければ生きてゆけない身体となってしまった。
完全に胃袋を掴まれている。
そんなルディが製菓店に行き、お菓子の材料を買ってきたのだ。
私はルディがまたなにか新しいお菓子を作ってくれると思い、ワクワクしながら出迎えた。
「ルディ。今日はなにを買ってきたのだ?」
喜びを隠しきれない私を前に、ルディは涼しい表情で答えた。
「ハチミツを買ってきました」
ハチミツ!
パンケーキにかけても美味しいし、ヨーグルトとも合う!
いやいや、ルディのことだから、ただかけるだけではあるまい!
ハチミツケーキにハチミツクッキー! いや、ハチミツたっぷりのマドレーヌなんてのもある!
私はめくるめくハチミツスイーツに心を躍らせた。
ルディの肩をガシッと掴み、興奮した口調で捲し立てる。
「良い! 良いぞ、ハチミツ! それでルディはなんのお菓子を作ってくれるのだ!?」
ルディは唇に人差し指をあてて、ニコリと微笑んだ。
「それは今晩のお楽しみです」
「なにぃ!? 夜まで待てん! 今すぐ作ってくれ! 三時のおやつだ!」
「ふふ……。お師匠さまは食いしん坊なんだから」
そう言って、私の鼻をちょんとつついて「可愛い」と言った。
おいおい。十五歳も歳の離れたおっさんに可愛いはないだろう? 私は憮然とした表情をした。
そんな私を見てクスクス笑いながら、ルディはバチンとウィンクした。
「とにかく、ハチミツは夜のデザートに出します。楽しみにしててくださいね」
「う、うむ……。分かった」
くぅっ。今食べたいのだがなぁ。
まぁ、夜のご褒美として楽しみに待つとするか。
そんなことを考えながら、私は夜になるのを今か今かと待ちわびたのだった。
※※※※
夜になった。
今日の夕飯はカレーだった。
私は甘いものに目がないが、カレーも大好きだ。特にルディの作ったカレーは絶品だ。と、言うかルディはなにを作らせても美味い。私は年甲斐もなくバクバクとカレーを咀嚼し、おかわりまでしてしまった。
満腹になった腹をさすり、満ち足りた気分でソファに座っていたら、ルディがデザートを持ってきた。
「お師匠さま。ハチミツクッキーにハチミツケーキ。それと、ジンジャーハチミツソーダジュースです」
「!」
おお! 待ってました!
ハチミツデザートの大盤振る舞いではないか!
私は隣に座ったルディの頭を撫でてやり、この素晴らしいデザートの数々を褒めてやった。
「さすがは私の愛弟子だ! 私が食べたいと思っていたものをよく研究している。良い子だなぁー」
ルディは嬉しそうに微笑み、私にデザートを勧めた。
「えへへ。早く食べてください。残さず全部食べてくださいよ?」
「うむ!」
私は喜色満面でデザートにかぶりついたのだった。
※※※※
美味しいデザートをたくさん食べた私は心地よい満腹感を感じながら風呂に入り、床についた。
すぐに眠気が襲ってくるものとばかり思っていたが、今日は妙に目が覚めている。
なにか知らないが、性的に興奮しているのだ。
はて? 今日はなにか精力のつくものを食べただろうか? とにかくこのままでは眠れそうもない。
仕方がない。さっさと自慰をして寝てしまうか。
そんなことを思いながら、ベッドから身体を起こしたところで、コンコンとドアがノックされた。
「!?」
下着に手を入れていた私はギョッとした。
すぐに服を整え、ドアに向かって声をかける。
「ルディか? どうしたのだ?」
ドアが開き、ルディが部屋に入ってきた。
ルディはなぜかバスローブを着ている。いつもはパジャマなのに。しかも、右手にはハチミツの瓶を持っている。なぜそんなものを持ちながらそんな格好で部屋に入ってきたのだ?
私の頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。
ルディはモジモジしながらこちらに歩いてくると、ベッドに乗り上げた。ちょうど私の体を跨ぐように座ると、ほんのり頬を染めながら話しかけてきた。
「お師匠さま。夜のデザートをお持ちしました」
「はて? デザートは先程たらふく食べたぞ?」
「ふふ……。まだ召し上がってないものがあるのです」
「?」
ルディはおもむろにバスローブを脱ぎ出し、一糸纏わぬ裸になった。
ギョッとする私の前で、瓶を開けてハチミツを乳首周辺に塗りたくった。
「さあ、僕を食べてください……」
「アホか!?」
私は動揺しつつもツッコミをいれ、慌ててルディのバスローブを元の位置に戻した。
バスローブを着せられたルディは、不満なのかぷくーっと頰を膨らませた。
「着せないでください。僕は裸のままでいいのです。――それよりお師匠さま。大好きなハチミツですよ? 僕の胸を舐めてください」
「バ、バカ! お前は本当に大バカ者だ!」
頭がおかしくなったのだろうか? ルディ、しっかりしろ! 気を確かにもて!
私は恥ずかしくなってギュッと目を瞑った。
子供の裸に恥ずかしくなるなんてサイテーと思うかもしれないが、仕方がないのだ。
ルディは男もメロメロになる美少年だし、傷ひとつないきめ細やかな真っ白な肌をしているのだから。しかも、なぜか私は今性的に興奮している。
そんなときにこの状況はまずい! ルディは冗談でやっているのかもしれんが、私の下半身がそれじゃあ済まないと言っている。
「あれぇ? おかしいなぁ。媚薬、効いてないのかなぁ?」
ルディの不穏な言葉を聞いて、私は閉じていた目をそっと開けた。
「び、媚薬……?」
ルディはニッコリ微笑み、ハチミツの瓶を私に見せた。
「そうです。媚薬。このハチミツ、媚薬入りなんです。お師匠さま、さっきたっぷりハチミツデザート食べてたから、そろそろ効いてくる頃だと思うんですけど」
媚薬入りのハチミツ!? そんなものがあるのか。
それを、私の食べ物に入れただと……!?
どうりで興奮しているわけだ。おっさんのくせに妙に盛ってておかしいと思った。
ルディは自分の薄い胸を鷲掴みにし、私の口元に押し付けた。
「だから、早く舐めてください! もっと興奮してください!」
こ、このバカ弟子が……!
「や、やめなさい! そんなことをしたら冗談じゃすまなくなるぞ? 間違いが起こったらどうするのだ」
「間違いが起こって欲しいんです! ほら、早く!」
グイグイ胸を押し付けてくるルディに、私は堪忍袋の緒が切れた。
「この……! バカ弟子がぁー!!!」
※※※※
それからルディを正座させ、私は説教を開始した。
本当は床に正座させようと思ったのだが、床じゃ足が痛くなって可哀想なので、ベッドの上にした。
「ルディ! お遊びが過ぎるぞ!」
私の言葉に、ルディはぷくーっと頰を膨らませた。
「お遊びじゃありません! 真面目にやってるんです!」
「真面目にやってたらなお悪い!」
なんて悪い子なのだ。
大人を揶揄って! ルディをそんな子に育てた覚えはないぞ!
私がぷりぷり怒っていたら、ルディが逆ギレした。
「それよりお師匠さま! なんで媚薬が効かないんですか!? あれだけたくさんハチミツデザートを食べたのにおかしいです!」
「もちろん効いている。理性で性欲を抑えているのだ」
「え!?」
途端にルディがソワソワしだした。
「じゃあ、今お師匠さまは性的に興奮しているのですか!? やだぁ! カッコいい! 早く僕を襲ってください!」
「なにがカッコいいのだ! このバカタレ!」
ものすごく軽くルディの頭にゲンコツをおみまいすると、ルディのほっぺがさっきよりぷくぅっと膨れた。
「だって興奮しているお師匠さまカッコいいんだもん!」
もうやだこの子……。なにがカッコいいのかさっぱり分からん。それより、襲われるかもしれないと言う危機感を持ってほしい。
弟子を襲うなど絶対にしてはならないことだが、今の状況ならなにが起こるか分からん。
それほど私は興奮しているのだ。
とりあえず、ルディを追い出して自慰をしよう。お説教は明日に持ち越しだ。
私は頭を抱えながらルディをチラリと見つめた。
「とにかく、もう寝なさい。お説教は明日にする」
「嫌です。お師匠さまが興奮しているなら、今がチャンスなのです。僕はチャンスは逃さない男です」
「……。お前は本当に悪い子だ」
私が呆れた表情でつぶやくと、ルディはにっと笑ってハチミツの瓶を持ち上げた。
「それに僕、良いこと思い付いちゃったんです」
そう言って瓶の蓋を開けると、ハチミツを手に取り、ペロリと舐めたのだ。
「!」
媚薬入りのハチミツを自分から舐めるとは……! そんなことをしたら、性的に興奮してしまうぞ。
慌ててハチミツの瓶を奪い取ったのだが、時すでに遅し。ルディはハァハァ荒い息を吐きながら、潤んだ目で私を見つめた。
「なにこれ……。予想より効果が強いよぉ……。こんなの、ダメェ……。オチンチンつらい……」
「ルディ! なぜ舐めたのだ! 媚薬が入っていると、自分から言っていただろう!?」
ルディはバスローブをはらりと脱ぎ捨てると、全裸になって足を大きく開いた。
性器も尻の穴も丸見えだ。
私はあまりの光景に、目が釘付けになってしまった。
「だっ……て、お師匠さま……。優しい……から、僕が興奮……したら、助けて……くれると……思って……」
そんな言葉を口にしながら、尻の穴をくぱくぱ開閉させた。
弟子のそんな姿をマジマジと見るな! と思うかもしれないが、私だって媚薬に侵されて興奮しているのだ!
「ああん! お師匠さまぁ! お尻触ってぇ!」
「バ、バカー!!!」
本当にこの子はバカだ!
これじゃあ飛んで火に入る夏の虫ではないか!
私も媚薬で興奮しているのだぞ!? 犯されたらどうしようとか思わないのだろうか!?
ルディは強烈な興奮から泣き出してしまった。
「あんっ! あんっ! お尻つらいよぉ~。オチンチン欲しいよぉ~。お師匠さまぁ、助けて……」
「ぐぬぅっ!」
全く! どこでそんな言葉を覚えたのだ! 本当に悪い子だ!
ルディは我慢できなくなったのか、自分で指を尻の中に入れ、無茶苦茶にかき混ぜた。
だが、欲しいところに指が届かなかったようでヒグヒグ泣いている。
「もっと奥に欲しいよぉ……。全然足りないよぉ。お師匠さまぁ……っ」
苦しそうなルディを見ていたら、胸が痛くなってきた。あと、性器も痛くなってきた。
ぐぬぅ! あまりの色香に射精しそうだ。
だ、だめだ! 弟子の痴態に欲情するなど、師匠失格だ。ここは耐えねば!
「お師匠さぁっ! お願いしますぅ……!」
過ぎた快感に泣きじゃくるルディを見ていたら、なんとかしてやりたいと思った。
私はフーッと深呼吸する。
「ゆ、指だけだぞ!」
そうだ。指だけだ。
指だけでルディを慰めてやるのだ。
これは下心ではない! 可愛いルディを思う親心だ! などと言い訳しながらルディに近付いた。
ルディは自分で足を持ち上げ、私に尻穴を見せつけて啜り泣いている。
飛び付きたい衝動をなんとか制し、そっと指を尻の穴に突き刺した。
「ああんっ!!」
それだけでルディは射精した。
ピュッと飛ばされた精液がルディの腹を汚したのを見ていたら、ムラムラして頭がおかしくなりそうだったがなんとか耐える。
指を性器に見立て、尻穴の中を出し入れする。
ルディの中は温かく、キュウキュウ私の指を締め付けた。
「ルディ。私が指を出し入れしてやるから、早く鎮まるのだ」
「あんっ! お師匠さまの指ぃ、気持ち良いぃ! おかしくなっちゃうよぉ!」
おかしくなりそうのはこちらだ!
早く……! 早く鎮まるのだ、ルディ!
だが、ルディの興奮は冷めやらず、明け方近くまで指の挿入は続いたのだった。
※※※※
「ふぅ……」
地獄のような時間だった。
ルディは先程やっと眠りについた。
媚薬が抜けたのだろう。同時に、私の飲んだ媚薬もやっと効果が薄れた。
結論から言うと、私は指一本しかルディに触れていない。セーフかアウトか言ったらアウトかもしれないが、性器は挿れていないのでルディの純潔は守られたと言っていい。
私はルディの可愛らしい寝顔を見ながら苦笑する。
「全く……。国一番の魔法使いと言われた私をここまで消耗させおって……。お前は大物だよ。将来が楽しみだ」
ルディはむにゃむにゃ眠りながら寝言を言う。
「お師匠さま。だーい好き」
大好き……か。
そんなことを言ってくれるのも今だけだろう。
これからルディは大人になり、色々な人間と接する機会があるはずだ。
そうしたら、もう私のことなど忘れてしまうだろう。
それでいいのだ。
ルディには、きっと私など遠く及ばない素敵な恋人とこれから先出会える。
私はルディの頰を撫で、ふふっと笑った。
「正直、お前に恋人を紹介されたら、少し寂しいよ。だけど私はいつだってお前の幸せを願っているよ」
そのときの私はまだ知らなかった。
ルディはそれから五年経っても恋人を作らずに、まだお師匠さま大好き! と豪語することを。
そして、私もそんなルディに絆されてしまうことを。
そんな声とともに、玄関のドアが開いた。
声の主はルディだ。
ルディは私の愛弟子だ。
十歳のころ、私の弟子になりたいと言ってこの家にやって来た。小さな子供が親も連れず一人でやって来たので、私は大層驚いた。親はどうしたのか聞くと、不貞腐れた表情で、「親なんかいない」と答えた。
詳しく話を聞くと、どうやら親は生きているらしいことが分かった。だが、酒びたりで酔うとルディを殴るらしい。嫌気がさしたルディは親を見捨て、家を飛び出したそうだ。
それで、一人で生きてゆくため、冒険者になろうと決意したらしい。痩せっぽっちなルディは戦士には向いていないと思い、魔法使いになろうと思った。
それで、王都で有名な魔法使いの私の家を訪ねたらしいのだ。
その話を聞いたとき、私は正直困惑した。
なぜなら今まで弟子などとったことがなかったからだ。しかもこんな小さな子供。魔法使いになるための厳しい修行に耐えられるとは思わなかった。
可哀想だが、なにかしら理由をつけて断ろうと思った。それで私は言ったのだ。
「私の弟子になりたいのなら、私をうならせるお菓子を作ってみよ」
実は私は大の甘いもの好きなのだ。
だから、弟子になる条件も甘いものを要求した。
こんな小さな子供がお菓子など作れんだろうと思ったのも理由の一つだ。
だが、ルディは真剣な表情でうなずいた。
「分かりました。では、材料とキッチンを貸してください」
了承すると、ルディはキッチンに向かい、クッキーを焼いてくれた。
それがサクサクのホロホロで絶品だった。
すぐにルディの作ったお菓子に心を鷲掴みにされた私は、ルディを弟子として受け入れた。
それから五年……。
根気よく魔法を教えた甲斐があり、ルディは立派な魔法使いへと成長した。
魔法の成長とともに、お菓子作りの腕も成長した。
今ではルディが作ってくれたおやつを食べなければ生きてゆけない身体となってしまった。
完全に胃袋を掴まれている。
そんなルディが製菓店に行き、お菓子の材料を買ってきたのだ。
私はルディがまたなにか新しいお菓子を作ってくれると思い、ワクワクしながら出迎えた。
「ルディ。今日はなにを買ってきたのだ?」
喜びを隠しきれない私を前に、ルディは涼しい表情で答えた。
「ハチミツを買ってきました」
ハチミツ!
パンケーキにかけても美味しいし、ヨーグルトとも合う!
いやいや、ルディのことだから、ただかけるだけではあるまい!
ハチミツケーキにハチミツクッキー! いや、ハチミツたっぷりのマドレーヌなんてのもある!
私はめくるめくハチミツスイーツに心を躍らせた。
ルディの肩をガシッと掴み、興奮した口調で捲し立てる。
「良い! 良いぞ、ハチミツ! それでルディはなんのお菓子を作ってくれるのだ!?」
ルディは唇に人差し指をあてて、ニコリと微笑んだ。
「それは今晩のお楽しみです」
「なにぃ!? 夜まで待てん! 今すぐ作ってくれ! 三時のおやつだ!」
「ふふ……。お師匠さまは食いしん坊なんだから」
そう言って、私の鼻をちょんとつついて「可愛い」と言った。
おいおい。十五歳も歳の離れたおっさんに可愛いはないだろう? 私は憮然とした表情をした。
そんな私を見てクスクス笑いながら、ルディはバチンとウィンクした。
「とにかく、ハチミツは夜のデザートに出します。楽しみにしててくださいね」
「う、うむ……。分かった」
くぅっ。今食べたいのだがなぁ。
まぁ、夜のご褒美として楽しみに待つとするか。
そんなことを考えながら、私は夜になるのを今か今かと待ちわびたのだった。
※※※※
夜になった。
今日の夕飯はカレーだった。
私は甘いものに目がないが、カレーも大好きだ。特にルディの作ったカレーは絶品だ。と、言うかルディはなにを作らせても美味い。私は年甲斐もなくバクバクとカレーを咀嚼し、おかわりまでしてしまった。
満腹になった腹をさすり、満ち足りた気分でソファに座っていたら、ルディがデザートを持ってきた。
「お師匠さま。ハチミツクッキーにハチミツケーキ。それと、ジンジャーハチミツソーダジュースです」
「!」
おお! 待ってました!
ハチミツデザートの大盤振る舞いではないか!
私は隣に座ったルディの頭を撫でてやり、この素晴らしいデザートの数々を褒めてやった。
「さすがは私の愛弟子だ! 私が食べたいと思っていたものをよく研究している。良い子だなぁー」
ルディは嬉しそうに微笑み、私にデザートを勧めた。
「えへへ。早く食べてください。残さず全部食べてくださいよ?」
「うむ!」
私は喜色満面でデザートにかぶりついたのだった。
※※※※
美味しいデザートをたくさん食べた私は心地よい満腹感を感じながら風呂に入り、床についた。
すぐに眠気が襲ってくるものとばかり思っていたが、今日は妙に目が覚めている。
なにか知らないが、性的に興奮しているのだ。
はて? 今日はなにか精力のつくものを食べただろうか? とにかくこのままでは眠れそうもない。
仕方がない。さっさと自慰をして寝てしまうか。
そんなことを思いながら、ベッドから身体を起こしたところで、コンコンとドアがノックされた。
「!?」
下着に手を入れていた私はギョッとした。
すぐに服を整え、ドアに向かって声をかける。
「ルディか? どうしたのだ?」
ドアが開き、ルディが部屋に入ってきた。
ルディはなぜかバスローブを着ている。いつもはパジャマなのに。しかも、右手にはハチミツの瓶を持っている。なぜそんなものを持ちながらそんな格好で部屋に入ってきたのだ?
私の頭上にクエスチョンマークが浮かぶ。
ルディはモジモジしながらこちらに歩いてくると、ベッドに乗り上げた。ちょうど私の体を跨ぐように座ると、ほんのり頬を染めながら話しかけてきた。
「お師匠さま。夜のデザートをお持ちしました」
「はて? デザートは先程たらふく食べたぞ?」
「ふふ……。まだ召し上がってないものがあるのです」
「?」
ルディはおもむろにバスローブを脱ぎ出し、一糸纏わぬ裸になった。
ギョッとする私の前で、瓶を開けてハチミツを乳首周辺に塗りたくった。
「さあ、僕を食べてください……」
「アホか!?」
私は動揺しつつもツッコミをいれ、慌ててルディのバスローブを元の位置に戻した。
バスローブを着せられたルディは、不満なのかぷくーっと頰を膨らませた。
「着せないでください。僕は裸のままでいいのです。――それよりお師匠さま。大好きなハチミツですよ? 僕の胸を舐めてください」
「バ、バカ! お前は本当に大バカ者だ!」
頭がおかしくなったのだろうか? ルディ、しっかりしろ! 気を確かにもて!
私は恥ずかしくなってギュッと目を瞑った。
子供の裸に恥ずかしくなるなんてサイテーと思うかもしれないが、仕方がないのだ。
ルディは男もメロメロになる美少年だし、傷ひとつないきめ細やかな真っ白な肌をしているのだから。しかも、なぜか私は今性的に興奮している。
そんなときにこの状況はまずい! ルディは冗談でやっているのかもしれんが、私の下半身がそれじゃあ済まないと言っている。
「あれぇ? おかしいなぁ。媚薬、効いてないのかなぁ?」
ルディの不穏な言葉を聞いて、私は閉じていた目をそっと開けた。
「び、媚薬……?」
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「そうです。媚薬。このハチミツ、媚薬入りなんです。お師匠さま、さっきたっぷりハチミツデザート食べてたから、そろそろ効いてくる頃だと思うんですけど」
媚薬入りのハチミツ!? そんなものがあるのか。
それを、私の食べ物に入れただと……!?
どうりで興奮しているわけだ。おっさんのくせに妙に盛ってておかしいと思った。
ルディは自分の薄い胸を鷲掴みにし、私の口元に押し付けた。
「だから、早く舐めてください! もっと興奮してください!」
こ、このバカ弟子が……!
「や、やめなさい! そんなことをしたら冗談じゃすまなくなるぞ? 間違いが起こったらどうするのだ」
「間違いが起こって欲しいんです! ほら、早く!」
グイグイ胸を押し付けてくるルディに、私は堪忍袋の緒が切れた。
「この……! バカ弟子がぁー!!!」
※※※※
それからルディを正座させ、私は説教を開始した。
本当は床に正座させようと思ったのだが、床じゃ足が痛くなって可哀想なので、ベッドの上にした。
「ルディ! お遊びが過ぎるぞ!」
私の言葉に、ルディはぷくーっと頰を膨らませた。
「お遊びじゃありません! 真面目にやってるんです!」
「真面目にやってたらなお悪い!」
なんて悪い子なのだ。
大人を揶揄って! ルディをそんな子に育てた覚えはないぞ!
私がぷりぷり怒っていたら、ルディが逆ギレした。
「それよりお師匠さま! なんで媚薬が効かないんですか!? あれだけたくさんハチミツデザートを食べたのにおかしいです!」
「もちろん効いている。理性で性欲を抑えているのだ」
「え!?」
途端にルディがソワソワしだした。
「じゃあ、今お師匠さまは性的に興奮しているのですか!? やだぁ! カッコいい! 早く僕を襲ってください!」
「なにがカッコいいのだ! このバカタレ!」
ものすごく軽くルディの頭にゲンコツをおみまいすると、ルディのほっぺがさっきよりぷくぅっと膨れた。
「だって興奮しているお師匠さまカッコいいんだもん!」
もうやだこの子……。なにがカッコいいのかさっぱり分からん。それより、襲われるかもしれないと言う危機感を持ってほしい。
弟子を襲うなど絶対にしてはならないことだが、今の状況ならなにが起こるか分からん。
それほど私は興奮しているのだ。
とりあえず、ルディを追い出して自慰をしよう。お説教は明日に持ち越しだ。
私は頭を抱えながらルディをチラリと見つめた。
「とにかく、もう寝なさい。お説教は明日にする」
「嫌です。お師匠さまが興奮しているなら、今がチャンスなのです。僕はチャンスは逃さない男です」
「……。お前は本当に悪い子だ」
私が呆れた表情でつぶやくと、ルディはにっと笑ってハチミツの瓶を持ち上げた。
「それに僕、良いこと思い付いちゃったんです」
そう言って瓶の蓋を開けると、ハチミツを手に取り、ペロリと舐めたのだ。
「!」
媚薬入りのハチミツを自分から舐めるとは……! そんなことをしたら、性的に興奮してしまうぞ。
慌ててハチミツの瓶を奪い取ったのだが、時すでに遅し。ルディはハァハァ荒い息を吐きながら、潤んだ目で私を見つめた。
「なにこれ……。予想より効果が強いよぉ……。こんなの、ダメェ……。オチンチンつらい……」
「ルディ! なぜ舐めたのだ! 媚薬が入っていると、自分から言っていただろう!?」
ルディはバスローブをはらりと脱ぎ捨てると、全裸になって足を大きく開いた。
性器も尻の穴も丸見えだ。
私はあまりの光景に、目が釘付けになってしまった。
「だっ……て、お師匠さま……。優しい……から、僕が興奮……したら、助けて……くれると……思って……」
そんな言葉を口にしながら、尻の穴をくぱくぱ開閉させた。
弟子のそんな姿をマジマジと見るな! と思うかもしれないが、私だって媚薬に侵されて興奮しているのだ!
「ああん! お師匠さまぁ! お尻触ってぇ!」
「バ、バカー!!!」
本当にこの子はバカだ!
これじゃあ飛んで火に入る夏の虫ではないか!
私も媚薬で興奮しているのだぞ!? 犯されたらどうしようとか思わないのだろうか!?
ルディは強烈な興奮から泣き出してしまった。
「あんっ! あんっ! お尻つらいよぉ~。オチンチン欲しいよぉ~。お師匠さまぁ、助けて……」
「ぐぬぅっ!」
全く! どこでそんな言葉を覚えたのだ! 本当に悪い子だ!
ルディは我慢できなくなったのか、自分で指を尻の中に入れ、無茶苦茶にかき混ぜた。
だが、欲しいところに指が届かなかったようでヒグヒグ泣いている。
「もっと奥に欲しいよぉ……。全然足りないよぉ。お師匠さまぁ……っ」
苦しそうなルディを見ていたら、胸が痛くなってきた。あと、性器も痛くなってきた。
ぐぬぅ! あまりの色香に射精しそうだ。
だ、だめだ! 弟子の痴態に欲情するなど、師匠失格だ。ここは耐えねば!
「お師匠さぁっ! お願いしますぅ……!」
過ぎた快感に泣きじゃくるルディを見ていたら、なんとかしてやりたいと思った。
私はフーッと深呼吸する。
「ゆ、指だけだぞ!」
そうだ。指だけだ。
指だけでルディを慰めてやるのだ。
これは下心ではない! 可愛いルディを思う親心だ! などと言い訳しながらルディに近付いた。
ルディは自分で足を持ち上げ、私に尻穴を見せつけて啜り泣いている。
飛び付きたい衝動をなんとか制し、そっと指を尻の穴に突き刺した。
「ああんっ!!」
それだけでルディは射精した。
ピュッと飛ばされた精液がルディの腹を汚したのを見ていたら、ムラムラして頭がおかしくなりそうだったがなんとか耐える。
指を性器に見立て、尻穴の中を出し入れする。
ルディの中は温かく、キュウキュウ私の指を締め付けた。
「ルディ。私が指を出し入れしてやるから、早く鎮まるのだ」
「あんっ! お師匠さまの指ぃ、気持ち良いぃ! おかしくなっちゃうよぉ!」
おかしくなりそうのはこちらだ!
早く……! 早く鎮まるのだ、ルディ!
だが、ルディの興奮は冷めやらず、明け方近くまで指の挿入は続いたのだった。
※※※※
「ふぅ……」
地獄のような時間だった。
ルディは先程やっと眠りについた。
媚薬が抜けたのだろう。同時に、私の飲んだ媚薬もやっと効果が薄れた。
結論から言うと、私は指一本しかルディに触れていない。セーフかアウトか言ったらアウトかもしれないが、性器は挿れていないのでルディの純潔は守られたと言っていい。
私はルディの可愛らしい寝顔を見ながら苦笑する。
「全く……。国一番の魔法使いと言われた私をここまで消耗させおって……。お前は大物だよ。将来が楽しみだ」
ルディはむにゃむにゃ眠りながら寝言を言う。
「お師匠さま。だーい好き」
大好き……か。
そんなことを言ってくれるのも今だけだろう。
これからルディは大人になり、色々な人間と接する機会があるはずだ。
そうしたら、もう私のことなど忘れてしまうだろう。
それでいいのだ。
ルディには、きっと私など遠く及ばない素敵な恋人とこれから先出会える。
私はルディの頰を撫で、ふふっと笑った。
「正直、お前に恋人を紹介されたら、少し寂しいよ。だけど私はいつだってお前の幸せを願っているよ」
そのときの私はまだ知らなかった。
ルディはそれから五年経っても恋人を作らずに、まだお師匠さま大好き! と豪語することを。
そして、私もそんなルディに絆されてしまうことを。
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弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
声なき王子は素性不明の猟師に恋をする
石月煤子
BL
第一王子である腹違いの兄から命を狙われた、妾の子である庶子のロスティア。
毒薬によって声を失った彼は城から逃げ延び、雪原に倒れていたところを、猟師と狼によって助けられた。
「王冠はあんたに相応しい。王子」
貴方のそばで生きられたら。
それ以上の幸福なんて、きっと、ない。
嫉妬しちゃうくらい君が好き!
チョロケロ
BL
クリムは二年付き合った彼氏、リズトリアと半年前から同棲している。つまり、幸せの絶頂だった。ある日リズトリアから紹介したい人がいると言われる。名前はメリーと言ってリズトリアと同じ冒険者らしい。喜んで会うことにしたクリム。だが、メリーに会った瞬間、その幸せに不穏な影がさした。それはメリーがもの凄い美しかったからだ。リズトリアを信じたい気持ちはあるが、いつかメリーに心を奪われてしまうのではないかと不安になる受けのお話です。
※ムーンライトノベルズ様でも投稿しています。
宜しくお願いします。
神父様に捧げるセレナーデ
石月煤子
BL
「ところで、そろそろ厳重に閉じられたその足を開いてくれるか」
「足を開くのですか?」
「股開かないと始められないだろうが」
「そ、そうですね、その通りです」
「魔物狩りの報酬はお前自身、そうだろう?」
「…………」
■俺様最強旅人×健気美人♂神父■
屈強な男が借金のカタに後宮に入れられたら
信号六
BL
後宮のどの美女にも美少年にも手を出さなかった美青年王アズと、その対策にダメ元で連れてこられた屈強男性妃イルドルの短いお話です。屈強男性受け!以前Twitterで載せた作品の短編小説版です。
(ムーンライトノベルズ、pixivにも載せています)
何故か男の俺が王子の閨係に選ばれてしまった
まんまる
BL
貧乏男爵家の次男アルザスは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。
なぜ男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へ行く。
しかし、殿下はただベッドに横たわり何もしてこない。
殿下には何か思いがあるようで。
《何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました》の攻×受が立場的に逆転したお話です。
登場人物、設定は全く違います。
※ショートショート集におまけ話を上げています。そちらも是非ご一読ください。
※画像は男の子メーカーPicrewさんよりお借りしています。
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