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第一話 最強の勇者ソフレシア
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私は代々勇者の名を引き継ぐザック家の一人娘だ。そのため幼いときからあらゆる剣技・勇者学を学び、今ではラシス王国を代表する立派な勇者に育った。
そんな時、千年前に我がザック一族に敗北した魔王が復活したとの知らせを受けた。
私と幼馴染のラコブは王から『魔王討伐』の依頼を受け、急ぎ魔王のいる地へと向かった。
そこで私は千年の封印から目覚めた魔王と対峙した。
魔王は黒髪に赤い目を持つ美しい男だった。
あまりのイケメンぶりにポーッと見惚れていたら、魔王がクツクツ笑った。
「これは驚いた。まさか俺を封印した勇者の末裔に出会えるとは」
「!」
こちらこそ驚いたわ。
よく私が千年前魔王を封印した勇者の末裔だと気が付いたわね。もしかして面影があるのかしら? あの時のご先祖さまは男の人だと言い伝えられている。と、言うことは、私は男に見えるの? 嫌だな……。せっかく髪を伸ばして女の子っぽい装備を身に付けているのに。
男に見られているかもしれないことに傷付き、しょんぼりしていたら魔王が続けた。
「俺を封印した憎っくき勇者の血を引く者よ。この恨み、殺すだけでは気が済まん。性奴隷にして俺の子を孕ませてやる……」
「!」
え……? 今なんて言ったの?
性奴隷にして子を孕ませる……?
イケメンにエッチなことを言われたわ……。
喜びに目を輝かす私とは対照的に、仲間のラコブは顔を歪め『なんと邪悪な……』と呟いた。
「ソフレシア! こんな奴ぶっ倒しましょう!」
「……」
「ソフレシア!? 聞いてます!?」
ラコブの言葉は右から左に聞き流した。
それよりも魔王の言葉の方が甘美で耳に心地良く、私の胸を高鳴らせた。
私は一応確認しておく。
「ま、魔王……。あなた、私のこと女として見てくれるの……?」
「?」
魔王は言っている意味が分からないのか、キョトンと目を丸くしている。
私はもう一度問いかける。
「私……ママになってもいいの?」
「な、なにを言っているのかさっぱり分からない。コイツ、少し頭がおかしいのではないか!?」
魔王の言葉に、ラコブが『うるさいっ』と反論する。
それから私の肩をガクガク揺さぶった。
「どうしたのですか!? ソフレシア!」
「……」
ラコブを無視してうっとりと魔王の言葉を反芻していたら、魔王が腰に差していた長剣を引き抜いた。
「性奴隷になりたくなければ、俺に勝ってみろ!」
「……」
な、なんてことでしょう!
二十年生きてきた中で、初めてセックスのお誘いを受けた!
私は心の中で小躍りしたい気分だった。
実は私は国一番の強さを誇る最強の勇者だったため、男たちに萎縮、または恐怖され、全くモテたことがなかったのだ。
少しでも男に意識して貰いたくて髪を伸ばした。服装も動きやすさより女の子っぽさを重視した。
それなのに、男たちは私のことを『勇者様っ』または『兄貴っ』と呼ぶのだ。
なんでなんでなんで!? 背だって小さいし、体格だって女の子っぽいのに!
なんで私を女と見なさないの!? ぶん殴ってやろうか!? とキレそうになっていたのだが、そんな私を性的な目で見てくれる男が現れるなんて。
性奴隷にして子供まで孕ませると言った……。
私……私初めて女扱いされた! どうしよう、胸がキュンキュンときめいちゃう。
そんな頭お花畑な私には気が付かず、魔王が長剣を構えた。
「参るっ」
負けたら性奴隷にしてもらえる!
私はもうすでに負ける気満々で背中に背負った大斧を手に持ち構えた。
カキーンっと私と魔王の刃が交じる。
キャー! 凄い力! こんなに強くてイケメンな男に、私は孕まされてしまうのね!?
魔王討伐なんて頭から吹っ飛び、私は大斧から手を離した。
それから膝をつき、悔しそうにうめいた。
「……くっ! 負けた……」
その言葉を聞いて、ラコブが慌てた。
「へ!? 今良い勝負してたじゃないですか! 全然負けてなかったですよ!? 諦めるの早過ぎじゃないですか!?」
「完敗だ……。この男は強い……。手も足も出なかった……」
「いや! 十分やり合えてましたよ!?」
う、うるさいわねっ。負けでいいのよ、負けで!
「かくなる上は、性奴隷か……。あぁ、悔しいが仕方ない。魔王! 私を性奴隷にしろ! いや、してください!」
私は我ながら凄い剣幕で魔王に詰め寄った。
魔王は状況が飲み込めないようで長剣を下ろし、ポカーンと口を開けている。
だが、徐々に状況を飲み込めてきたのか、ふ……ふ……と笑い始めた。
「なにか知らぬが俺の勝利だ!! ついに……ついに勇者に勝利した! 積年の恨み思い知ったか!? 俺の勝利だ! ふはははは!」
「うるさい。いいから性奴隷にしろ」
ペチンと頬を叩くと、叩きどころが悪かったのか魔王がブッと鼻血を噴いた。
びっくりした魔王は鼻血を拭いながら私を睨む。
「俺に血を流させるとは、なんたる怪力……!」
しまった! ちょっと強く叩き過ぎた。マズイと思った私は弱々しくその場に崩れ落ちる。
「あぁ……。私はこんなにもか弱い……。このまま魔王の性奴隷にされたらどうなってしまうのだろう……? めちゃくちゃ興奮する――じゃなくて、怖いわ……」
「……。お前、絶対強いだろ?」
「怖い! 怖い! 魔王に孕まされる……! 誰か! 誰か助けてっ」
「人の話を聞け!」
私と魔王のやり取りを眺めていたラコブは頭を抱えた。
「ソフレシア……。絶対弱いフリしてる! 魔王の性奴隷になりたいから弱いフリをしているんだ! ああっ! このままでは世界が滅亡してしまう! 神よ!」
うるさいわねぇ。世界なんてどうでもいいわよ。
それより性奴隷よっ。
キャー! 私、孕まされちゃう! どうしましょう!?
私は心の中で狂喜乱舞しながら、よよよ……と泣く真似をしたのだった。
そんな時、千年前に我がザック一族に敗北した魔王が復活したとの知らせを受けた。
私と幼馴染のラコブは王から『魔王討伐』の依頼を受け、急ぎ魔王のいる地へと向かった。
そこで私は千年の封印から目覚めた魔王と対峙した。
魔王は黒髪に赤い目を持つ美しい男だった。
あまりのイケメンぶりにポーッと見惚れていたら、魔王がクツクツ笑った。
「これは驚いた。まさか俺を封印した勇者の末裔に出会えるとは」
「!」
こちらこそ驚いたわ。
よく私が千年前魔王を封印した勇者の末裔だと気が付いたわね。もしかして面影があるのかしら? あの時のご先祖さまは男の人だと言い伝えられている。と、言うことは、私は男に見えるの? 嫌だな……。せっかく髪を伸ばして女の子っぽい装備を身に付けているのに。
男に見られているかもしれないことに傷付き、しょんぼりしていたら魔王が続けた。
「俺を封印した憎っくき勇者の血を引く者よ。この恨み、殺すだけでは気が済まん。性奴隷にして俺の子を孕ませてやる……」
「!」
え……? 今なんて言ったの?
性奴隷にして子を孕ませる……?
イケメンにエッチなことを言われたわ……。
喜びに目を輝かす私とは対照的に、仲間のラコブは顔を歪め『なんと邪悪な……』と呟いた。
「ソフレシア! こんな奴ぶっ倒しましょう!」
「……」
「ソフレシア!? 聞いてます!?」
ラコブの言葉は右から左に聞き流した。
それよりも魔王の言葉の方が甘美で耳に心地良く、私の胸を高鳴らせた。
私は一応確認しておく。
「ま、魔王……。あなた、私のこと女として見てくれるの……?」
「?」
魔王は言っている意味が分からないのか、キョトンと目を丸くしている。
私はもう一度問いかける。
「私……ママになってもいいの?」
「な、なにを言っているのかさっぱり分からない。コイツ、少し頭がおかしいのではないか!?」
魔王の言葉に、ラコブが『うるさいっ』と反論する。
それから私の肩をガクガク揺さぶった。
「どうしたのですか!? ソフレシア!」
「……」
ラコブを無視してうっとりと魔王の言葉を反芻していたら、魔王が腰に差していた長剣を引き抜いた。
「性奴隷になりたくなければ、俺に勝ってみろ!」
「……」
な、なんてことでしょう!
二十年生きてきた中で、初めてセックスのお誘いを受けた!
私は心の中で小躍りしたい気分だった。
実は私は国一番の強さを誇る最強の勇者だったため、男たちに萎縮、または恐怖され、全くモテたことがなかったのだ。
少しでも男に意識して貰いたくて髪を伸ばした。服装も動きやすさより女の子っぽさを重視した。
それなのに、男たちは私のことを『勇者様っ』または『兄貴っ』と呼ぶのだ。
なんでなんでなんで!? 背だって小さいし、体格だって女の子っぽいのに!
なんで私を女と見なさないの!? ぶん殴ってやろうか!? とキレそうになっていたのだが、そんな私を性的な目で見てくれる男が現れるなんて。
性奴隷にして子供まで孕ませると言った……。
私……私初めて女扱いされた! どうしよう、胸がキュンキュンときめいちゃう。
そんな頭お花畑な私には気が付かず、魔王が長剣を構えた。
「参るっ」
負けたら性奴隷にしてもらえる!
私はもうすでに負ける気満々で背中に背負った大斧を手に持ち構えた。
カキーンっと私と魔王の刃が交じる。
キャー! 凄い力! こんなに強くてイケメンな男に、私は孕まされてしまうのね!?
魔王討伐なんて頭から吹っ飛び、私は大斧から手を離した。
それから膝をつき、悔しそうにうめいた。
「……くっ! 負けた……」
その言葉を聞いて、ラコブが慌てた。
「へ!? 今良い勝負してたじゃないですか! 全然負けてなかったですよ!? 諦めるの早過ぎじゃないですか!?」
「完敗だ……。この男は強い……。手も足も出なかった……」
「いや! 十分やり合えてましたよ!?」
う、うるさいわねっ。負けでいいのよ、負けで!
「かくなる上は、性奴隷か……。あぁ、悔しいが仕方ない。魔王! 私を性奴隷にしろ! いや、してください!」
私は我ながら凄い剣幕で魔王に詰め寄った。
魔王は状況が飲み込めないようで長剣を下ろし、ポカーンと口を開けている。
だが、徐々に状況を飲み込めてきたのか、ふ……ふ……と笑い始めた。
「なにか知らぬが俺の勝利だ!! ついに……ついに勇者に勝利した! 積年の恨み思い知ったか!? 俺の勝利だ! ふはははは!」
「うるさい。いいから性奴隷にしろ」
ペチンと頬を叩くと、叩きどころが悪かったのか魔王がブッと鼻血を噴いた。
びっくりした魔王は鼻血を拭いながら私を睨む。
「俺に血を流させるとは、なんたる怪力……!」
しまった! ちょっと強く叩き過ぎた。マズイと思った私は弱々しくその場に崩れ落ちる。
「あぁ……。私はこんなにもか弱い……。このまま魔王の性奴隷にされたらどうなってしまうのだろう……? めちゃくちゃ興奮する――じゃなくて、怖いわ……」
「……。お前、絶対強いだろ?」
「怖い! 怖い! 魔王に孕まされる……! 誰か! 誰か助けてっ」
「人の話を聞け!」
私と魔王のやり取りを眺めていたラコブは頭を抱えた。
「ソフレシア……。絶対弱いフリしてる! 魔王の性奴隷になりたいから弱いフリをしているんだ! ああっ! このままでは世界が滅亡してしまう! 神よ!」
うるさいわねぇ。世界なんてどうでもいいわよ。
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