嫉妬しちゃうくらい君が好き!

チョロケロ

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第六話 睨み合い

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「リズトリア!!」

 僕は慌ててソファから立ち上がると、リズトリアに抱き付いた。

「リズトリア! 助けてくれてありがとう。――でも、あれだけぐっすり寝ていたのに、よく僕の声が聞こえたね?」

 僕はリズトリアが僕の声に気付いて助けに来てくれたと思ったのだ。
 僕の問いに、リズトリアは『当たり前だ!』と叫んだ。
 
「以心伝心だよ! 寝ててもお前のピンチには必ず駆け付ける! 俺たちは、心で繋がってるんだよ!」
「……。それ本当?」
「……」

 リズトリアは気まずそうにぽりぽりと頰をかいた。

「……本当は、ションベン行きたくなって起きたんだよ。そんでトイレ行ったあと寝室に戻ろうとしたら、リビングからお前の叫び声が聞こえて……」

 あ……以心伝心じゃなくて、偶然だったんだね。
 でも助かった!
 このままリズトリアが来てくれなかったら取り返しのつかないことになっていた。
 本当に良かった!
 僕はさっきよりも強くひしっとリズトリアに抱き付いた。
 すると、背後から残念そうなメリーさんの声が聞こえた。

「あーあ。もう少しでクリムさんを抱けたのになぁ……」

 恐る恐る声の方を振り返ると、フラフラしながらメリーさんが立ち上がるところだった。

「しかし、効きましたねぇ。さすが体力バカなだけある。もの凄い蹴りでしたね」
「うるせー! それよりテメー、どういうつもりだ!」
「どういうつもりもありませんよ。クリムさんを初めて見たときから、ヤリたいと思っていたんですよ」

 メリーさんのあけすけな言葉を聞いて、リズトリアの髪の毛がブワッと逆立った気がした。
 た、大変だ……!
 リズトリアが怒っている。こんなリズトリア、今まで見たことがない。

「テメー……。殺す」
「ダ、ダメだよリズトリア。落ち着いて!」
「クリム。手を離せ。今からアイツを殺しにいく」

 ヒィ!!
 腕を話したら本当に殺してしまいそうだ!
 リズトリアを殺人者にしないためにも、絶対離れないぞ! そんなことを思いながら、僕は渾身の力を込めてリズトリアに抱き付いていた。

 すると、メリーさんが困ったように笑った。

「さすがの私も、戦士の貴方とやり合う気はありません。魔法勝負ならともかく、殴り合いで貴方に勝てるとも思えないので」
「そうか……。じゃあ、今から外に出るか? 外ならお前の得意な魔法が使い放題だぞ?」
「……。遠慮します。魔法が使えたとしても、勝てる見込みは薄いので……」

 メリーさんは残念そうにハァー……とため息をつくと、クルッと僕たちに背を向けた。

「今日のところは退散します。貴方に殺されたくないので」
「そうか……。でも、次はねーからな!」
「ふふ……。それはどうでしょう?――クリムさん、そのバカガキに飽きたら教えてください。私がお相手しますよ? 貴方に本当のセックスを教えてあげましょう」

 そんなことを言いながら、パチンッと僕にウィンクしたので、ゾォーっと背筋が凍った。

「ぼ、僕はリズトリア一筋です!」
「ふふ……。それは残念ですね。では、また――」

 そう言って慌てる様子もなく、スタスタと部屋を出て行ってしまった。
 その間もリズトリアはメリーさんに殴り掛かろうと殺気だっていたので、僕は必死に抱き付いてリズトリアの動きを止めていたのだった。
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