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第二章 森を出たあとには

第三節 ラプトルの学校生活

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学園生活初日の朝は早く起きたラプトはこの学園に興奮している様子が見られる。
「トセ、早く起きて」とラプトは子供のようにはしゃいでいる。
「もー、ラプトまだ外は暗いじゃん。」とトセは言いながらラプトの話を聞いている。そう、ラプトとトセは一緒の部屋で生活をしていた。そうしていたら陽が出てきたのであった。トセはあることを思い出す。それはラプトの魔力を測ってみたかったのであった。トセはどうして魔力なんかを測りたかったのかというと、森で会う前に魔法を使っているラプトをみていたからである。
「ラプトって魔法は使えるの」とトセは思い切ってラプトに聞いた。
「えっ、どうしてそんなことを聞くの?」と戸惑い感満載で聞き返されたので
「それは、魔法を使っているところを見たんだよ」とトセは答えた。
「ホントは僕にもわかんないんだ」とラプトは答えたあと
「じゃあ、魔法が使えるかどうか調べてみる?」とラプトにトセは聞いてみた。そしたら
「いいよ」とすんなりと答えたラプトだった。
トセとラプトは魔法計測装置がある魔法器具管理倉庫、通称 MMM倉庫、というところに行った。A~Zと記載された列があった。その中のMと記載された列に行き少し先に行くと10-0-10-1という棚の列の30段目のところから箱を取り出した。箱の中から丸い水晶玉のようなものを取り出した。
「これは魔法計測装置というものでこの水晶玉に触ったものも魔力値を色と数値で示してくれるものなんだ。」とトセは言ってラプトの方に近づけてきたのである。
「これに触るだけでいいよね」と、言って恐る恐る触った。
「少し待って計測には少し時間がかかるから」とトセが言った途端、水晶がいきなり赤くなって「バリン」と粉々になってしまった。オレンジぐらいの赤褐色は見たことあったトセだったが真っ赤になって水晶玉が計測できないほどの魔力を見たことがなかったので腰を抜かしてしまっていた。そしてラプトにこんなことを聞いた。
「ラプトは自分自身が魔法が使えることは知っていた?」と。
「えっ、私が。そんなことないと思ぅ。」とあまりのことにラプトの魂が飛んでいるのがトセに見えたらしく
「正気を取り戻して!」とトセはラプトを撫でてあげた。そうしてラプトは正気を取り戻したのである。
「ほんとに私って魔法が使えるの?」となんか魂が抜けたように見えていたラプトは、魂が拔ける前よりテンションが高くなっている。
「魔法が使える。なぜなら魔力があるから」とはっきりと言った。
「でもどうやって魔法を発動させるの?」と困ったかのように聞いてきたので
トセは「練習すれば使えるから心配なんていらないんだから」と言った. トセもテンションが少し高くなっていたのである。と、そんな感じで毎日魔法の訓練が始まるのだった。

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