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日常
警報
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仕事に出掛けていたカイトさんが久しぶりに、半年ぶりに帰ってきた。
疲れた様子だが、途中で市場に寄ってきたのか、買い物袋を抱えて、二階の部屋に向かって階段を登り始めた。
アヤトはカイトの部屋の状態を思い出して、カイトに声をかける。
「…ベッドを使えるように整えようか?」
ずっと不在だったので、ベッドマット立て掛け、布を掛けてあるだけだ。
すぐには使えない。
「ああ、頼む」
アヤトは昼食の片付けを後にして、カイトと一緒にカイトの部屋へと向かった。
部屋に入り、カイトはテーブルの上に買い物袋を置くと、シャワールームへと向かっていった。
アヤトはベッドマットをもとの位置に戻し、準備してあったベッドのシーツをかけ、枕と枷布団を準備して部屋を出た。
疲れているだろうし、シャワーを浴びたらそのままベッドへ直行だよね…。
起きたときに、何か軽食を準備しておこうか…。
アヤトはそう思いながら、調理場に戻り、昼の片付けを始めた。
そしてしばらく…一時間も過ぎないくらで、屋敷の警報が鳴った。
警報と言っても、登録者以外の者が屋敷の敷地に入ると、ワンワンと犬の鳴き声が鳴るようになっているのだ。
最初はうるさいサイレンだったので、ビックリしてコップを落として割ってしまい、もう少し違う音が言いとハズキさんに言って、悩んだ結果、番犬のような犬の鳴き声で収まった。
防犯用のベルなのだが、日中は、誰かが来たと教えてくれるだけなので、それほど警戒するほどでもない。
だけど一応、仕事が休みで屋敷にいるとき、警備している、今日の当番のゴスが玄関ホールに向かったのが見えた。
僕も気になって食堂から玄関ホールの方を見る。
玄関ホールの横の、室内からしか見えない小窓から、小柄な人影が見えた。
すると小柄な人は玄関前に立ち、しばらく立ち止まって、律儀に扉をノックしてきて扉が開いた。
「こんにちわ」
若い青年の声がした。
開いた扉の隙間から、ゴスの向こうに、年の近い青年がいるのが見えた。
ふわりとしたクリーム色の髪の、可愛らしい感じの、高等科の学生かと思うくらいの青年だ。
何の用だろう…。
「…何かご用ですか」
ゴスは警戒したまま青年をじろりと見ている。
青年は肩をすくめて言った。
「あの、ココにカイトさん…いると思うんですけど…」
青年がそう言うと、ゴスは後ろにいたアヤトの方を向いた。
どう、判断して良いのか迷ったからだ。
それにカイトさんの知り合い!?
アヤトは眼を丸くして驚いて、足早に玄関ホールに近付き、青年の前まで来ると訪ねた。
「…カイトさんの知り合い?」
「…えっと…」
彼はどう言ったら良いのか迷いながら、意を決してようにアヤトを見て答えた。
「国交連合軍のイサと言います。急ぎでカイトさんに話が有って来ました」
彼が緊張気味に言うと、アヤトはゴスに、カイトを呼びに行くように言い、ゴスは玄関ホールの奥に有る階段を登っていった。
国交連合軍の関係者の、急ぎの話?
連合軍からの急ぎなら、カイトさんかハズキさんに緊急連絡が入るが、そんな様子もない。
個人的な話だろうか…。
名前も名乗っているし、カイトさんが来れば分かること…。
「どうぞ、中に入って」
アヤトは彼を促し、屋敷の中に入れた。
玄関ホールの談話室側に、談話室に有った小さなソファーとテーブルを置き、以前は無かった待合室の様な場所を作って有った。
訪ねてきた知らない人を談話室に入れるわけにも、食堂に入れるのも嫌だったので、広い玄関ホールで座って待ってもらう場所を作ったのだ。
僕では危険とか危険じゃないとか判断できないし、この場所ならば、どこからでも客人の様子が見れる…。
アヤトは彼を促し、ソファーに座ってもらったが、彼は落ち着き無い様子でソワソワしている。
カイトさんの知り合い…だよね…。
そう思っていると、ゴスが階段から下りてきて、その後に、二階から不機嫌そうなカイトが顔を覗かせた。
シャワーを浴びてそのまま眠ってしまっていたのか、まだ上半身裸で、首からタオルをかけている。
ゴスに起こされて機嫌が悪いのかも…。
カイトはこちらを見下ろして、彼を見て驚いている。
彼が来る予定では無かったと言うこと…。
「…何しに来た」
「…急ぎの話をしたくて…」
彼が真剣にカイトを見上げていると、カイトは大きなタメ息を付いて階段を下りてきた。
そして彼の前まで来て、屈んで彼の手首を掴んだ。
「…来い」
彼はカイトに引っ張られソファーから立ち上がると、カイトに手首を掴まれたまま、後を付いて階段を上がり始めた。
アヤトとゴスは呆然とその様子を見て、二人の姿が見えなくなって、ハッとした。
…カイトさん?
戸惑うような、困った顔をしたカイトさんを見るのは始めてだったからだ。
アヤトとゴスは顔を見合わせ、大きなタメ息を付くと、何事も無かったかのように、自分の仕事に戻った。
えっと…夕方の、夕食の時間になってもカイトさん達は食堂に降りてこなかった。
部屋に入ったまま、一度も出てきてない…。
それほど深刻な話なのだろうか…。
それともカイトさんは、疲れていたようなので、眠ってしまっているのだろうか…。
気にはなるが、部屋に訪ねていくのをためらっていた。
…まぁ、お腹が空いたら、降りてくるだろ…。
アヤトは残ったご飯でおにぎりを作り、夜中にでもお腹が空いて降りてきたとき食べれるように、食堂のいつもスイーツを入れているガラスケースの中に置いた。
ここに置いておけば、気がつくだろう。
そして明日の朝食の下準備をして、誰もいなくなった大浴場でシャワーだけ浴びてベッドに入った。
そしてウトウトと寝落ち仕掛かったとき、ガタリと部屋の扉が開き、アヤトがぼんやりと視線を向けると、ハズキさんがそこに立っていた。
疲れた様子だが、途中で市場に寄ってきたのか、買い物袋を抱えて、二階の部屋に向かって階段を登り始めた。
アヤトはカイトの部屋の状態を思い出して、カイトに声をかける。
「…ベッドを使えるように整えようか?」
ずっと不在だったので、ベッドマット立て掛け、布を掛けてあるだけだ。
すぐには使えない。
「ああ、頼む」
アヤトは昼食の片付けを後にして、カイトと一緒にカイトの部屋へと向かった。
部屋に入り、カイトはテーブルの上に買い物袋を置くと、シャワールームへと向かっていった。
アヤトはベッドマットをもとの位置に戻し、準備してあったベッドのシーツをかけ、枕と枷布団を準備して部屋を出た。
疲れているだろうし、シャワーを浴びたらそのままベッドへ直行だよね…。
起きたときに、何か軽食を準備しておこうか…。
アヤトはそう思いながら、調理場に戻り、昼の片付けを始めた。
そしてしばらく…一時間も過ぎないくらで、屋敷の警報が鳴った。
警報と言っても、登録者以外の者が屋敷の敷地に入ると、ワンワンと犬の鳴き声が鳴るようになっているのだ。
最初はうるさいサイレンだったので、ビックリしてコップを落として割ってしまい、もう少し違う音が言いとハズキさんに言って、悩んだ結果、番犬のような犬の鳴き声で収まった。
防犯用のベルなのだが、日中は、誰かが来たと教えてくれるだけなので、それほど警戒するほどでもない。
だけど一応、仕事が休みで屋敷にいるとき、警備している、今日の当番のゴスが玄関ホールに向かったのが見えた。
僕も気になって食堂から玄関ホールの方を見る。
玄関ホールの横の、室内からしか見えない小窓から、小柄な人影が見えた。
すると小柄な人は玄関前に立ち、しばらく立ち止まって、律儀に扉をノックしてきて扉が開いた。
「こんにちわ」
若い青年の声がした。
開いた扉の隙間から、ゴスの向こうに、年の近い青年がいるのが見えた。
ふわりとしたクリーム色の髪の、可愛らしい感じの、高等科の学生かと思うくらいの青年だ。
何の用だろう…。
「…何かご用ですか」
ゴスは警戒したまま青年をじろりと見ている。
青年は肩をすくめて言った。
「あの、ココにカイトさん…いると思うんですけど…」
青年がそう言うと、ゴスは後ろにいたアヤトの方を向いた。
どう、判断して良いのか迷ったからだ。
それにカイトさんの知り合い!?
アヤトは眼を丸くして驚いて、足早に玄関ホールに近付き、青年の前まで来ると訪ねた。
「…カイトさんの知り合い?」
「…えっと…」
彼はどう言ったら良いのか迷いながら、意を決してようにアヤトを見て答えた。
「国交連合軍のイサと言います。急ぎでカイトさんに話が有って来ました」
彼が緊張気味に言うと、アヤトはゴスに、カイトを呼びに行くように言い、ゴスは玄関ホールの奥に有る階段を登っていった。
国交連合軍の関係者の、急ぎの話?
連合軍からの急ぎなら、カイトさんかハズキさんに緊急連絡が入るが、そんな様子もない。
個人的な話だろうか…。
名前も名乗っているし、カイトさんが来れば分かること…。
「どうぞ、中に入って」
アヤトは彼を促し、屋敷の中に入れた。
玄関ホールの談話室側に、談話室に有った小さなソファーとテーブルを置き、以前は無かった待合室の様な場所を作って有った。
訪ねてきた知らない人を談話室に入れるわけにも、食堂に入れるのも嫌だったので、広い玄関ホールで座って待ってもらう場所を作ったのだ。
僕では危険とか危険じゃないとか判断できないし、この場所ならば、どこからでも客人の様子が見れる…。
アヤトは彼を促し、ソファーに座ってもらったが、彼は落ち着き無い様子でソワソワしている。
カイトさんの知り合い…だよね…。
そう思っていると、ゴスが階段から下りてきて、その後に、二階から不機嫌そうなカイトが顔を覗かせた。
シャワーを浴びてそのまま眠ってしまっていたのか、まだ上半身裸で、首からタオルをかけている。
ゴスに起こされて機嫌が悪いのかも…。
カイトはこちらを見下ろして、彼を見て驚いている。
彼が来る予定では無かったと言うこと…。
「…何しに来た」
「…急ぎの話をしたくて…」
彼が真剣にカイトを見上げていると、カイトは大きなタメ息を付いて階段を下りてきた。
そして彼の前まで来て、屈んで彼の手首を掴んだ。
「…来い」
彼はカイトに引っ張られソファーから立ち上がると、カイトに手首を掴まれたまま、後を付いて階段を上がり始めた。
アヤトとゴスは呆然とその様子を見て、二人の姿が見えなくなって、ハッとした。
…カイトさん?
戸惑うような、困った顔をしたカイトさんを見るのは始めてだったからだ。
アヤトとゴスは顔を見合わせ、大きなタメ息を付くと、何事も無かったかのように、自分の仕事に戻った。
えっと…夕方の、夕食の時間になってもカイトさん達は食堂に降りてこなかった。
部屋に入ったまま、一度も出てきてない…。
それほど深刻な話なのだろうか…。
それともカイトさんは、疲れていたようなので、眠ってしまっているのだろうか…。
気にはなるが、部屋に訪ねていくのをためらっていた。
…まぁ、お腹が空いたら、降りてくるだろ…。
アヤトは残ったご飯でおにぎりを作り、夜中にでもお腹が空いて降りてきたとき食べれるように、食堂のいつもスイーツを入れているガラスケースの中に置いた。
ここに置いておけば、気がつくだろう。
そして明日の朝食の下準備をして、誰もいなくなった大浴場でシャワーだけ浴びてベッドに入った。
そしてウトウトと寝落ち仕掛かったとき、ガタリと部屋の扉が開き、アヤトがぼんやりと視線を向けると、ハズキさんがそこに立っていた。
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