先読み~あなたが一緒じゃなければ眠れない~⦅完結⦆

ゆう

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日常

ハズキの楽しみ 2

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 翌日、ハズキは廊下が騒がしくて眼を覚ました。
 ハズキのベットが部屋の廊下側に置いてあるので、隣のカイトの部屋へ、行ったり来たりとして、ザワザワと何人もの声がして、眼を覚ましたのだ。
 誰かの荷物を運んでいるのか?
 誰か、カイトの部屋に住むのか?
 しばらくすると静かになって、ハズキが再びうとうととし始めたら、アヤトが昼ご飯だと、カイトの部屋に呼びに来た。
 えっ…僕は呼んでくれないの…?
 …朝は寝てたけど…。
 ハズキは、しばらくゴロゴロして、アヤトが呼びに来るのを待っていたが、一向に来そうに無いので、しょんぼりしながら起きると、寝起きのまま食堂に向かった。
 『起こして』と言わなければ、呼びに来てくれないのは、分かってはいるけれど…。
 お腹空いた…。
 
 食堂に入ると、カイトがアヤトの頭を撫でているのが眼に入った。
 なんとなく、ハズキはムカッときて、カイトの手をアヤトの頭からどけた。
「アヤトに触るな」
「ハズキ…」
 カイトが驚いた顔をしている。
 僕も驚いている…。
 僕以外に、アヤトに触れて欲しくない…。
「アヤトは僕のモノなの!」
 そう言ってアヤトの背後からギュッと抱き締めて、腕の中に閉じ込めてしまう。
「…ハッ、ハズキさん!?」
 アヤトは頬を染めてハズキを引きはなそうとするが、離さないもんね。
「…ハズキさん?」
 その場にいた、青年がハズキに声をかけてきて、良く見て驚いた。
 見覚えが有ったからだ。
「…イサ?」
 幼い頃にサクラが保護して、今、連合軍の『先読み』として各地のお偉いさんの同行をしている、貴重な人材…。
 そして何より、サクラの弟分として、サクラが溺愛している子だ。
 ハズキは腕の中にアヤトを抱き締めたまま、思い出したかのように言う。
「…この間の、隣でアンアン言ってたの、イサ…?」
 イサは真っ赤になってうつむく。
 エッ?!
 カイトとイサ、そういう関係だったの?!
 サクラは知っているよね?!
「イサは俺のだから」
 カイトはそう言ってイサを引き寄せ、腕の中に閉じ込める。
 まるで僕に対抗意識を燃やしたみたいに…。
「…明日から、ダルタルに向かう。当分帰れない」
「ああ、分かった。こっちの事は心配するな」
 そう言ってカイトは、イサを連れて部屋へ戻っていった。
 て、事は、今日も隣は…。
 …僕もアヤトの部屋に行こう…。
 …でも、部屋に入れてくれるかな…。


 夜、アヤトは部屋に入れてくれた。
 なにもしないって、条件は出されたけれど…。
 同じベットで寝てたら、興奮して眠れないって…。
 ちょっと触るだけ…。
 ちょっとだけ…。
 今、機嫌を悪くすると、週末の計画が…。
 我慢、我慢…。
 ハズキはアヤトを腕の中に抱え込んで眠った。

 
 翌朝、カイトとイサと一緒に連合軍へ向かうことになった。
 行きたくない…。
 定期連絡はしているし、報告書は出している。
 が、連合軍本部への出勤数は足りていない…。
 行きたくない…。
 人前で報告とか、説明は苦手なんだよね…。
 
 アヤトに作ってもらった弁当と荷物を持って、三人は魔動車に乗り、連合軍へと向かった。
 カイトが魔動車を運転し、隣にの座席にイサが座り、後ろにハズキが座った。
「一ヶ月くらいの予定だが、しばらく戻れない」
「いつもの事だろ?」
 珍しくカイトがそんな話をする。
 もしかして、ソレ以上に長期になる予定なのか?
「…気掛かりはアヤトだ。サクラも様子を見に来ると言っていたが…」
「大丈夫。花壇にハーブやパセリを植えたり、家庭菜園をすることを進めたから。やる気出してたし…」
 ハズキは思い出して楽しそうに言う。
「それに、僕、手を出しちゃったから、大事にするよ」
「?!」
 甘えさせて、見守って、どこにも誰にもあげない。
「カイトのせいだからね。隣であんな声出させてさ…。いくら僕でも我慢出来なくなるよ。で、気が付いたら、アヤトのベットに潜り込んでた」
「…。」
 イサは真っ赤になってうつむく。
「アヤトの事、可愛いって思ってたけれど、まさかマサトの弟に手を出してしまうなんて思わなかったし…」
「…アヤトを泣かすような事するなよ」
 カイトはハズキに平然と言う。
「でも、泣き顔スッゴく可愛いよ。もっと泣かしたくなる」
 恥ずかしそうに頬を染めて、もっと欲しいと求めてくる姿が可愛い。
「…その話はもういい…」
 カイトは呆れて、イサは頬を染めてうつ向いたまま、魔動車は走る。
「でね、照れながら腰を押し付けていたりとか…」
 アヤトの話をし始めたら、止まらなくなった。
 どれだけアヤトが可愛いかを語ってしまう…。
惚気ノロケはもういいから…」
 カイトが呆れて言う。
「…アヤトの事は任せたから、大事にしろよ」
「ああ。大事にして絶対に離さない」
 言葉にして、自分のアヤトへの執着心に驚く。
 …大事に、大事にして、アヤトの側にいる…。


 週末、夕食の後片付けの後、食堂からご飯の炊けるいい匂いが漂ってきた。
 何で今から…?
 一瞬そう思って、それから口元がニヤケた。
 明日の朝食分を作っている!!
 今日、アヤトは僕の部屋にお泊まりだ!
 ハズキはいそいそと部屋に戻り、ベットのシーツを替えて、部屋に散らばった服をカゴに入れて、ちょっと部屋を掃除する。
 シャワーでも浴びておくか…。
 ここ二日ほど、シャワーを浴びていないからな…。
 ハズキはソワソワとシャワールームに向かった。


 そろそろかな…と、一階に降りて、食堂に顔を出すと、アヤトが食堂のカウンターに食器を置いて、大きな字で書いたメモを張り付けていた。
 これで明日の朝の心配はしなくていい。
「迎えに来たよ~」
 ハズキは嬉しそうな声を出して、アヤトの側に行く。
「…。部屋に行くとは言っていない」
 アヤトは耳を赤く染めて抵抗する。
 照れて可愛い~。
 そんなアヤトを逃すわけ無いって。
「…僕が、アヤトと朝寝したいの。ココだとシャワー無いしねぇ」
 ハズキはそう言って、アヤトを肩に担ぎ上げる。
 ちょっと重たいけれど、鍛えているからね~。
 短い距離くらいなら、訓練と変わらないから、アヤトくらいなら余裕だね。
「チョッちょっと!」
 担ぎ上げられて恥ずかしいアヤトが抵抗するので、
「暴れると落ちるよ~」
 そう言って、ハズキは階段を普通に上がり、アヤトをハズキの部屋に連れ込んだ。
 そして部屋の中でアヤトを下ろし、壁に押し付けて唇が奪った。
 うん。この感じ…。
 たまんないよね…。


 恥ずかしがるアヤトが可愛い。
 何もかも忘れて、一緒に気持ち良くなって、朝寝坊しよう。
 それで明日は昼間まで一緒に寝よう。
 
 
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