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カザンナ王国
離宮 *
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ルークに起こされて目が覚めると、馬車が止まり、木々で囲まれた、大きなお屋敷の前にいた。
「着いたよ。湯浴みして、夕食にしよう」
リーンは促され、馬車を降りる。
ジーンとユーリはすでに馬車から降りて、ガーディとジェスに抱っこされていた。
目の前にある屋敷は、カザナのお屋敷とは比べ物になら無いくらい大きくて、部屋数もたくさん有りそうだ。
中に入ると広場があり、左右に階段があって、魔女王の広場を思いださせる。
「お待ちしておりました」
そう言って出迎えたのは…。
「キリト!」
灰色がかった黒髪と、鋭い目を持つ狼の獣人のキリトは、使用人の服を着て、穏やかに微笑んで、リーンを出向かえてくれた。
「ルーク!?」
リーンがルークを見ると、楽しそうに微笑んでいた。
「…見知った者がいた方が安心だろ?一足先に、こっちに来てもらって、場所の把握をしてもらったんだ」
どこまでも、配慮してくれている。
「どうぞこちらへ」
キリトに案内されて、二階の奥の部屋へと入っていく。
「姿を見なかったから、用事があって、どこかに出掛けているのだとは思ったけれど…」
「…俺がリーンの為以外の事に、動くわけ無いだろ」
回りの人目が無くなり、キリトはいつもの口調で言う。
「…子供達の側から離れなかったのに、リーンの為に離宮に行って、身の回りの事をしてあげれるように、して欲しい。と、頼んだんだ」
「そうだったんだ…」
んっ?て、事はいつかは離宮に来て、王城に連れていくつもりだったんだな…。
用意周到…なのか…。
まあ、それも、私や子供達の為なのだから。
でも、よくキリトを納得させたよな…。
「…子供達を風呂に入れようか?と、言うか、久しぶりに入れさせてくれ」
リーンも、ルークも笑った。
子供好きなのは分かっていたが、面倒見が良い。
後ろに付いてきていたジェスがジーンを降ろし、ガーディがユーリを降ろすと、キリトがしゃがみこんで両手を広げる。
「ジーン、ユーリ。お風呂入ろう」
そう言うと、二人はよちよち歩いて、笑みを浮かべてキリトのもとに向かう。
いつも入れてもらっていたんだ…。
二人がキリトの腕の中に到着すると、キリトはギュッと抱き締めて、両手で二人を抱えて、立ち上がる。
「着替え、よろしく」
そう言って、部屋のバスルームに消えていった。
しばらくすると、キャッキャとはしゃぐ子供達の声が聞こえてくる。
「面倒見のいい従者になったな」
苦笑いしながら、ぼそりとルークが言う。
嬉しいの反面、自分が風呂に入れたくて、寂しいのかも知れない。
そんなルークを微笑ましく思った。
夕食が終わり、各自あてがわれた部屋に移動した。
ジーンとユーリは久しぶりに会うキリトから離れず、一緒に寝ることになって、隣の部屋へと連れていってくれた。
「…あのさ、気になったんだけど、この部屋に『目』が有るんだけど…これって、防犯用?」
「…分かるのか?」
リーンはベッドに横たわりながら、視線が気になって仕方がなかった。
「うん。『目』に見られる事に慣れてるけど…。視線を感じる」
「…。」
この国の離宮に王子がいて、誰かに見られているのは、ちょっと問題かも…。
「壊して良い?」
「良いぞ」
リーンは起き上がり、そちらに視線を向け、魔力の矢を放つと、パリンとガラスが砕けるような音が響く。
「あっ…」
リーンは『耳』にも気付き、それも壊す。
直ぐには修復してこないから、常時監視して作動しているわけではなさそうだ。
けれど、さっきは視線を感じた。
リーンはふわりと『風のカーテン』を作り出し、もし『目』が復活しても、見にくいように部屋に魔法をかけた。
「ふぅ…」
リーンがため息をついて、肩の力を抜くと、ルークに身体が引き寄せられ、ふと、当たり前のように、同じベッドにいる事を意識して、頬が赤く染まった。
「リーン」
ルークが背後から、首筋に口付けてくる。
「ダメだよ…」
「…明日、対面させるのを緊張している。…眠れる事をしよう」
甘えるように、そう言って、ルークがリーンの身体をまさぐり始める。
…実際、昼寝をしたからそんなに眠くはない。
「…んっ…」
ルークが寝巻きの上からリーンの胸の突起を摘まんできて、身体に痺れが走り、くにくにと動かされ、固くなってきたのを感じる。
こんなルークを知っているのは私だけだと思ったら、なんか、可愛く見えてしまい、微笑んだ。
「…少しだけ…隣にキリトもいるし…聞こえて…んんっ…」
早急に頭が引き寄せられ、唇が重なる。
唇が離されると、寝巻きが肩から引き降ろされ、直接胸の突起に触れながら、背中に口付けてきた。
「着いたよ。湯浴みして、夕食にしよう」
リーンは促され、馬車を降りる。
ジーンとユーリはすでに馬車から降りて、ガーディとジェスに抱っこされていた。
目の前にある屋敷は、カザナのお屋敷とは比べ物になら無いくらい大きくて、部屋数もたくさん有りそうだ。
中に入ると広場があり、左右に階段があって、魔女王の広場を思いださせる。
「お待ちしておりました」
そう言って出迎えたのは…。
「キリト!」
灰色がかった黒髪と、鋭い目を持つ狼の獣人のキリトは、使用人の服を着て、穏やかに微笑んで、リーンを出向かえてくれた。
「ルーク!?」
リーンがルークを見ると、楽しそうに微笑んでいた。
「…見知った者がいた方が安心だろ?一足先に、こっちに来てもらって、場所の把握をしてもらったんだ」
どこまでも、配慮してくれている。
「どうぞこちらへ」
キリトに案内されて、二階の奥の部屋へと入っていく。
「姿を見なかったから、用事があって、どこかに出掛けているのだとは思ったけれど…」
「…俺がリーンの為以外の事に、動くわけ無いだろ」
回りの人目が無くなり、キリトはいつもの口調で言う。
「…子供達の側から離れなかったのに、リーンの為に離宮に行って、身の回りの事をしてあげれるように、して欲しい。と、頼んだんだ」
「そうだったんだ…」
んっ?て、事はいつかは離宮に来て、王城に連れていくつもりだったんだな…。
用意周到…なのか…。
まあ、それも、私や子供達の為なのだから。
でも、よくキリトを納得させたよな…。
「…子供達を風呂に入れようか?と、言うか、久しぶりに入れさせてくれ」
リーンも、ルークも笑った。
子供好きなのは分かっていたが、面倒見が良い。
後ろに付いてきていたジェスがジーンを降ろし、ガーディがユーリを降ろすと、キリトがしゃがみこんで両手を広げる。
「ジーン、ユーリ。お風呂入ろう」
そう言うと、二人はよちよち歩いて、笑みを浮かべてキリトのもとに向かう。
いつも入れてもらっていたんだ…。
二人がキリトの腕の中に到着すると、キリトはギュッと抱き締めて、両手で二人を抱えて、立ち上がる。
「着替え、よろしく」
そう言って、部屋のバスルームに消えていった。
しばらくすると、キャッキャとはしゃぐ子供達の声が聞こえてくる。
「面倒見のいい従者になったな」
苦笑いしながら、ぼそりとルークが言う。
嬉しいの反面、自分が風呂に入れたくて、寂しいのかも知れない。
そんなルークを微笑ましく思った。
夕食が終わり、各自あてがわれた部屋に移動した。
ジーンとユーリは久しぶりに会うキリトから離れず、一緒に寝ることになって、隣の部屋へと連れていってくれた。
「…あのさ、気になったんだけど、この部屋に『目』が有るんだけど…これって、防犯用?」
「…分かるのか?」
リーンはベッドに横たわりながら、視線が気になって仕方がなかった。
「うん。『目』に見られる事に慣れてるけど…。視線を感じる」
「…。」
この国の離宮に王子がいて、誰かに見られているのは、ちょっと問題かも…。
「壊して良い?」
「良いぞ」
リーンは起き上がり、そちらに視線を向け、魔力の矢を放つと、パリンとガラスが砕けるような音が響く。
「あっ…」
リーンは『耳』にも気付き、それも壊す。
直ぐには修復してこないから、常時監視して作動しているわけではなさそうだ。
けれど、さっきは視線を感じた。
リーンはふわりと『風のカーテン』を作り出し、もし『目』が復活しても、見にくいように部屋に魔法をかけた。
「ふぅ…」
リーンがため息をついて、肩の力を抜くと、ルークに身体が引き寄せられ、ふと、当たり前のように、同じベッドにいる事を意識して、頬が赤く染まった。
「リーン」
ルークが背後から、首筋に口付けてくる。
「ダメだよ…」
「…明日、対面させるのを緊張している。…眠れる事をしよう」
甘えるように、そう言って、ルークがリーンの身体をまさぐり始める。
…実際、昼寝をしたからそんなに眠くはない。
「…んっ…」
ルークが寝巻きの上からリーンの胸の突起を摘まんできて、身体に痺れが走り、くにくにと動かされ、固くなってきたのを感じる。
こんなルークを知っているのは私だけだと思ったら、なんか、可愛く見えてしまい、微笑んだ。
「…少しだけ…隣にキリトもいるし…聞こえて…んんっ…」
早急に頭が引き寄せられ、唇が重なる。
唇が離されると、寝巻きが肩から引き降ろされ、直接胸の突起に触れながら、背中に口付けてきた。
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