神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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神の宿り木~遡る時間~

リーンの始まり 2

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 幾度も目覚めては眠って…。
 記憶をほとんど失ってしまう少年の名前は、目覚める度に変わった。
 別人なのだと思えるくらい、性格も変わったからだ。
 そして十八回目に目覚めた、その子の名前はリーンと呼ばれた。


 そこからの記憶はリーンのモノだった。
 魔素が濃い森の奥に住み、時々訪ねてくる獣人達と色んな町や村に出掛けたり、森で風霊や水霊、木霊達と遊んだりして、少しずつ成長していった。
 そんなある日、豹族の長が少年獣のヒイロを連れてきた。
 リーンよりほんの少し背の高い金髪の少年と、兄弟のように一緒に勉強して遊んだ。
 色んな魔法を考え、実験してみて、上手くいったり失敗したり…。
 ヒイロは昔からある、グオルクの町長の子供で、魔力も強かったがコントロールが出来ず、リーンの所に連れてこられたのだった。
 リーンと遊びなから、ヒイロは魔力をコントロール出来るようになり、ヒイロはグオルクに帰っていった。
 その代わり、時々遊びに来るようになった。
 
 ヒイロがつがいを見つけたと、嬉しそうに連れてきた。
 ヒイロのつがいは珍しい獣人の女性で、チイと言った。
 チイは獣変化じゅうへんかが出来ていなかったため、グオルクの長に、正式なつがいとは認められていなかった。
 チイは人族の町で生まれ、人族の中で生活していた為、必要なかったから、獣変化のコツがわからないままでいたからだ。
 リーンが少しずつ森を出て、獣人の町に行くようになると、グオルクのヒイロの家に、リーンの部屋を作ってくれた。
 森でなく、町での生活を覚えるために…。
 
 風霊に呼ばれて、浅瀬の川が激流に変わり、子獣人達を助けたり、山で土砂崩れが起きて家が流されるのを止めたり…。
 森の中にいるより町の方が危険だと知ったリーンは、森の奥にはあまり帰らず、町の近くの森を転々としていた。
 この魔力が森に住む人の役に立てるなら…。
 代々、森に住む獣人族の長達が望んできたことをリーンは実現していた。
 
 そんな時、獣人族ではなく、人族に出会った。
 深い森に迷い込んで、帰り道が分からなくなっていた。
 リーンが近くの人族の町まで案内する道中、その人は、町のいろんな話をしてくれ、リーンは人族の町に興味を持った。
 その人に付いていって、初めて人族の町に降りた。
 獣人族の町とよく似ているが、少し違った。
 そして人族では獣人族とは違う、魔法の使い方をするのだと知った。
 迷い込んだ人族は、リマ商会という町の便利屋の息子だった。
 それからリーンが町に降りてくると、リマ商会に寄り、彼らと共に、子獣人を見せ物にしたり、必要以上に森を荒らす者達を協力して征伐していった。
 その中、一度リーンの魔力が暴走し、人族の屋敷を破壊した。
 それ以来、リーンは密かにリマ商会に出入りして、お互いに有益な情報を交換していった。
 そして、それも代々言い伝えられていった。

 リーンは獣人族と人族の間に立って、森を守ってきた。


 魔女王と出会い、水中都市の龍人と出会い、多くの種族がいることを知って、出会って別れて…。
 それを繰り返してきた。


 そして、魔力のつがいである、ルークと出会った。


 リーンは、ぼんやりと映し出される映像を見ていた。
 …『記憶の図書館』…。
 そう呼んでいた、あの場所は、過去の名前の違う、自分の記憶の眠っている場所だったのだと気が付く。
 …なぜ、私はココにいるのだろう…。
 …私は、何をしているのだろう…。


 不意に、暖かいもので包まれた。
 …暖かい…。
 今まで温度を感じなかったのに、急に暖かいモノに包まれた。
 …これは何なのだろう…。
 リーンは、ぼんやりとその温もりを味わっていた。
 
 時々包まれる暖かさに、リーンは寄り添っていた。
 …暖かい…お日様の匂い…。
 匂いを感じられるようになっていた。

 …声が聞こえた。
 私を呼ぶ声…。
「…リーン。早く目を覚ませ…」
 …目を…覚ます…?
 …そうか、私は眠っているのか…。
 そして思い出す。
 始まりの『宿り木』が枯れてしまい、大地を支えられなくなり、何かの衝撃で、魔力の反転が起こってしまい、生命力全てを枯らし初めてしまったのだと…。
 元に戻す方法は…。
 リーンは自分がすべき事を思い出して、再び『記憶の図書館』…過去の自分の記憶を遡ることにした。
 このまま放置すれば、いずれ獣人の町にも人族の町にも広がってしまう。
 何処かに、ヒントが有るはず…。
 大地を元に戻す方法が…。
 反転してしまった魔力の枯渇を止める方法…。

 だから、もう少し待っていて…。
 必ず戻るから…。

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