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神の宿り木~再生 3~
イサキ 6 ~カザナへ~
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「…ここは…」
か細い声がベッドの方から聞こえてきた。
母さんの目が覚めた!
イサキは最後の一口を口に入れ、ベッドに駆け寄った。
青白い…やつれた母親が、ぼんやりと天井を見ている。
イサキはパンケーキを呑み込み、声をかけた。
「母さん!」
「…イサキ…」
母親は横たわったままイサキの方を向いて、ぼんやりとしている。
「…ここは…?」
「…装飾品を買ってくれたお客さんの家だよ」
それで、もしかしたら、カザンナ王国の第三王子ルーク様のお屋敷かもしれない…なんて、言えない…。
母親をビックリさせてしまう…。
「気が付いたみたいだね」
そう言って、今まで姿が見えなかったリーンさんが部屋にやって来た。
「ジーンとユーリは、おやつを食べ終わったら宿題をしてしまおうね」
「「は~い」」
二人は食べ終わり、「また、後でね」と、言って部屋を出ていった。
そしてリーンさんがベッドサイドに近づいてくる、その姿を母親が見て、目を丸くして凝視して、ゆっくりと身体を起こした。
「…ここは…」
「『メジノの館』です。…安静にしていてください」
…『メジノの館』…王族の方達が滞在する、屋敷の一つの名前…。
やはり…そうなのだ…。
イサキがリーンさんをじっと見ると、リーンさんは微笑んで言った。
「急な話ですが、イサキ君と一緒にカザナの街に移住しませんか。カザナは学びの街。イサキ君にはもっと多くの事を学んでもらって、創作の幅を広げてもらいたい…」
…突然すぎるが、興味は有る…。
イサキが母親の顔を見ると、母親は青白い顔で苦笑いした。
「…この子は父親似にて、才能が有るのは知っていた…。私はそれを伸ばしてあげることは出来ない…」
母親はそう言ってイサキを見る。
「…イサキはどうしたい?」
行ってみたい…けれど、母さんの事も心配で仕方ない…。
「…興味は…有る…」
イサキは素直にそう言った。
学校も途中で行くのを止めた自分に、出きることなのか不安でもあるが…。
「…イサキが行ってみたいのなら反対はしない…」
「…私は、イサキ君と一緒にと言いましたよ。貴女もカザナに行って頂きたい。一人では不安だろうし…」
リーンさんはそう言って母親に微笑む。
「しかし…」
言いよどむ母親にリーンさんは言う。
「衣食住は心配しなくて良いですよ。途中入学の特待生専用の家が有りますから、そちらに皆さん家族で移住しています」
イサキは目を丸くした。
「途中入学の特待生って…」
「午前は学校に通ってもらいます。午後からは各方面の技術者に習ったり、各自自由に学んでもらいます」
イサキは話が大きくて、茫然としていた。
「イサキ君には装飾品を作る、金属加工の職人の村に行って、いろんな技術が有ることを知ってもらいたい。それを知ったとき、どんな作品が生まれるか楽しみなんですよ」
「…金属加工の職人の村…」
噂では聞いたことが有る。
近くで宝石や金属が採取される場所があって、それを使って装飾品を作って生活している村が有ると…。
どんな所なのか、行ってみたい気はする…。
「…この子の父親が…その村出身なの…」
イサキの母親がため息を付いて、そう言った。
「…イサキの事を、よろしくお願いします」
母親はそう言ってリーンさんに頭を下げた。
…それって…カザナに移住をするって事か…?
「母さん…」
不安そうに母親を見るイサキに、母親は微笑んだ。
「せっかくのチャンスなのよ。イサキにはもっと自由に創作してもらいたい…」
こんなチャンスは二度と無いだろう。
それを手にするか断るかは、自分次第なのだ。
イサキはリーンさんの方を見て、真剣な表情で頭を下げた。
「カザナに行きます。よろしくお願いします」
イサキが頭を上げるとリーンさんは微笑んで言った。
「良かった。…それでね、ジーンとユーリの友達にもなってほしいんだ。…強い味方になってくれるから」
「…でも…」
イサキは戸惑った。
二人は王族だ。
…僕なんかが…友達なんて…。
「…難しく考えないで。近くにいて、話し相手になってくれれば良いから…」
…それに見合うように…僕が…成長すれば良いのか…。
二人の近くにいても、文句を言われないだけの存在になれば良い…。
「…努力します…」
今のイサキに言えることはそれだけだった。
それでもリーンさんは微笑んで、今後の話をしてくれた。
イサキ達は、カザナの親戚の家に行く事になったと言うことで、引っ越しの準備をしてほしいと、言うこと。
職場や知り合いに挨拶をして、カザナの家の準備が出来次第、引っ越ししてもらい、イサキは学校へ、母親は一度、病院で検査を受ける事など…。
そしてイサキの後見人に、この屋敷の執事のロバートさんがなってくれるそうだ。
さすがに悪いと思ったが、『貴方が評価される事が、私の楽しみの一つです』と、言ってくれた。
後押ししてくれる人の為にも、自分に出来る精一杯の努力をして、いつか恩を返せるように成長しなくてはいけない…。
そんな夢を見れるくらい、感謝の気持ちでいっぱいだった。
後日、イサキは体調が良くなった母親と一緒に、荷馬車に荷物を乗せて、カザナに向かった。
ジーンさまとユーリさまが、カザナに来られる時、街を案内してくれると約束してくれた。
…新しい生活の始まりだ。
その頃、僕達の知らないところでリーンさんが…深い眠りに付いてしまったと聞いたのは、ジーンさまとユーリさまが、カザナを案内すると約束を守りにきてくれた時の事だった。
か細い声がベッドの方から聞こえてきた。
母さんの目が覚めた!
イサキは最後の一口を口に入れ、ベッドに駆け寄った。
青白い…やつれた母親が、ぼんやりと天井を見ている。
イサキはパンケーキを呑み込み、声をかけた。
「母さん!」
「…イサキ…」
母親は横たわったままイサキの方を向いて、ぼんやりとしている。
「…ここは…?」
「…装飾品を買ってくれたお客さんの家だよ」
それで、もしかしたら、カザンナ王国の第三王子ルーク様のお屋敷かもしれない…なんて、言えない…。
母親をビックリさせてしまう…。
「気が付いたみたいだね」
そう言って、今まで姿が見えなかったリーンさんが部屋にやって来た。
「ジーンとユーリは、おやつを食べ終わったら宿題をしてしまおうね」
「「は~い」」
二人は食べ終わり、「また、後でね」と、言って部屋を出ていった。
そしてリーンさんがベッドサイドに近づいてくる、その姿を母親が見て、目を丸くして凝視して、ゆっくりと身体を起こした。
「…ここは…」
「『メジノの館』です。…安静にしていてください」
…『メジノの館』…王族の方達が滞在する、屋敷の一つの名前…。
やはり…そうなのだ…。
イサキがリーンさんをじっと見ると、リーンさんは微笑んで言った。
「急な話ですが、イサキ君と一緒にカザナの街に移住しませんか。カザナは学びの街。イサキ君にはもっと多くの事を学んでもらって、創作の幅を広げてもらいたい…」
…突然すぎるが、興味は有る…。
イサキが母親の顔を見ると、母親は青白い顔で苦笑いした。
「…この子は父親似にて、才能が有るのは知っていた…。私はそれを伸ばしてあげることは出来ない…」
母親はそう言ってイサキを見る。
「…イサキはどうしたい?」
行ってみたい…けれど、母さんの事も心配で仕方ない…。
「…興味は…有る…」
イサキは素直にそう言った。
学校も途中で行くのを止めた自分に、出きることなのか不安でもあるが…。
「…イサキが行ってみたいのなら反対はしない…」
「…私は、イサキ君と一緒にと言いましたよ。貴女もカザナに行って頂きたい。一人では不安だろうし…」
リーンさんはそう言って母親に微笑む。
「しかし…」
言いよどむ母親にリーンさんは言う。
「衣食住は心配しなくて良いですよ。途中入学の特待生専用の家が有りますから、そちらに皆さん家族で移住しています」
イサキは目を丸くした。
「途中入学の特待生って…」
「午前は学校に通ってもらいます。午後からは各方面の技術者に習ったり、各自自由に学んでもらいます」
イサキは話が大きくて、茫然としていた。
「イサキ君には装飾品を作る、金属加工の職人の村に行って、いろんな技術が有ることを知ってもらいたい。それを知ったとき、どんな作品が生まれるか楽しみなんですよ」
「…金属加工の職人の村…」
噂では聞いたことが有る。
近くで宝石や金属が採取される場所があって、それを使って装飾品を作って生活している村が有ると…。
どんな所なのか、行ってみたい気はする…。
「…この子の父親が…その村出身なの…」
イサキの母親がため息を付いて、そう言った。
「…イサキの事を、よろしくお願いします」
母親はそう言ってリーンさんに頭を下げた。
…それって…カザナに移住をするって事か…?
「母さん…」
不安そうに母親を見るイサキに、母親は微笑んだ。
「せっかくのチャンスなのよ。イサキにはもっと自由に創作してもらいたい…」
こんなチャンスは二度と無いだろう。
それを手にするか断るかは、自分次第なのだ。
イサキはリーンさんの方を見て、真剣な表情で頭を下げた。
「カザナに行きます。よろしくお願いします」
イサキが頭を上げるとリーンさんは微笑んで言った。
「良かった。…それでね、ジーンとユーリの友達にもなってほしいんだ。…強い味方になってくれるから」
「…でも…」
イサキは戸惑った。
二人は王族だ。
…僕なんかが…友達なんて…。
「…難しく考えないで。近くにいて、話し相手になってくれれば良いから…」
…それに見合うように…僕が…成長すれば良いのか…。
二人の近くにいても、文句を言われないだけの存在になれば良い…。
「…努力します…」
今のイサキに言えることはそれだけだった。
それでもリーンさんは微笑んで、今後の話をしてくれた。
イサキ達は、カザナの親戚の家に行く事になったと言うことで、引っ越しの準備をしてほしいと、言うこと。
職場や知り合いに挨拶をして、カザナの家の準備が出来次第、引っ越ししてもらい、イサキは学校へ、母親は一度、病院で検査を受ける事など…。
そしてイサキの後見人に、この屋敷の執事のロバートさんがなってくれるそうだ。
さすがに悪いと思ったが、『貴方が評価される事が、私の楽しみの一つです』と、言ってくれた。
後押ししてくれる人の為にも、自分に出来る精一杯の努力をして、いつか恩を返せるように成長しなくてはいけない…。
そんな夢を見れるくらい、感謝の気持ちでいっぱいだった。
後日、イサキは体調が良くなった母親と一緒に、荷馬車に荷物を乗せて、カザナに向かった。
ジーンさまとユーリさまが、カザナに来られる時、街を案内してくれると約束してくれた。
…新しい生活の始まりだ。
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