神の宿り木~旅の途中~ルーク~ …旅の終わりの始まり…⦅完結⦆

ゆう

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希少種

再会

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 リーンが市場で食事をして、少し早めにリマ商会へと足を向けると、入口でマークがウロウロと落ち着き無く歩いていた。
 そしてこちらを見つけると、駆け寄ってきた。
「リーンさん!」
 マークが嬉しそうに抱きついてくる。
「久しぶり。『始まりの宿り木』の時、リオナスでは、ありがとうな」
 リーンはそう言ってマークの頭を撫でる。
 リーンが魔力を使い果たし、眠っている間とその後しばらく、リオナスの役所や、ルークの執務室の横の部屋の掃除や、役所に隣接する寮の掃除などを引き受けてくれ、指導もしていってくれた。
 なので、リオナスの役所は常に清潔に保たれている。
 マークは涙ぐんで、首を横に振る。
「いいえ、お役に立てて嬉しいです。…それで…申し訳ないんですが、相談が有りまして…」
 リーンは微笑んで言う。
 今日、出掛けていた内容だろう…。
「取りあえず部屋に行こうか。オヤジさんとアズマもいるんだろ?」
「…わかりますか…」
 マークは苦笑いして答える。
「内容はわからないけど、何か有ったんだね」 
「はい。僕には手が終えなくて…」
 リーンとマークはリマ商会の建物の中に入り、アズマの執務室に入っていった。


 アズマの執務室で、オヤジさんとアズマから再会と歓迎の嬉し泣きをされ、少し落ち着いてから、部屋のソファーに座った。
 マークの横には、虎族のカムイが補佐と護衛の為に常に側にいて、相変わらず仲が良いなと、思いながら眺めていた。
 三人の話によると、マークの常連のお客さん、イワニおばさんが亡くなり、その遺言で相続人にマークを指名してきた。
 その開示が今日だったみたいだ。
 イワニおばさんの所には、家事代行として時々、食事や掃除などしながら、お茶をして話相手になるという仕事で、まるで孫のように接してくれた。
 そんなイワニおばさんが亡くなった時、屋敷の相続の件で今日、出席して欲しいと言われて行ったそうだ。
 ただ、マークにしては仕事の事だし、内容によっては自分だけの問題ではないと思い、アズマ達に相談して、同行してもらったと言うこと…。
「…来てもらって、良かったです。僕ではどうして良いやら…」
 マークはため息をついて言った。
 アズマが苦笑いしてその内容を説明してくれた。
「…屋敷の相続をマークに…屋敷の敷地、使用人全てをマークに譲るとの遺言だった…」
 …ソレって…。
「親族は…」
「息子と孫息子がいる。…ただ、普段から屋敷には寄り付かず、お金が欲しいときだけ来ていたそうだ」
 アズマは呆れた顔をして言う。
「…それでマークに…」
「…あいつら、当てにしていたみたいで、怒鳴り散らすわ、殴ってこようとするわ…」
「…怖かったです…」
 マークは思い出して怯え、カムイがよしよしと抱き締めている。
 側にカムイがいるから殴られることはないだろうが、真面目で大人しいマークにしたら恐怖でしかないだろう…。
「それで、話にならなくて一旦保留になった」
 頭の痛い問題だ。
 こういった相続の話になると…。
 リーンの脳裏にふと顔が浮かんだ。
「…ああ…アオがそう言うの、対応していたな…」
 ガバッとマークとアズマの視線がこちらを向く。
 何か方法がないか思案していたのだろう。
「リーンさん。上手いこと話を付けてくれるか?…リマ商会の信用問題にも関わってくるから、慎重にならざる終えない」
 ずっと黙っていたオヤジさんがそう言う。
 マークが今のまま相続すれば、親族が取られたとか、リマ商会に奪われたとか、言い出しかねない。
 そう言われないだけの流れと内容を積めなくてはいけない…と、言うこと…。
「マークは相続したい?」
「…ややこしいことは嫌だ。でも、あの人達、イワニおばさんの暮らした家を売り払って、お金に変えようとしていた。…思いでの大切な場所なのに…。使用人の人達も困ってた…」
 それはマークにとっても、使用人の人達にとっても大切な場所…。
 マークが仕事に行って、とても大切にされていた場所…。
「…相談してみるよ」
 リーンがそう言った矢先に思い付いた。
「…マークが相続して、カザンナ王国に献上して、マークが管理する…とかでも良いのかな…?」
「…リーンさん。大胆な事を考えますね…」
 アズマが苦笑いする。
「…ルークを使えるなら、使わないと…」
 リーンがそう言うと、アズマが恐る恐る聞いてくる。
「…あの…ルークって…」
 そうだった。
 マークとカムイには話してあるけれど、アズマ達には言っていなかった。
「…カザンナ王国の第三王子、ルーク・スレイヤード・カザンナ。…えっと…私の魔力のつがいなんだ」
 

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