440 / 462
流れ行く時間の中で…。
深い眠り…。
しおりを挟む
数日間、『森の聖域』に滞在し、ルークの魔力が安定してきたので、いよいよ『世界樹』の中に入ることになった。
『世界樹』の大きな木の前には、不安そうに見守る木霊達、土霊達、『クルーラ』の村長ヒナキ、ジュジュ。
ジュジュによれば、ここに来たときよりも、魔力の波長が安定しているので、今が一番安全だと言われたからだ。
皆が見守る中、『世界樹』のユグが姿を表しリーンを見る。
「頑張ってみるよ」
ユグが持つ、時間の魔法に期待するしかない。
「お願い。ユグ」
リーンはそう答えると、少し顔色が良くなったルークの方を見る。
「ルーク。今度は私が待っている」
「ああ、行ってくるよ」
ルークが微笑み、リーンはルークに口付ける。
「行ってらっしゃい」
リーンが微笑むと、ルークの身体はユグに支えられて『世界樹』の中へと引き込まれていく。
ルークとリーンの視線は互いに見合ったまま、ゆっくりとルークは『世界樹』の中に入っていった。
そしてヒナキとジュジュの大きなため息が出て、リーンはハッとする。
「リーン。ここらから中のルークの様子が見えるから…」
ヒナキに言われて『世界樹』の後ろ側へリーンが向かうと、木々の隙間から緑色の水液に浮かぶルークの様子が見えた。
ルークはココにいる…。
「記憶にある、あの頃のルークの姿になるまで、どれくらいかかるか分からないけど…」
リーンはルークの姿をじっと見つめて…。
「ルーク。いつまでも待ってるよ」
ルークの姿が、目の届くところから見えるので、リーンはホッとしていた。
そして自分に言い聞かせるように心の中で念じた。
…ルークはココにいる。
リーンはルークが『世界樹』の中に眠りについてから、しばらくは落ち着き無く暮らしていた。
いくら『世界樹』ユグが認めているとは言え、拒絶反応を見せるかも知れないからだ。
時間があれば『世界樹』の側で本を読み、ルークがココに存在しているのだと、自分の目で確かめていた。
人族には、今の肉体を無くしたときに、生まれ変わると言う言い伝えがある。
ただ、生まれ変わったとき、前の記憶を持っている者は、全くおらず、幼い頃に夢の中で見て、目覚めると忘れていると言うのがほとんどだ。
リーンが出会った者達の中に、そんな話をしてくれた人がいた。
まだ、ルークの命は尽きない。
人族の時間の流れから、飛び出してしまうことになってしまうが、それでもリーンには、いつ、どこに生まれ変わるか分からない、ルークの事を待つことは出来なかった。
自然の摂理に反してしまうが、そこは譲れなかった。
…ルークに出会って、欲張りになったのかも…。
リーンは苦笑いしながら、隙間からルークの姿を見て、きっと自分が眠っているとき、ルークも同じ様に、ココから私を見ていたのだと思うと、照れくさかった。
数日後、『世界樹』の木霊ユグが姿を表し、ルークの身体が拒絶反応を起こさないと確信したリーンは、ヒナキとジュジュにルークの事を頼んで、『森の聖域』の外に出た。
ルークの事で頭が一杯で、森の事を後回しにしていたからだ。
『風霊』が呼んでいる…。
季節外れの雪が森の奥で積雪し、周囲に住む森の民が埋もれそうになっている。…と。
炎の魔法は得意ではないが、グオルクにも炎の魔法を使える者の応援を呼んで、先行してもらっている。
リーンは後続の者達と合流して向かう手筈になっていた。
炎で溶かした雪解け水を、無理無く大地に染み込ませ、または『天水球』を作って水を溜め込むために…。
…ルーク。
私は私の役割を果たすよ。
そしてルークの元に帰ってくるから…。
リーンは急ぎ足で合流地点に向かった。
『世界樹』の大きな木の前には、不安そうに見守る木霊達、土霊達、『クルーラ』の村長ヒナキ、ジュジュ。
ジュジュによれば、ここに来たときよりも、魔力の波長が安定しているので、今が一番安全だと言われたからだ。
皆が見守る中、『世界樹』のユグが姿を表しリーンを見る。
「頑張ってみるよ」
ユグが持つ、時間の魔法に期待するしかない。
「お願い。ユグ」
リーンはそう答えると、少し顔色が良くなったルークの方を見る。
「ルーク。今度は私が待っている」
「ああ、行ってくるよ」
ルークが微笑み、リーンはルークに口付ける。
「行ってらっしゃい」
リーンが微笑むと、ルークの身体はユグに支えられて『世界樹』の中へと引き込まれていく。
ルークとリーンの視線は互いに見合ったまま、ゆっくりとルークは『世界樹』の中に入っていった。
そしてヒナキとジュジュの大きなため息が出て、リーンはハッとする。
「リーン。ここらから中のルークの様子が見えるから…」
ヒナキに言われて『世界樹』の後ろ側へリーンが向かうと、木々の隙間から緑色の水液に浮かぶルークの様子が見えた。
ルークはココにいる…。
「記憶にある、あの頃のルークの姿になるまで、どれくらいかかるか分からないけど…」
リーンはルークの姿をじっと見つめて…。
「ルーク。いつまでも待ってるよ」
ルークの姿が、目の届くところから見えるので、リーンはホッとしていた。
そして自分に言い聞かせるように心の中で念じた。
…ルークはココにいる。
リーンはルークが『世界樹』の中に眠りについてから、しばらくは落ち着き無く暮らしていた。
いくら『世界樹』ユグが認めているとは言え、拒絶反応を見せるかも知れないからだ。
時間があれば『世界樹』の側で本を読み、ルークがココに存在しているのだと、自分の目で確かめていた。
人族には、今の肉体を無くしたときに、生まれ変わると言う言い伝えがある。
ただ、生まれ変わったとき、前の記憶を持っている者は、全くおらず、幼い頃に夢の中で見て、目覚めると忘れていると言うのがほとんどだ。
リーンが出会った者達の中に、そんな話をしてくれた人がいた。
まだ、ルークの命は尽きない。
人族の時間の流れから、飛び出してしまうことになってしまうが、それでもリーンには、いつ、どこに生まれ変わるか分からない、ルークの事を待つことは出来なかった。
自然の摂理に反してしまうが、そこは譲れなかった。
…ルークに出会って、欲張りになったのかも…。
リーンは苦笑いしながら、隙間からルークの姿を見て、きっと自分が眠っているとき、ルークも同じ様に、ココから私を見ていたのだと思うと、照れくさかった。
数日後、『世界樹』の木霊ユグが姿を表し、ルークの身体が拒絶反応を起こさないと確信したリーンは、ヒナキとジュジュにルークの事を頼んで、『森の聖域』の外に出た。
ルークの事で頭が一杯で、森の事を後回しにしていたからだ。
『風霊』が呼んでいる…。
季節外れの雪が森の奥で積雪し、周囲に住む森の民が埋もれそうになっている。…と。
炎の魔法は得意ではないが、グオルクにも炎の魔法を使える者の応援を呼んで、先行してもらっている。
リーンは後続の者達と合流して向かう手筈になっていた。
炎で溶かした雪解け水を、無理無く大地に染み込ませ、または『天水球』を作って水を溜め込むために…。
…ルーク。
私は私の役割を果たすよ。
そしてルークの元に帰ってくるから…。
リーンは急ぎ足で合流地点に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…
月乃
BL
あぁ、やっとあの地獄から抜け出せた…
転生したと気づいてそう思った。
今世は周りの人も優しく友達もできた。
それもこれも弟があの日動いてくれたからだ。
前世と違ってとても優しく、俺のことを大切にしてくれる弟。
前世と違って…?いいや、前世はひとりぼっちだった。仲良くなれたと思ったらいつの間にかいなくなってしまった。俺に近づいたら消える、そんな噂がたって近づいてくる人は誰もいなかった。
しかも、両親は高校生の頃に亡くなっていた。
俺はこの幸せをなくならせたくない。
そう思っていた…
僕に双子の義兄が出来まして
サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。
そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。
ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。
…仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。
え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。
【8話完結】強制力に負けて死に戻ったら、幼馴染の様子がおかしいのですが、バグですか?
キノア9g
BL
目が覚めたら、大好きだったRPGの世界に転生していた。
知識チートでなんとか死亡フラグを回避した……はずだったのに、あっさり死んで、気づけば一年前に逆戻り。
今度こそ生き残ってみせる。そう思っていたんだけど——
「お前、ちょっと俺に執着しすぎじゃない……?」
幼馴染が、なんかおかしい。妙に優しいし、距離が近いし、俺の行動にやたら詳しい。
しかも、その笑顔の奥に見える“何か”が、最近ちょっと怖い。
これは、運命を変えようと足掻く俺と、俺だけを見つめ続ける幼馴染の、ちょっと(だいぶ?)危険な異世界BL。
全8話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる