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第3章 わかってる。
第10話【杏葉】放課後
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キーンコーンカーンコーン。
……………放課後だ。
(さて、図書室に行くか………)
「杏葉、今日一緒に帰らない?」
「えっ?」
後ろを振り向くと、雪香が少しニコッと笑った。
「ああ……ごめん、今日は用事があって………」
「……そっか、残念。じゃあ、またな。」
………………本当は、一緒に帰りたいけど…………
「杏葉が用事なんて珍しい……。」
「まあ、ちょっとね……」
澪が不思議そうに頭にはてなを浮かべた。
「ねね、ついていって、いい?」
……!
「え、えー……それは、ちょっと、ナー。」
「ちぇー、残念、じゃあ、帰ろう、奈緒。」
「いいけど、今日部活ないの?」
「うん、ノー部。」
「わかった、じゃあ帰ろ………」
「ばいばい、奈緒。」
「………!ば、ばいばい………秀我。」
…………秀我?
奈緒に笑いかけてきたのは、秀我という爽やか系のイケメン。
(へー、仲良さそうには見えなかったけど……仲良かったんだな。)←全くクラスメイトに興味ない系男子。
でも、奈緒の様子、変だ………
なんか、すごくビクビクしてる、いつも以上に……
「奈緒、帰ろー」
「あっ、うん!じゃあ、またな、杏葉!」
「うん、またな!」
(……行く、か。)
1人になると作り笑顔で手を振った自分が、悲しく感じた。
「失礼します……」
「ああ、今日はちゃんと来たんだ。」
「痛いのは、嫌なので………」
「そっか、でもまあ、どっちにしろ痛い目にあうんだけどねぇ。」
…………帰りたい。
「じゃあ、こっち。」
「………………」
………………やっぱり、怖い。
怖い、怖いよ……
(誰か、助けて………)
「……………うぐっ!」
下を向いて暗い顔をしていると、次の瞬間頬に強い衝撃を感じた。
「そんな暗い顔しないでよ、襲いたくなっちゃうじゃん………」
え?襲う……って………?
訳が分からないままズキズキ痛む頬を抑えていると、
「……もしかして、知らないの?」
えっ………
「し、知らない、です………」
「ま、まじで……?今時レアすぎんだろ………」
え?襲うって、何……?
「……まあ、今日はいいや、玩具続行、で。」
「えっ……あ、やだ、やだぁっ……!!」
そういうと先輩は僕を押し倒して、馬乗りになった。
「いッ……!や、やだ、どいて下さい………っ!」
「だーめ、玩具なんだから……」
「ひっ……!誰か、助けて………」
「何言ってんの、今までだって、誰も来なかったでしょ、今日は抵抗するね、なんで?」
やっぱり、わかってていても、嫌だ……怖いものは、怖いから………
「も……許して………お願いします、許してください………朝日とは別れます、だから……消して、ください………」
「…………………………」
…………あれ?先輩、なんか怒って………
「お前ってほんとつまんない。」
えっ?
そう言うと先輩は、再び僕の頬を殴った。
「ひぅっ………!」
い、痛い……なんで、なんで………こんな目に。
「………ヴッ、がはッ……………ッア……!!」
痛い、痛い、痛い………
それから、僕は散々身体中を殴られた。
殴られる度に、吐き気が喉まで襲ってきて、涙が溢れた。
「ハァハァ……も、やめ………」
「何言ってんだよ……まだまだこれからだろ?」
「………や、だ……………」
とうとう、涙が流れてきた。
「……うぅ、あぐ………」
「………………杏葉……」
……先、、輩?
もしかしたら、許してくれるの、かな……?
なんて期待は、むなしかった。
「………可愛い……………」
…………は?
そう言うと先輩は、頬を流れる涙を指で拭って、舐めた。
「………っ!」
それを見た瞬間、かなりゾッとした。
「や……あ、え………な、なん、で……………」
怖い、怖い、怖い…………!
無意識に逃げ出そうとした、次の瞬間……
「何逃げようとしてんの。」
「ひっ」
腕をひかれ、また押し倒された。
「ねえ、杏葉のこと、傷付けてもいい……?」
「えっ…………?」
そして先輩がポケットから取り出したのは、
カッターだった……
…………!!
「や、先輩……冗談、ですよね………?」
「冗談じゃないよ、本気。」
「あ、はは………う、嘘だ……嘘!」
こんなの、夢、きっと、悪夢かなにかだ………!!
先輩がカッターをもって近付いてくる。
「や、や……嫌だ、こっちに、来ないでくださ……」
………あっ……
次の瞬間、切れた僕の制服の袖から、血が滲んだ。
「え……」
え、、あ、い、痛い……………
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
「アハハハハ!!!」
痛い、痛い、痛い……!なんで、なんで先輩は笑ってるの………?
「せ、先輩……やめて………お願い」
こんな先輩………嫌いだ。
―――――コツ。
「!」
誰か、来た……?
「……来たか。」
…………?
「せん、ぱ………?」
次の瞬間………
え………?
僕は、先輩にキスされていた。
え、え、え………?なんで…………?
「ん、んん~、、んーーっ!!⸝⸝⸝」
苦しくて離れようとする、でも叶わず、しばらくして先輩の方から唇を離した。
「っあぅ………!」
「ふぅ………ねぇ、どう?目の前で大切なものが傷つけられているのを見るのは。」
………………?
誰か、いるの………?
「………………ね、雪香君と、妹ちゃん?」
………………え。
先輩の視線の先を見るとそこには、
冷たい顔で僕を見る雪香と、
今にも人を殺してしまいそうなオーラを放つ、日菜子がいた……………
✄--------------✄
どうも、瑠樺です!
いつもよりちょっと長くなってしまった汗
今回で第3章は終わりになります!
今日はとりあえずまとめだけだして終わりますね!
あと一息だー!
……………放課後だ。
(さて、図書室に行くか………)
「杏葉、今日一緒に帰らない?」
「えっ?」
後ろを振り向くと、雪香が少しニコッと笑った。
「ああ……ごめん、今日は用事があって………」
「……そっか、残念。じゃあ、またな。」
………………本当は、一緒に帰りたいけど…………
「杏葉が用事なんて珍しい……。」
「まあ、ちょっとね……」
澪が不思議そうに頭にはてなを浮かべた。
「ねね、ついていって、いい?」
……!
「え、えー……それは、ちょっと、ナー。」
「ちぇー、残念、じゃあ、帰ろう、奈緒。」
「いいけど、今日部活ないの?」
「うん、ノー部。」
「わかった、じゃあ帰ろ………」
「ばいばい、奈緒。」
「………!ば、ばいばい………秀我。」
…………秀我?
奈緒に笑いかけてきたのは、秀我という爽やか系のイケメン。
(へー、仲良さそうには見えなかったけど……仲良かったんだな。)←全くクラスメイトに興味ない系男子。
でも、奈緒の様子、変だ………
なんか、すごくビクビクしてる、いつも以上に……
「奈緒、帰ろー」
「あっ、うん!じゃあ、またな、杏葉!」
「うん、またな!」
(……行く、か。)
1人になると作り笑顔で手を振った自分が、悲しく感じた。
「失礼します……」
「ああ、今日はちゃんと来たんだ。」
「痛いのは、嫌なので………」
「そっか、でもまあ、どっちにしろ痛い目にあうんだけどねぇ。」
…………帰りたい。
「じゃあ、こっち。」
「………………」
………………やっぱり、怖い。
怖い、怖いよ……
(誰か、助けて………)
「……………うぐっ!」
下を向いて暗い顔をしていると、次の瞬間頬に強い衝撃を感じた。
「そんな暗い顔しないでよ、襲いたくなっちゃうじゃん………」
え?襲う……って………?
訳が分からないままズキズキ痛む頬を抑えていると、
「……もしかして、知らないの?」
えっ………
「し、知らない、です………」
「ま、まじで……?今時レアすぎんだろ………」
え?襲うって、何……?
「……まあ、今日はいいや、玩具続行、で。」
「えっ……あ、やだ、やだぁっ……!!」
そういうと先輩は僕を押し倒して、馬乗りになった。
「いッ……!や、やだ、どいて下さい………っ!」
「だーめ、玩具なんだから……」
「ひっ……!誰か、助けて………」
「何言ってんの、今までだって、誰も来なかったでしょ、今日は抵抗するね、なんで?」
やっぱり、わかってていても、嫌だ……怖いものは、怖いから………
「も……許して………お願いします、許してください………朝日とは別れます、だから……消して、ください………」
「…………………………」
…………あれ?先輩、なんか怒って………
「お前ってほんとつまんない。」
えっ?
そう言うと先輩は、再び僕の頬を殴った。
「ひぅっ………!」
い、痛い……なんで、なんで………こんな目に。
「………ヴッ、がはッ……………ッア……!!」
痛い、痛い、痛い………
それから、僕は散々身体中を殴られた。
殴られる度に、吐き気が喉まで襲ってきて、涙が溢れた。
「ハァハァ……も、やめ………」
「何言ってんだよ……まだまだこれからだろ?」
「………や、だ……………」
とうとう、涙が流れてきた。
「……うぅ、あぐ………」
「………………杏葉……」
……先、、輩?
もしかしたら、許してくれるの、かな……?
なんて期待は、むなしかった。
「………可愛い……………」
…………は?
そう言うと先輩は、頬を流れる涙を指で拭って、舐めた。
「………っ!」
それを見た瞬間、かなりゾッとした。
「や……あ、え………な、なん、で……………」
怖い、怖い、怖い…………!
無意識に逃げ出そうとした、次の瞬間……
「何逃げようとしてんの。」
「ひっ」
腕をひかれ、また押し倒された。
「ねえ、杏葉のこと、傷付けてもいい……?」
「えっ…………?」
そして先輩がポケットから取り出したのは、
カッターだった……
…………!!
「や、先輩……冗談、ですよね………?」
「冗談じゃないよ、本気。」
「あ、はは………う、嘘だ……嘘!」
こんなの、夢、きっと、悪夢かなにかだ………!!
先輩がカッターをもって近付いてくる。
「や、や……嫌だ、こっちに、来ないでくださ……」
………あっ……
次の瞬間、切れた僕の制服の袖から、血が滲んだ。
「え……」
え、、あ、い、痛い……………
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!」
「アハハハハ!!!」
痛い、痛い、痛い……!なんで、なんで先輩は笑ってるの………?
「せ、先輩……やめて………お願い」
こんな先輩………嫌いだ。
―――――コツ。
「!」
誰か、来た……?
「……来たか。」
…………?
「せん、ぱ………?」
次の瞬間………
え………?
僕は、先輩にキスされていた。
え、え、え………?なんで…………?
「ん、んん~、、んーーっ!!⸝⸝⸝」
苦しくて離れようとする、でも叶わず、しばらくして先輩の方から唇を離した。
「っあぅ………!」
「ふぅ………ねぇ、どう?目の前で大切なものが傷つけられているのを見るのは。」
………………?
誰か、いるの………?
「………………ね、雪香君と、妹ちゃん?」
………………え。
先輩の視線の先を見るとそこには、
冷たい顔で僕を見る雪香と、
今にも人を殺してしまいそうなオーラを放つ、日菜子がいた……………
✄--------------✄
どうも、瑠樺です!
いつもよりちょっと長くなってしまった汗
今回で第3章は終わりになります!
今日はとりあえずまとめだけだして終わりますね!
あと一息だー!
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