ゆうみお

あまみや。旧

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5章 冬休み。

172.悪夢の終わり

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頬を殴られて、さすがに痣で叔母も叔父も気付いてくれた。

「本当にすまなかった……!!あいつの事は俺達で教育し直す」
「引越し先でもお金は送るし何かあったら遠慮なく言ってもらっていいから………」


すごく謝られたけど、それを優妃は笑いながら見ていた。



(……こいつはもう、どうにも出来ないだろ)



でも良い。

俺はもう知らない。



「それでお願いします………すみません、ありがとうございます」



もう、何も考えたくない。






怖い……………






ーーー


「ゆうにぃ。また引っ越すの?」
「うん、ごめんな……小学校も卒業してないのに」


渚と実梨には本当に悪い事をした。


まだ8才で小学校の途中なのに、転校させてしまう。



(俺が何とかしないと)




もう、この子達に不自由な思いはさせたくない。




………そして、





ーーー



「………あ、」


合格していた。


ちょくちょく数字が抜けている合格者番号の中に、俺の数字が。


(……まあ、余裕かな)



実はかなり自信はあった。

前の学校でも成績はいい方だったから。



「……あ…あった、」


ふと、隣で小さな声が聞こえた。


けどまあ隣を見る程でも無くて、特に気にせず合格通知を貰いに行く。


隣にいたのは、柔らかい黒髪の…背の小さい学ランを着た男。



合格通知を貰って帰ろうとしたら、人にぶつかってしまった。



「あ……すみません」
「…!!すみません!!」



茶髪の、学ランを着た可愛い感じの……男。




そして、家に帰った。





ーーー


「兄貴ー!合格おめでとー!」
「ゆうにぃ。おめでと。」
「ありがと……渚、実梨」


連絡をして帰って、そしたら妹達が庭で待っていた。


俺の姿を見るなり駆け寄ってきて、


「ずっと庭で待ってたんですよ。優馬お兄ちゃんの帰りを」


うたも玄関から出てきて、「おめでとうございます」と言ってくれた。



「本当に……ありがとう」



少しだけ鼻がツンとした。




そして、







「…………優妃」


部屋で引越しの準備をしていると、また勝手に優妃が部屋に入ってきた。



「合格したんだってね、つまんないなぁ」
「お前には関係ないだろ」



そう言ってまた手を動かそうとした、その時。



「福島県立三坂東高等学校」



「…………!」




俺が行く高校。

教えてないのに………




「ふふ、なんでもお見通しだからね?」




…………どうして、





「俺だって伊達に頭いい訳じゃないからね、そんなこと調べるの朝飯前だから」



何も、あの高校の情報はこの部屋にはないはずなのに。



(高校がバレたら怖いから隠してたのに…………)





………………




………でも、




「ていうか優馬、眼鏡は?」
「……もうしない」


眼鏡からコンタクトに変えた。





「お前が好きな俺になんか、ならない」





気が弱くて怯えっぱなしな自分にはならない。





もう、二度と。








ーーー




…………




………




……





「ってな感じかな………」



随分長く話た気がする。


アイスは既に溶けていた。



しばらくの沈黙の後、




「つまり……優妃って人は、優馬の事が好きだったの?」


口を開いたのは郁人。



「そうなんだろうな、でもサイコパス気質があったから、あんな感じの愛情表現になったのかも」


優妃は間違いなく環境でその気質が生まれた。

生まれつきではないはず。



「………ていうか優馬って目悪かったんだ」


あんまり着目しなくていいところに気付いたのは澪。


「うん、右B左Cだよ」
「へぇ………」


実際今もコンタクトはしてる。


「眼鏡すると気が弱い時に戻る気がして………今はどこかの奥に閉まってたはず」


話していると、先生が簡単にまとめてくれた。


「つまり……人目を気にして都会から引っ越してきて、けど震災で環境のせいで鬱になった両親が亡くなって、居候した家の従兄弟には散々な扱いをされてたってことか」



この長い話をまとめるのはこれが精一杯だと思う。



「……シンデレラみたいだな」
「そうですねー」


アイスはもう飲むことにして、飲み終わった後。



「………どうしよう優馬」
「うん?」


澪がかなり深刻そうな顔をしていた。




「僕の過去………そんなに重くないから、絶対先に言った方よかった…………」
「重さを比べちゃ駄目だよ澪………」



何を気にしてるんだこの子………



「うたさんが優馬の家に来たのはそういう理由?」

ぼーっとしているうたに郁人が聞いた。


「はい……そうですねぇ………あの後もかなりサイコパスだったので」



まあ、うたはいつかこっちに来るって分かってた。


手は出してこないにしろ、優妃はうたに対してもサイコパス気質が出てたから。

……ちなみにそれは愛情とかでは無い。




「………あ、」



先生が声をあげた。



「何ですか?」
「すまん、恋人探しの時間だ」



……は?



「綺麗な男に声をかける時間な」
「あ、そうですかさよなら」



俺の過去の話聞いたら後はどうでも良くなったな。




ーーー


(保健室の先生side)


定禅寺通りを歩いていたら、人にぶつかった。


「わ……すみません」
「……」



……なんか、見たことのある。




「……あれ、もしかして」
「………あ」



俺の保健室に食べ物くすねにくる奴ら…………


「保健室のせんせ「違います人違いです……」」


この人達苦手…………




「え……」
「す、すみません。では……」




あんまり関わりたくない生徒達なので逃げた。





「…………今の保健室の先生だよね……、ねぇ真冬」
「……どうでもいい」




ーーー


りせまは結構先生方からは苦手に思われてます。


おまけ……三坂東高校の裏の部活の話。

ーーー


うちの学校にはあるランキングがある。


「今日話すのは三坂東高校2021年冬の人気投票の結果について」


生徒の人気投票。

部門は純粋な人気、可愛い、襲いたい、仲良くなりたい、の4つ。



「今回もやはりトップ10にはあいつらがいるな…」
「まあ大体変わんないもんな」



年に季節ごとに4回もあるから、実はあんまり結果は変わらない。



「まず純粋な人気投票部門………10位モブ澤」
「あいつは純粋にモテるからな」


9位…8位、と発表していく。



「……5位、早苗優馬」



やっぱりあいつは人気がある。


「でも中身が…な」
「顔だけなら堂々トップ3だろ」



………さて、


「4位、宝条海斗」


案の定この人は出てくる。


「非の打ち所がほとんどないのにヘタレで押しに弱いギャップのある堂々の結果だな……」
「……さて、次」


「3位………雪島真冬…!」


………ッ


「前回は2位のモブ谷を破って2位だったのに……!」

残念ながら今回は雪島は3位。


「ってわけで2位はモブ谷」



そして1位。




「まあ………ここは譲らず高山李世…だな」


ここが破られたことは無い。




「さて、じゃあ次は可愛い部門」 



これもまた10位から発表していく。



「7位…桜木郁人」


あれは背が高いのに可愛い。


まぁ……どっちかと言えば綺麗系だけど。



「そしてー……、6位は雪島真冬」


やっぱりこの辺か………

雪島もどちらかと言えば綺麗枠。



「そして5位はモブ野で4位は双葉澪!」


ここで双葉がランクインした。



「俺的にはもう少し上でもよかったんだけど………」
「観賞的な可愛さだからな……」


そして4位を発表して3位。


「3位は神谷莉音!」
「流石だな東高…!あの根暗っ子の顔の良さが分かるとは……!」


神谷は暗く見えるけど、顔が整っていて可愛い。
それに気付けるとは………



そして、




「2位は前回引き続き鳳未来斗!!」

鳳……いつも笑顔でただただ可愛い。

それだけじゃなく運動も出来るし優しいから好かれやすい人物だ。





「そして1位、高山李世……」



やっぱりここは変わらない。



「皆に愛想よく振る舞えるし肯定してくれるし理想なんだよ……ツイてるけど」
「理想なんだよな~…ツイてるけど」


もうこの人殿堂入りにしたい。




次は襲いたい部門。



「10位早苗優馬!!」


顔だけで決められた男ーーー☆



「あの顔をぐちゃぐちゃにしてみたいよなぁ……」
「わかるぅ………あんまり身長高くないのも萌える……」


8位を発表して、



「7位……神谷莉音!!」


ここで神谷……!!



「前回はいなかったのにランクインしたぞ……!」
「初登場だな……」



ちなみに去年まではこの辺りには生徒会長が入ってた。

実際襲うとなるとデカい親友が怖くて出来なかったけど………



「6位は鳳未来斗!まあ前回と変わらないな……」


鳳は可愛いから襲いたいけど罪悪感もあってやりにくい。

……いや、誰もやったことないけど。



「そして5位はモブ下!4位は……宝条海斗!」


ここも変わらず………



「襲いたいよなぁ……鳳怖くて出来ないけど」
「でも宝条はもうランキング入れられないと思うと辛いなぁ………」


このランキングはこの学校の生徒のみがランク付けされる。



「そして3位は高山李世……、高山、やっぱりここで1位敗退か」


高山は襲いたいとかそういう感情じゃなくて単に可愛いからここで初めて敗者になる。


「そして2位……雪島真冬」


初めて雪島が高山の上にいった。



「そして1位………双葉澪!」



やっぱり今回も双葉が1位だった。



「……というわけで毎年の事だがこの上位3人には護衛隊がつけられることになった」


本人達に気付かれないように護衛することが役目。

それをするのがこの部活の部員の活動内容でもある。



……余談になるけど桜木がランキング外なのは襲ったら逆にドロドロにされそう、という理由から。





「最後……仲良くなりたい部門!」


10位から発表していって、5位。


「5位……鳳未来斗!」


是非お友達になりたい鳳……!


「鳳は友達以外には無意識で警戒心強くなる時があるからな……それさえ解ければ最高なんだが………」


優しいことは優しいけど、少しだけ壁を感じる生徒。



「………3位、高山李世」



高山と仲良くなりたい男は多い。


それは可愛いだけじゃなくて、もっと沢山話したい……とか、話を聞いてもらいたいなどが多い。


「高山はやっぱり会話が上手いからな……次、2位…、双葉澪」



ここで双葉。

このランキングは2位にかなりの差をつけて1位がランクインしている。



「1位……雪島真冬!」



………安定の1位、雪島。





「あれは仲良くなりてぇよ!!いつも冷たい視線を浴びせてきて距離を置く雪島が、高山に懐くみたいに俺達にも懐いてくれたら……!」
「諦めろ、高山は俺達には無い不思議な力を持っているんだ………」



雪島と仲良くするのは不可能らしい。





ーーー



「というわけで襲いたい部門上位3位には護衛隊をつけるように」
「北村せんせー!顧問から何かあります??」
 


………この部活の顧問。




「………いや、特には」




実は保健室の先生。

無理矢理やらされた。




(こんなランキングやら護衛隊があるから……あいつらには極力関わりたくない………)


双葉はともかくあの後輩2人。

この部活の存在を知っている先生方が李世達を異様に避けるのは、そういう理由でした。






ちなみに澪や李世達はこのランキング知らない。





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