3 / 14
噂のイケメン
しおりを挟む
宣言した通り、バレンタイン当日の残業は回避しました。というか、主任と先輩も残業せずに会社から去って行きましたよ。別々に。隠している恋愛って大変ねぇ……と、嘘です独り身には眩しくて羨ましいです。でも先輩大丈夫かな。失言内容はちゃんと説明したけど、「お前、ほんと乙女だな」とか阿呆なことを言っていたからな。貴方の彼女が乙女なんだっての!!
真っ直ぐに向かってS駅には十九時過ぎに到着。お店は分かりにくかったけど駅からの距離は思ったよりも近かった。〝Kirschblüte〟と書かれた小さなケーキ屋さん。店頭のブラックボードにはバレンタインのお知らせと、喫茶フロアのラストオーダーが書かれていた。残念ながら十八時三十分で終わっている……仕事の日は無理だ。定休日は月曜と、そして第一と第三の火曜日かと確認していたら、店内からチラチラと視線を感じられた。平日の遅い時間だし、店員からすると入るのか入らないのか、ハッキリしてくれ!! と思われるよな。
チリンチリン――とドアベルの控えめな音が鳴って、ショーケースの向こう側にいた優しい笑顔の女性が「いらっしゃいませ」と声を掛けてくれた。入って正面がショーケース、そして右手側の少し奥まった場所には十席くらいの喫茶フロアが見える。本当に地元のケーキ屋さんって感じだ。左手側のスペースには焼き菓子が並んでいて、そこにお目当てのブラウニーを見つけてニンマリしてしまう。
「そちらのブラウニー、本日までなんですよ」
「えぇ、昨日こちらを頂きました。美味しかったので自分でも買おうかと……」
そこまで行ったところで、ニコニコしていた女性が目を丸くして驚いていた。「まぁ!」と言いながら口元を手で押さえている姿は、どことなく嬉しそうだ。
「この近くにお住まいなの?」
「い、いえ……昨日会社で貰って、自分用も買いに来たんですが……」
「つまり、わざわざいらしてくださったのね?」
「え、えぇ――あの……?」
「まぁまぁまぁ! ちょっとお待ちになってて!!」
そのまま勢いよく奥にあるドアへと駆け込んで行ってしまった。向こうは住居スペースだろうか。店員が消えてしまって良いのかな……留守番するのは構わないんだけど。
そうして少しの間待っていたら、バタバタと少し大きな足音が聞こえてきた。
「晃一さん! ゆうちゃん! この方よ!!」
さっきの女性と、その旦那さん……だろうか。そして、俺と同じくらいの――
「あ、噂のイケメン」
「え?」
「……イエ、オキニナサラズ」
多分、この人がレアキャラとされているイケメンだ。だって男の俺から見てもイケメンだもん。百八十近い身長に、しっかりとした肩は男らしい。ケーキ屋さんというイメージからするとちょっとゴツイかもしれないけど、パッチリとした目元はちょっと垂れ気味で、鼻筋はシュッと通っていていて少し厚めの唇……と感想を求めていた主任の為にガッツリと観察していたら肩を揺らされた。すみません、主任と佐藤さんの為の観察であって俺に他意はありません。
男性二人は調理服などの制服ではないので、仕事が終わって休んでいるところだったんだろう。
「お客さんに留守番をさせてしまって申し訳ない。礼子も、少し落ち着きなさい」
「だって晃一さんもゆうちゃんも気にしていたじゃない」
「そりゃあ……あぁ、すみません。私はここの店主の高村 晃一です。そしてこっちは、甥の雄大」
「妻の礼子です。……騒がしくしてしまってごめんなさいね? 皆で売れ行きを気にしていたもので」
売れ行き? と引っかかりを覚えて、さっきから気になっていたブラウニーの陳列をもう一度見る。そうなんだよ。いくら日持ちするとは言え、限定品が最終日の閉店間際までたっぷりと残っているんだよ。――箱入りが八個、バラ売りは十個。大手のケーキ店なら普通でも、お店の規模からすると多いと思う。主任の分も買えるかなと少し不安に思っていたんだけど、数は充分に有り余っていた。この時間に補充したって訳ではないよなぁ……
「お恥ずかしい話ですが、その……」
「売れ行きが中々伸びなくて。俺としては自信作だったんですけど」
ああ、やっぱり。困ったように笑う店主夫妻に、どんよりとした空気を背負うイケメン。そうか、このブラウニーはイケメンが作ったのか。
「師匠のチョコレートはちゃんと捌けたんです。でもこのブラウニーは……」
「ポツポツとは売れているんだけどねぇ。先週まとまった数の注文が来たから喜んでいたんだけど……」
「あ。それ、うちの会社かも」
「え?」
「箱なしって注文していたならうちの会社……というか、うちの部署です。昨日配られて、それがすごく美味しかったからお店の場所を聞いて、今日までって言われたので残業せずに直行しました」
箱入りは二個入って七百円、バラは一個三百五十円でどちらも税別。予算五百円に間に合わないから箱なしになったんだと主任たちが言っていた。
「ちょっと高いかなとは思いますけど、キャラメリゼの手間暇を考えたら妥当だと思います。というか、材料費で結構トントンになっていませんか? 箱代もサービス扱いになっていますし……」
「……」
「甘い物が苦手な先輩も美味しいって言ってましたし、今日が平日じゃなければ買いに行ったのに、と言ってた人も多かったです。ここの路線、うちの部署の人間はあんまり使ってないんですよね。配ったのが連休明けで残業も重なりましたし……そういうのがなければ、俺以外にも買いに来る人はいたと思います」
タイミングが悪かっただけだよ、という思いを込めて笑いかけたら少しだけ雰囲気が浮上した。まぁ単価が高いとお試しで買うとは中々ならないよな。時にこういう地元密着のところだと、購入金額は結構シビアだし。
「ってことで、残り全部買っていっても良いですか? あと、ここのチラシ……とかショップカードとかありますか? 店名と地図が書かれていると嬉しいです」
俺の取り分が五個、主任も五個として、バレンタインの買い出しに行ってくれた結城と彼女へのお礼分に……でも全く同じのをあげるのは微妙かな?
「このパウンドケーキ、フルーツとマーブルをブラウニーの箱に一つずつ入れ替えて貰うことは出来ますか? あと、他にオススメの焼き菓子はありますか?」
「え、えーっと……マドレーヌとレモンケーキ、かな?」
「じゃあそれもバラで五個ずつ」
「あの……こんなに食べられる、の?」
「買い出しも頼まれているんで、俺だけが食べる訳じゃないですよ? ついでに会社で宣伝もしてきます。店名と地図を一緒に渡せばお店まで来るハードルが下がりますしね!」
おせっかいかもしれませんが……と付け加えたら、三人が三人ともブンブンと首を横に振った。良かった。別に宣伝しなくてもしっかりと地元に根付いているとは思うけどさ、応援したくなったんだよ。限定品の存続って売り上げに左右される物だし、季節物でも次の年は販売しないってことが往々にしてある。それは惜しい、と食いしん坊な俺は思ってしまう訳だ。
レジで会計を済ませながら、スカスカになっているショーケースを眺める。今度個々にケーキが並んでいるところを見に来ようと次の楽しみを考えていたら、袋に詰めて貰った商品が――渡されない。あれ?
「俺、駅まで送ってくるね」
「え?」
なんでイケメンが? 送るって言っても、俺は男ですけど? そんな風に慌てていたら、ご夫婦から「ありがとうございました」と言われてしまい、イケメンからは「行きましょうか」と笑いかけられ……ナチュラルに商品を持ってくれて、ドアを開ける姿はスマートの一言だ。よくわからん。なんだこれ。
真っ直ぐに向かってS駅には十九時過ぎに到着。お店は分かりにくかったけど駅からの距離は思ったよりも近かった。〝Kirschblüte〟と書かれた小さなケーキ屋さん。店頭のブラックボードにはバレンタインのお知らせと、喫茶フロアのラストオーダーが書かれていた。残念ながら十八時三十分で終わっている……仕事の日は無理だ。定休日は月曜と、そして第一と第三の火曜日かと確認していたら、店内からチラチラと視線を感じられた。平日の遅い時間だし、店員からすると入るのか入らないのか、ハッキリしてくれ!! と思われるよな。
チリンチリン――とドアベルの控えめな音が鳴って、ショーケースの向こう側にいた優しい笑顔の女性が「いらっしゃいませ」と声を掛けてくれた。入って正面がショーケース、そして右手側の少し奥まった場所には十席くらいの喫茶フロアが見える。本当に地元のケーキ屋さんって感じだ。左手側のスペースには焼き菓子が並んでいて、そこにお目当てのブラウニーを見つけてニンマリしてしまう。
「そちらのブラウニー、本日までなんですよ」
「えぇ、昨日こちらを頂きました。美味しかったので自分でも買おうかと……」
そこまで行ったところで、ニコニコしていた女性が目を丸くして驚いていた。「まぁ!」と言いながら口元を手で押さえている姿は、どことなく嬉しそうだ。
「この近くにお住まいなの?」
「い、いえ……昨日会社で貰って、自分用も買いに来たんですが……」
「つまり、わざわざいらしてくださったのね?」
「え、えぇ――あの……?」
「まぁまぁまぁ! ちょっとお待ちになってて!!」
そのまま勢いよく奥にあるドアへと駆け込んで行ってしまった。向こうは住居スペースだろうか。店員が消えてしまって良いのかな……留守番するのは構わないんだけど。
そうして少しの間待っていたら、バタバタと少し大きな足音が聞こえてきた。
「晃一さん! ゆうちゃん! この方よ!!」
さっきの女性と、その旦那さん……だろうか。そして、俺と同じくらいの――
「あ、噂のイケメン」
「え?」
「……イエ、オキニナサラズ」
多分、この人がレアキャラとされているイケメンだ。だって男の俺から見てもイケメンだもん。百八十近い身長に、しっかりとした肩は男らしい。ケーキ屋さんというイメージからするとちょっとゴツイかもしれないけど、パッチリとした目元はちょっと垂れ気味で、鼻筋はシュッと通っていていて少し厚めの唇……と感想を求めていた主任の為にガッツリと観察していたら肩を揺らされた。すみません、主任と佐藤さんの為の観察であって俺に他意はありません。
男性二人は調理服などの制服ではないので、仕事が終わって休んでいるところだったんだろう。
「お客さんに留守番をさせてしまって申し訳ない。礼子も、少し落ち着きなさい」
「だって晃一さんもゆうちゃんも気にしていたじゃない」
「そりゃあ……あぁ、すみません。私はここの店主の高村 晃一です。そしてこっちは、甥の雄大」
「妻の礼子です。……騒がしくしてしまってごめんなさいね? 皆で売れ行きを気にしていたもので」
売れ行き? と引っかかりを覚えて、さっきから気になっていたブラウニーの陳列をもう一度見る。そうなんだよ。いくら日持ちするとは言え、限定品が最終日の閉店間際までたっぷりと残っているんだよ。――箱入りが八個、バラ売りは十個。大手のケーキ店なら普通でも、お店の規模からすると多いと思う。主任の分も買えるかなと少し不安に思っていたんだけど、数は充分に有り余っていた。この時間に補充したって訳ではないよなぁ……
「お恥ずかしい話ですが、その……」
「売れ行きが中々伸びなくて。俺としては自信作だったんですけど」
ああ、やっぱり。困ったように笑う店主夫妻に、どんよりとした空気を背負うイケメン。そうか、このブラウニーはイケメンが作ったのか。
「師匠のチョコレートはちゃんと捌けたんです。でもこのブラウニーは……」
「ポツポツとは売れているんだけどねぇ。先週まとまった数の注文が来たから喜んでいたんだけど……」
「あ。それ、うちの会社かも」
「え?」
「箱なしって注文していたならうちの会社……というか、うちの部署です。昨日配られて、それがすごく美味しかったからお店の場所を聞いて、今日までって言われたので残業せずに直行しました」
箱入りは二個入って七百円、バラは一個三百五十円でどちらも税別。予算五百円に間に合わないから箱なしになったんだと主任たちが言っていた。
「ちょっと高いかなとは思いますけど、キャラメリゼの手間暇を考えたら妥当だと思います。というか、材料費で結構トントンになっていませんか? 箱代もサービス扱いになっていますし……」
「……」
「甘い物が苦手な先輩も美味しいって言ってましたし、今日が平日じゃなければ買いに行ったのに、と言ってた人も多かったです。ここの路線、うちの部署の人間はあんまり使ってないんですよね。配ったのが連休明けで残業も重なりましたし……そういうのがなければ、俺以外にも買いに来る人はいたと思います」
タイミングが悪かっただけだよ、という思いを込めて笑いかけたら少しだけ雰囲気が浮上した。まぁ単価が高いとお試しで買うとは中々ならないよな。時にこういう地元密着のところだと、購入金額は結構シビアだし。
「ってことで、残り全部買っていっても良いですか? あと、ここのチラシ……とかショップカードとかありますか? 店名と地図が書かれていると嬉しいです」
俺の取り分が五個、主任も五個として、バレンタインの買い出しに行ってくれた結城と彼女へのお礼分に……でも全く同じのをあげるのは微妙かな?
「このパウンドケーキ、フルーツとマーブルをブラウニーの箱に一つずつ入れ替えて貰うことは出来ますか? あと、他にオススメの焼き菓子はありますか?」
「え、えーっと……マドレーヌとレモンケーキ、かな?」
「じゃあそれもバラで五個ずつ」
「あの……こんなに食べられる、の?」
「買い出しも頼まれているんで、俺だけが食べる訳じゃないですよ? ついでに会社で宣伝もしてきます。店名と地図を一緒に渡せばお店まで来るハードルが下がりますしね!」
おせっかいかもしれませんが……と付け加えたら、三人が三人ともブンブンと首を横に振った。良かった。別に宣伝しなくてもしっかりと地元に根付いているとは思うけどさ、応援したくなったんだよ。限定品の存続って売り上げに左右される物だし、季節物でも次の年は販売しないってことが往々にしてある。それは惜しい、と食いしん坊な俺は思ってしまう訳だ。
レジで会計を済ませながら、スカスカになっているショーケースを眺める。今度個々にケーキが並んでいるところを見に来ようと次の楽しみを考えていたら、袋に詰めて貰った商品が――渡されない。あれ?
「俺、駅まで送ってくるね」
「え?」
なんでイケメンが? 送るって言っても、俺は男ですけど? そんな風に慌てていたら、ご夫婦から「ありがとうございました」と言われてしまい、イケメンからは「行きましょうか」と笑いかけられ……ナチュラルに商品を持ってくれて、ドアを開ける姿はスマートの一言だ。よくわからん。なんだこれ。
0
あなたにおすすめの小説
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている
キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。
今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。
魔法と剣が支配するリオセルト大陸。
平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。
過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。
すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。
――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。
切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。
全8話
お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
ラピスラズリの福音
東雲
BL
*異世界ファンタジーBL*
特別な世界観も特殊な設定もありません。壮大な何かもありません。
幼馴染みの二人が遠回りをしながら、相思相愛の果てに結ばれるお話です。
金髪碧眼美形攻め×純朴一途筋肉受け
息をするように体の大きい子受けです。
珍しく年齢制限のないお話ですが、いつもの如く己の『好き』と性癖をたんと詰め込みました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる