恨み買取屋

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第一章・首吊り少女の怨念

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 なんだか胸がすぅっとする感覚がした。
 私は小走りで藍玉の隣を自分の定位置として進み続け、その感覚に思考を寄せる。
 なんだろう、つっかえていた物が取れたとでも言うのだろうか。心なしか足取りも軽くなったような気がしていた。
 …夜狐が恨みを倒した──というのは、想像に難くなかった。
 あの時上から落ちてきた恨みは、まず間違いなく私の恨みである。おそらく、教師に対しての。ひどい逆恨みだという自覚はあるし、向こうに大きな非があるわけではないと言うことは痛いほどわかっている。
 だから私はあの時の先生に直接文句を言う気はこれっぽっちもないし、一人で勝手に腹を立てることもしない。先生のとった行動は至極当然、賢明な判断である。私が相手の立場でも多分そうする。
 だが助けて貰えなかった事実は変わることはない。
 事実だけは、こちらがそれに対してどう思ったとしても覆ることはない。事実は事実として、ただそこに黙って腰を下ろしている。
 そしてその事実は静かに次の可能性を指差すのだ。
 私の事実が指さす先には絶望があった。
 いや、そんな大層なものではなかったかもしれない。ただ少なくとも私にとって、この煮凝りのような息の詰まる環境に今後まだずっと身を置かねばならないのは苦痛でしかなかった。
 その痛みを八つ当たりする相手が欲しかった。
 そうして自動的に、無意識のうちに、私は先生に対して嫌悪感を抱いた。
 いや。違うのかもしれない。もっと、大きく見るべきなのかもしれない。
 私は見せかけの、その場限りの権力を恨んだ。
『相談相手になら、いくらでもなってやるから』
 少なくとも先生は、私が助かることを望んでくれてはいたのだから──
 胸の辺りがちくりとした。恨みは消えても申し訳なさは消えてくれない。その感覚に顔が歪むのを堪えるため歯を食いしばった。
 時折、視界の端に様々な恨みが映る。嫌な気配を感じないから私の恨みではないのだろう、それだけで歪な形をしたそれらはただの風景となって視覚から脳に送られてくる。
 慣れとは怖いものだ。
 が、ただの風景と言い切ることもできない。何故なら風景は決して故意に私達を襲ってきたりはしないからである。
「ぎぃぃぃぃ」
 噂をすれば、風景が左手の廊下から襲ってきた。
 数分前の私なら、全身の血の気が引いていたことだろう。迫り来る拳の勢いに気圧されて過呼吸を起こしたかも知れない。
 だが今の私は非常に落ち着いていた──しかしだからといって突然の出来事なことに変わりない。驚きこそしなかったものの、体が思考についてこない。条件反射で数歩下がった程度である。
 それでも、には充分だったようだ。
 三色の毛が規則正しく逆立つ。前足にたわみをつけて一気に跳躍。喉から威嚇の声を出す様は、ただの気性の荒い三毛猫そのものだった。
 小さかったはずの右前足が膨張、その長さは優に私の腕の長さを超えており、爪はそこらの刃物よりずっと切れ味が良さそうだった。
 その爪が──恨みの左肩から右脇腹にかけてをかっ裂く。
「ぐぇ、あ」
 しかし傷は浅い。
 傷口からは多少血が吹き出したが、放っておいても大丈夫そうだ。
「フン、懲りたらアタシらに近づくんじゃないよ。アンタはお呼びじゃないんだから」
 着地と共に前足の大きさを戻しながら、藍玉はそう悪態をついた。
「ありがとう、ございます」
「別に。無茶して戦って怪我されるよりよっぽど良い」
 それだけ言ってうずくまる恨みを一瞥したあと、藍玉は走り出した。私もそのあとを追う。
 ──やはり猫とはいえ、猫又。妖怪。
 彼女の強さは正直、想像以上だった。
 藍玉は迷うことなくまっすぐ走っていく。まるで夜狐のいる場所がわかるかのように。それこそ私が恨みの気配を感じ取れるように。
「そういえば…アンタ、本体の場所がわかったとか言ってたね。あれ、一体どこなんだい?」
 間違えてその場所の真ん前を通るとか嫌だからさ──と、彼女は言った。
 少し、ぎくりとする。肩がこわばった。どうしたものかと口ごもった。
 視線を軽く泳がせて時間稼ぎをするが、特に意味はない。観念して口を開こうとするが、正直本当のことを言う気はなかった。これは、夜狐と合流してから話した方が絶対に良い。
 だから、嘘をつこうとした瞬間──
 が聞こえた。
「ねェねェ知ってる?二組の香澄さんってこの前の財布泥棒の犯人らしいヨ~!」
「ねェねェ知ってる?二組の香澄さんってリストカットして病みアピしてるみたいだヨ~!」
「ねェねェ──」
 まただ。またそこかしこから花が顔を出してはキィキィ騒ぎ出す。
「耳にくる声だね」
 藍玉は悪態をつきながらも、半分無視して足を止めない。風景なのだ。彼女にとってはこれはただうるさい音のする風景にしか過ぎない。
 私もそういえたらよかったのだが──これは私自身の恨み。先程までのように何も感じることなく突破するのは無理があった。
「「「ねェねェ知ってる?二組の香澄さんって──」」」
 …しかし数が多い。
 さっきまで多くても三、四つの花があるだけだったのが、今は十を越えている気がする。一度にこんなに出てきたことは、少なくとも前までなかった。下手をすれば踏んでしまう。いや、まぁ、踏んでも別に良いのだが。
 藍玉はその爪で邪魔な花だけをなぎ倒し、特に動じることなく進んでいった。次に来る噂に踊らされた方を軽く警戒しているようで、その視線は鋭い。私はというと、圧自体は感じるがここで怖じ気づいてもいられないので、耳に入る全ての音をただの雑音だと自身に言い聞かせ、小走りで花の大群の中を通りすぎる。
「ねェねェ知ってる?」
 去り際にそんな声が、やけにはっきり聞こえた。
って、前の主人を──」
 青い瞳が明確な殺意を持って揺れた。
 爪があっという間に花の口に引っ掛かり、あっという間に裂けた。キヒッ、と笑い声なのか悲鳴なのかわからない声をあげてその花は蒸発する。
「……なるほど、こいつはアンタのことだけ言うんじゃないんだね」
「……」
 その声にはまだ怒りと焦りと、ほんの少しの寂しさだとかそんな感情が含まれている気がした。
 だが今の私には前の主人もとい、藍玉の過去の話を考えたり気にしたるする余裕はなかった。幸いと言うかなんと言うか、彼女もそれについて触れて欲しくはなさそうだった。
 藍玉は何事もなかったかのように進み出す。私もそれに続いた。今はただ夜狐と合流することだけを考えていれば良い。
 ──が。
「「「ねェねェ知ってる?」」」
 突如花が視界を埋め尽くす。
 それは重複した声なんてものではなかった。
 一見すればメルヘンチックな光景にゾッとする。バラの絨毯だか門だか知らないが、私は今までこんなに禍々しく恐ろしいものを見たことがない。
 ケタケタと四方八方から笑い声が聞こえてくる。時に上から、時に下から。
 口々に噂話をしているのだろう、色んな声が混ざりあってもはや何を言っているかを聞き取ることはできそうにない。それだけはありがたかった。
 それは壁だった。
 床から天井にかけて、びっしりと──それが綺麗で色とりどりの花だったらどれだけ綺麗だったろうか。
 赤黒い花弁と真っ黒で大きな口を持つ大量の花が連なって、廊下に壁を築いていた。
 それは明確な敵意。邪魔。
 足止め。
「…合流なんてさせる気はありません、ってか」
 どうやら一筋縄ではいかせてくれないらしかった。

    ▽ ▲ ▽ ▲ ▽

「…はぁ」
 夜狐は自身の左腕に、服の上から強めに包帯を巻くと一つ息をついた。
 完全に骨折している。ついでに巨漢と床の間に挟まれたときに、巨漢の足裏と一緒に自分の腕も刀で深く抉ってしまったので、戦闘が終わっても血が止まる気配はなかった、
 応急処置とも言えないような出来映えだが、彼にとっては血さえ止まればどうでもよかった。痛みには元々、慣れている。
 一応力は入るが、感覚がない。どれだけ使えるかはわからないが、やれるだけはやらねばと刀を持ってみたり少し動かしてみたりして準備運動をする。その度に激痛が走っている筈だが、ほんの少し眉をひそめるだけで特に痛がる様子は見せなかった。
 また藍にぐちぐち言われるかなぁ、香澄ちゃんが責任感じないと良いけど──と、そんなことを考えながら彼は立ち上がった。巨漢の恨みはとうに蒸発しきっており、核だけがぽつんと床で鈍い光を放っている。
 それを拾い上げ、あぁそういえば親御さんの恨み、香澄ちゃんに預けたままだったな──などと考えながらなかなかに禍々しい核をポーチに突っ込んだ。
 空き教室から外に出て、辺りを軽く見回す。その視界に誰かが映ることはない。ただ静かで冷たい廊下が映っているだけであった。
 さて、どうしたものかと夜狐は首を捻った。合流するにはここに留まっているのが最善と言えるだろう。だがじっとしているのは性に合わない。
 どっちにしろあの猫又は自分の居場所は分かっているはずだ。式神は、いわば主人の体の一部なのだ。式神には主人の見ている視界が見えるし、聞いている音が聞こえる。思考だって、双方が望めば共有可能だ。万が一の時すぐに助けに入れるように。主人にとって最善の選択を言われずともできるように。
「よし。じっとするのやーめた」
 そう言ってへらっ、と笑うと彼は鼻歌交じりに歩きだした。とても左腕が折れているとは思えない軽い足取りである。途中、ふと思い立ったように刀を鞘から抜いて鞘を捨てた。片腕がまともに使えない状態では素早く抜刀ができないと判断したのだろう、カラン、と無機質な音が鳴った。
 数百年続けたこの仕事の知識を使って、本体がいそうな場所を脳内でリストアップする。長年の勘、と言うやつだ。と、そのリストの中に一つ嫌な可能性を見つける。しかしすぐに首を振った。まさかそんな、とその可能性を頭から消す。
 少し歩くと、早速彼の目に花型の恨みが映った。引きが強いとでも言っておこうか。
「ねェねェ知ってる?三組の健一君って──」
「ねェねェ知ってる?一組の莉子さんって──」
 そいつらは皆、口々に噂を喋りあっている。今こうして噂をされている彼らは、もうじき噂に踊らされた奴らに狙われるだろう。
 しかし夜狐は大して焦った様子は見せなかった。なぜなら、こいつらは個体としては決して強くないのだから。
 人間には守護霊がいる。
 強い弱いはそれこそ個体差だが、これだけ弱い恨みなら団体となって襲わない限り、大抵の守護霊に跳ね除けられるだろう。
 幸い噂の恨みは特定の誰かを襲っていると言うわけではなく、無差別に適当な人を襲うタイプのようだ。ならやはり団体となって襲いに行くと言うことは考えにくい。放っておけばいつか人を殺すことは事実だが、血相変えて刀を振るうほど緊急性は要さないだろう。
 そう判断した夜狐はキィキィ騒ぐそいつらを無視することにした。本体を倒すのが最優先事項、こんなところで時間を食っている場合ではない──
 そう考えながら恨みの横を通り過ぎる。だが、それに恨みが気づかないはずもなかった。
 花達が一斉に夜狐の方を向いた。まるで規則正しく太陽の方を向く、少し狂気じみた向日葵のように。
「桂、夜狐」
 花は彼の名前を口にした。
 一瞬の空白の後、その場にいた恨み全員が大口を開けて騒ぎ出す。
「ねェねェ知ってる?夜狐って式神のこと虐待してるんだっテ~!」
「ねェねェ知ってる?夜狐って仕事サボって人に押し付けてばっかりなんだっテ~!」
「ねェねェ知ってる?夜狐って──」
 夜狐本人はその甲高い声を半分聞き流しながら歩みを進めた。ふと、時間差で噂に踊らされた恨みがやってくるのを思い出し、まぁ走れば撒けるかなと足に力を込めかけた瞬間──
「ねェねェ、知ってる?」
 いつものフレーズだった。変わらない、変わりようもない、耳が痛くなるような高い声。

「夜狐って『鈴音りんねの狐』って呼ばれてるんだっテ」
 
 夜狐がその言葉に反応した。
 右手に持った鞘のついていない刀をグルンと回し、先刻のセリフを口にした花──左側の壁に向かって鋭い突きを放つ。赤く半透明の花弁が貫かれた。無論だが刀は壁を突き抜け、一見すれば花が壁に縫い留められている様に見える。
「ギ、ェアッ」
 花弁にはどうやら神経が通っているらしく、痛みに悲鳴をあげる。次の瞬間、夜狐は花を串刺しにした刀を上向きに弧を描く様にして自分の方に持ってきた。折れているはずの左腕で花を刀から引き抜くと一度刀を床に捨てて右手に花を持ち替える。
 それは一瞬の出来事だった。
 花型の恨みは、逃げ出すことが絶望的なこの状況においても笑っていた。そうでなくてはいけないかの様に。
「…なぁんだ」
 夜狐は薄ら笑いを浮かべて囁く。
「君ら、も喋れるんじゃん」
 そうとわかれば予定変更だね、と抵抗できない恨みを指先で少しいじりながら彼はにこっ、と健康的な笑みを浮かべた。
 しかしそれも一瞬の話。
 その笑顔の名残が消えぬ間に指の力が強まる。少し間違えばそのままぐちゃ、と握りつぶされてしまいそうな力加減に恨みは呻き声をあげた。
「君らには、本体がいるでしょう?」
 ぎこちなくも左腕を動かし、左手の指で花弁の一枚に触れる。不本意だったかもしれないが、その手つきは優しかった。
 優しく、慈しみを持って、壊れてしまわないように大事に、大事に──
「ギァッ」
 
「そいつはどこにいる?」
 この恨みはどうやら舌を切断せねば倒せないらしい。それは夜狐も、先ほどまでの戦いで気づいていた。
 逆に言えば、他の部分をどうしようがこいつらは痛いだけでなんてことはないのである。

「吐け」

 平地のように感情の凪いだ低い声が、ただ無機質に響いた。
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