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第四話:始まり
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「……化け物?」
……そんな答えが返ってくるような気はしていた。
でもいざ直接言われてみると…
「十四歳かよ」
「?違うよ、正確な年齢はわからないけど、百歳は超えてるはずだもん!」
「あー、そうかよ悪かったなって百歳!?!?」
ひゃっ…百!?こんな小せえ女の子が百歳!?!?
でもそれは、やはりこの少女が化け物であるという証明なのだろうか。
……いや、でも…
確かにそうとしか言えないかもしれないけど、でも。
「…なあ、お前。今、化学はそういう異能力に恵まれた奴らの手によって大発展した。つまり、俺は化け物なんて非科学的なモンは信じねえし、有り得ねえことがいやってほど証明されてんだよ。それでも、自分が化け物だって言いはんのか?俺が納得出来る説明をしてくれよ」
「異能力の存在は否定しないのに?」
「………ッ」
それを言われては納得せざるを得ない。
苦し紛れに、俺は質問を続ける。
「……で、化け物ってどういうことなんだよ。そういう異能力者ってことか?」
異能力には多種多様な物がある。…こんな異能力者がいてもなにも珍しいことはないし、驚くほどのことでもない。
「いや、多分違う。あたしは元から化け物だったんだと…思う」
少女は――女郎蜘蛛は自分の体を指さして言った。
「多分って…それ、確証がないってことか?じゃあ、化け物じゃないって可能性も…」
「ううん、それは有り得ないよ。それだけはわかる」
「あたしが普通の人間なはずがない」
「…そうか」
そこまではっきり言われては、否定する余地もない。
ならばとりあえずこの件はこれでいい。他にも聞きたいことは山ほどある。一度後回しにして…
「じゃあ、お前は――」
「ちょっと待ってよ!貴方ばっかりしゃべってずるい!あたしだって聞きたいことたくさんあるのに!」
「おっ、おう…悪いな」
やべえ、自己中野郎になってしまった。こういうところが友達が出来ない原因だろうか、よし泣こう。
…単純に無能力者だからなんだろうけどな。
「えーと、じゃあまず貴方の名前はなんていうの?」
え、そんな基本的なとこからか?この状況で?
「正直まだ真咲って呼んじゃいそうで」
それは困る。
「…真里だ、蓮田谷真里。出来れば下の名前で呼んでくれ」
「『はすだや』かあ…やっぱり」
女郎蜘蛛はぶつぶつと何かを呟いている。
……やっぱり?
「ねえ、漢字は?名前の漢字はどうかくの?」
「は、はあ?漢字は……真っ当の『真』に里帰りの『里』だよ、文句あるか」
小学生の時はこの漢字だと『まり』って読めるからってからかわれた。いやな思い出だ。
こいつもそんなことを言うのだろうか?…いや、どうだろう。そもそも漢字を聞いてきた意味がわからないし…
…やめよう。何でも疑ってかかるのは俺の悪い癖だ。
「『真里』かあ…じゃあやっぱり、真咲と同じ意味なんだね」
「………?」
さっきからなんなんだろう?この少女は――女郎蜘蛛と名乗った化け物は、何を考えている?
「おい、何をぶつぶつと――」
「まあ、ここであったのも何かの縁だよね」
女郎蜘蛛はそう言うと、おもむろに立ち上がって、俺に手を差し出した。
その姿はさっきまでとなにも変わっていないはずなのに、なぜか俺には輝いて見えた。
その姿はまるで、俺を救いに来てくれたヒーローのような――いや、もっと――
神様のように思えた。
「蓮田谷真里。貴方の願いを叶えてあげる」
これが――
これが全ての始まりだった。
狂気渦巻くこの世界に、正しい秩序が再び生まれるまでの――
――世界は、もう一度―――
……そんな答えが返ってくるような気はしていた。
でもいざ直接言われてみると…
「十四歳かよ」
「?違うよ、正確な年齢はわからないけど、百歳は超えてるはずだもん!」
「あー、そうかよ悪かったなって百歳!?!?」
ひゃっ…百!?こんな小せえ女の子が百歳!?!?
でもそれは、やはりこの少女が化け物であるという証明なのだろうか。
……いや、でも…
確かにそうとしか言えないかもしれないけど、でも。
「…なあ、お前。今、化学はそういう異能力に恵まれた奴らの手によって大発展した。つまり、俺は化け物なんて非科学的なモンは信じねえし、有り得ねえことがいやってほど証明されてんだよ。それでも、自分が化け物だって言いはんのか?俺が納得出来る説明をしてくれよ」
「異能力の存在は否定しないのに?」
「………ッ」
それを言われては納得せざるを得ない。
苦し紛れに、俺は質問を続ける。
「……で、化け物ってどういうことなんだよ。そういう異能力者ってことか?」
異能力には多種多様な物がある。…こんな異能力者がいてもなにも珍しいことはないし、驚くほどのことでもない。
「いや、多分違う。あたしは元から化け物だったんだと…思う」
少女は――女郎蜘蛛は自分の体を指さして言った。
「多分って…それ、確証がないってことか?じゃあ、化け物じゃないって可能性も…」
「ううん、それは有り得ないよ。それだけはわかる」
「あたしが普通の人間なはずがない」
「…そうか」
そこまではっきり言われては、否定する余地もない。
ならばとりあえずこの件はこれでいい。他にも聞きたいことは山ほどある。一度後回しにして…
「じゃあ、お前は――」
「ちょっと待ってよ!貴方ばっかりしゃべってずるい!あたしだって聞きたいことたくさんあるのに!」
「おっ、おう…悪いな」
やべえ、自己中野郎になってしまった。こういうところが友達が出来ない原因だろうか、よし泣こう。
…単純に無能力者だからなんだろうけどな。
「えーと、じゃあまず貴方の名前はなんていうの?」
え、そんな基本的なとこからか?この状況で?
「正直まだ真咲って呼んじゃいそうで」
それは困る。
「…真里だ、蓮田谷真里。出来れば下の名前で呼んでくれ」
「『はすだや』かあ…やっぱり」
女郎蜘蛛はぶつぶつと何かを呟いている。
……やっぱり?
「ねえ、漢字は?名前の漢字はどうかくの?」
「は、はあ?漢字は……真っ当の『真』に里帰りの『里』だよ、文句あるか」
小学生の時はこの漢字だと『まり』って読めるからってからかわれた。いやな思い出だ。
こいつもそんなことを言うのだろうか?…いや、どうだろう。そもそも漢字を聞いてきた意味がわからないし…
…やめよう。何でも疑ってかかるのは俺の悪い癖だ。
「『真里』かあ…じゃあやっぱり、真咲と同じ意味なんだね」
「………?」
さっきからなんなんだろう?この少女は――女郎蜘蛛と名乗った化け物は、何を考えている?
「おい、何をぶつぶつと――」
「まあ、ここであったのも何かの縁だよね」
女郎蜘蛛はそう言うと、おもむろに立ち上がって、俺に手を差し出した。
その姿はさっきまでとなにも変わっていないはずなのに、なぜか俺には輝いて見えた。
その姿はまるで、俺を救いに来てくれたヒーローのような――いや、もっと――
神様のように思えた。
「蓮田谷真里。貴方の願いを叶えてあげる」
これが――
これが全ての始まりだった。
狂気渦巻くこの世界に、正しい秩序が再び生まれるまでの――
――世界は、もう一度―――
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