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第五話:もう一人、もう一つ
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「貴方の願いを、叶えてあげる」
女郎蜘蛛はそう言って、俺に手を差し出して微笑んだ。
「……は…?願いって、お前………そもそも何で、そんなこと…」
「言ったでしょ、ここであったのも何かの縁だよ。貴方、『蓮田谷真里』なんでしょう?」
「だったらなんだってんだ!お前はさっきから、一体何を……」
「真里、貴方はね、真咲の子孫なんだよ」
「っ…………は?」
唐突な報告に、俺はしばらく呆然とする。
「真咲の名字は『蓮田谷』だった。漢字も真里と同じ、真っ当の真に咲くだったんだよ」
……蓮田谷家は長い歴史のある家だ。こいつが本当に百年以上生きてるとすると、たしかに蓮田谷家の人間と接触していてもおかしくない。
それにさっき、こいつは俺を例の『真咲』だと勘違いした。それほど俺と真咲が似てたってことだ。
だが、それがなんだ?
それが、俺の願いを叶える理由になると言うのか?
それを聞くよりも早く、女郎蜘蛛が先に口を開いた。
「あたしにはやらなきゃいけないことがある。真咲のために、成し遂げなくちゃいけないことがある。だからあたしは真里の願いを叶えるの――今までだって何度も頑張ったけど、全部失敗に終わってしまったから」
女郎蜘蛛は少し暗い顔をしたが、その後すぐに満面の笑みを浮かべて言った。
「でも、真里はなんだか――違う気がするの。だって真咲とそっくりなんだもの!真里なら、きっと――」
そこまで言うと、女郎蜘蛛は一度口を閉じた。そしてしばらく口の中で言葉を転がし、再び口を開く。
「さあ、言って。真里の願いを」
……胡散臭いといったら、それまでだろう。
でも、それでも俺は――藁にもすがる思いだったんだ。
賭けるしかない。そう思って俺はここに来たんだ。
じゃあこいつを、自らを化け物だと名乗ったこいつを、信じるしかないだろうが!
「願いは……俺の、願いは………ッ」
体が震えた。今、やっと、俺が半ば諦めていた願いが叶うのかと思うと喉が無意識のうちに締まるような感覚がした。
「俺に、異能力を与えてくれ!」
それさえあれば俺は、もう泣かなくていいんだ。もう汚え言葉でこっちから人を遠ざけなくてもいいんだ。
それさえあれば、俺にだって人権が与えられるんだ!!
――障害者基本法などの制度は設けるくせに、俺たちのような無能力者に対する制度は、この世界には用意されていない。
理由は簡単。そんな人間の数が少なすぎるからだ。
蓮田谷家以外の人間にも、極々稀に生まれつきの無能力者が誕生したりするらしいが…
そういうのは、人間として認められない。
言ってみれば、自分の体から化け物が出て来たという感覚なのだろう。
だからそういった無能力者は、基本的に迷わず殺される。
蓮田谷家の人間は皆、無能力者が生まれるとわかっているから生まれた子供を殺すことはしない。
でも、生きていたところでなんだと言うんだ。
誰からも期待されずに蔑まれながら生きるくらいなら、いっそ死んだ方が――
こんな世界は、くそ食らえだ。
だが世界を変えるよりは、己を変える方が容易いはずだから。
これでようやく、俺にも希望が―――
「………異能力、か…」
女郎蜘蛛は俺に一歩近づき、俺の額に手をかざした。
そして--
ビシッ!
「いったあ!?!?」
おでこに強烈な痛みが走る。ジンジンする!痛い!!これは…でこぴんか!?でも何で……
「それはだあ~めっ!」
…………………………………。
ちょっと待ってくれ。思考が追い付かない。
なんだって?ソレハダメ?それはだめ…だめ………
「ッはあ!?!?」
なんっ……だそりゃあ!!
「だめ。それだけはだめだよ。異能力なんてそんなもの、どうして欲しがるの。あげられないよ」
「何でそんなゲーム機をほしがる子供に説教する母親みたいな言い方すんだよ!?いやそんなことはどうでもいい!お前さっき願い叶えるって言ったよなあ!?!?」
……いや。
俺はそこで一つの可能性に気づき、自らの勝利を確信した。
「……ははーん?ひょっとしてお前、実は願いを叶える力なんてなくて…ただ俺にかっこつけたかっただけなんじゃねえのか?」
「なっ!?!?」
女郎蜘蛛は顔を真っ赤にして体をこわばらせ、大きく見開いた目で俺を睨んだ。
「そうなると、てめえが化け物っつうのも怪しいなあ~?」
「ちっ、違うもん!ちゃんと願いは叶えられるし、あたしは化け物なの!人間なんかじゃないの!あたしは――」
「ハイハイ、じゃあ証明して見せろよ、お前が願いを叶えられるってこと。ついでにお前が化け物ってことも!」
大人げない?何を言う。これは希望をあっけなく潰されてしまった俺にとって、正当な行為だ。
「ほらどうした?証明しろよ、俺に異能力を与えてみろ!それができたら信じてやっても――」
「だからあっ、それは出来ないの!やっちゃいけないの!蓮田谷家の人間に異能力を与えるなんてことしたら…それに、あたしには真咲との約束だって…」
女郎蜘蛛はもにょもにょとよくわからないことを口走り、オロオロと周囲を見回すような仕草をする。
ふっ、言い訳か?見苦しいな。
「ったく、お前の悪ふざけに付き合うこっちの身にもなってくれよ。大体、一瞬でも信じた俺が馬鹿だった――」
「…………ふぐぇ……」
ん?ふぐぇ?なんだ、どこの言語だ?
そう思って、うつむいた女郎蜘蛛の顔をのぞき込む。
「…………あっ」
女郎蜘蛛は、その大きくて真っ赤な目から、ボロボロと大粒の涙を――
「あ″ーーーっ悪かった!ごめんな!ちょっ、泣くなって!なんか俺が滅茶苦茶悪い奴みたいじゃん!」
実際そう…?いやそんな訳ねえ!俺は善良な男子高校生だ!
「ごめんごめん、わかった信じるから!うんうん、女郎蜘蛛なんだもんなー!化け物なんだもんなー!願い事叶えられるんだもんな?信じる信じる信じますからもう泣くなってえーーーー!!!!!」
その後、女郎蜘蛛を泣き止ませるのにそれなりの時間がかかったことは、言うまでもない。
* * *
「真里のばか」
女郎蜘蛛は鼻をすすりながらそう言った。
「……悪かったって。でもお前も十分悪いってことわかっとけよ?」
全く。子供って世話が焼けるよなあ…。
そりゃ悪かったとは思ってるが、正直本気で異能力を欲しがっていた俺にあの発言はない。あれはたとえ仏様でもキレるだろう。
「でも、やっぱまだお前を化け物だと思える証拠は、正直に言ってまだ足りないと思うんだが」
「……そう?」
女郎蜘蛛はようやく鼻をすするのをやめ、まだうっすら涙ぐんでいた目も正常に戻っていた。
「じゃああたし、真里に化け物だって認めて貰うためにこの家粉々にするから見てて!」
「ふむふむなるほどぶっ飛ばすぞお前」
一応俺らの土地!!!俺らの先祖の家!!!
「つーか家粉々くらいなら、レベル高え異能力者は皆余裕だろ?」
「むう、そっか…」
そう言うと女郎蜘蛛は少し考える仕草をする。
「わかった!じゃあ真里に女郎さんを見せてあげる!そしたらきっと、あたしが化け物だってわかると思うから…」
?女郎さん?…見せる?
女郎蜘蛛の上の部分をとった名前?
どういうことなんだ、と聞く前に女郎蜘蛛は行動に出ていた。
「んんーーっ…」
「……?」
女郎蜘蛛は空に手を向けて何かを引き寄せるように腕を伸ばす。
……ビキッ。
女郎蜘蛛の血管が膨張する。
「………ッ!?」
ビキビキビキビキビキッ……
彼女の小さな体が、どんどんどんどん大きくなって――
彼女の面影はもう、どこにもない。
「…何をそんな幽霊でも見たような目ェしてんだい、アンタは――」
その女性は、女郎蜘蛛より身長があった。少なく見積もっても三十センチメートルは高く、顔立ちも二十代後半に見える。
和服の色だって、女郎蜘蛛は白が基準だったが、この女性は黒が基準にされていて…女郎蜘蛛とは全てが違う。
だがどこかが同じだ。
根っこにある部分。あいつとこいつの一番深い部分が、繋がっているような。
この、全く別人な二人が同じ細胞から出来ているような気がしてならない。
「アタシのこと、女郎蜘蛛から多少聞いてないのかい?…言っとくけどアタシは、アンタに対してあのくそガキみたいに懐いたりしないからね」
…いや、どういう仕組みだよ馬鹿!!
女郎蜘蛛はそう言って、俺に手を差し出して微笑んだ。
「……は…?願いって、お前………そもそも何で、そんなこと…」
「言ったでしょ、ここであったのも何かの縁だよ。貴方、『蓮田谷真里』なんでしょう?」
「だったらなんだってんだ!お前はさっきから、一体何を……」
「真里、貴方はね、真咲の子孫なんだよ」
「っ…………は?」
唐突な報告に、俺はしばらく呆然とする。
「真咲の名字は『蓮田谷』だった。漢字も真里と同じ、真っ当の真に咲くだったんだよ」
……蓮田谷家は長い歴史のある家だ。こいつが本当に百年以上生きてるとすると、たしかに蓮田谷家の人間と接触していてもおかしくない。
それにさっき、こいつは俺を例の『真咲』だと勘違いした。それほど俺と真咲が似てたってことだ。
だが、それがなんだ?
それが、俺の願いを叶える理由になると言うのか?
それを聞くよりも早く、女郎蜘蛛が先に口を開いた。
「あたしにはやらなきゃいけないことがある。真咲のために、成し遂げなくちゃいけないことがある。だからあたしは真里の願いを叶えるの――今までだって何度も頑張ったけど、全部失敗に終わってしまったから」
女郎蜘蛛は少し暗い顔をしたが、その後すぐに満面の笑みを浮かべて言った。
「でも、真里はなんだか――違う気がするの。だって真咲とそっくりなんだもの!真里なら、きっと――」
そこまで言うと、女郎蜘蛛は一度口を閉じた。そしてしばらく口の中で言葉を転がし、再び口を開く。
「さあ、言って。真里の願いを」
……胡散臭いといったら、それまでだろう。
でも、それでも俺は――藁にもすがる思いだったんだ。
賭けるしかない。そう思って俺はここに来たんだ。
じゃあこいつを、自らを化け物だと名乗ったこいつを、信じるしかないだろうが!
「願いは……俺の、願いは………ッ」
体が震えた。今、やっと、俺が半ば諦めていた願いが叶うのかと思うと喉が無意識のうちに締まるような感覚がした。
「俺に、異能力を与えてくれ!」
それさえあれば俺は、もう泣かなくていいんだ。もう汚え言葉でこっちから人を遠ざけなくてもいいんだ。
それさえあれば、俺にだって人権が与えられるんだ!!
――障害者基本法などの制度は設けるくせに、俺たちのような無能力者に対する制度は、この世界には用意されていない。
理由は簡単。そんな人間の数が少なすぎるからだ。
蓮田谷家以外の人間にも、極々稀に生まれつきの無能力者が誕生したりするらしいが…
そういうのは、人間として認められない。
言ってみれば、自分の体から化け物が出て来たという感覚なのだろう。
だからそういった無能力者は、基本的に迷わず殺される。
蓮田谷家の人間は皆、無能力者が生まれるとわかっているから生まれた子供を殺すことはしない。
でも、生きていたところでなんだと言うんだ。
誰からも期待されずに蔑まれながら生きるくらいなら、いっそ死んだ方が――
こんな世界は、くそ食らえだ。
だが世界を変えるよりは、己を変える方が容易いはずだから。
これでようやく、俺にも希望が―――
「………異能力、か…」
女郎蜘蛛は俺に一歩近づき、俺の額に手をかざした。
そして--
ビシッ!
「いったあ!?!?」
おでこに強烈な痛みが走る。ジンジンする!痛い!!これは…でこぴんか!?でも何で……
「それはだあ~めっ!」
…………………………………。
ちょっと待ってくれ。思考が追い付かない。
なんだって?ソレハダメ?それはだめ…だめ………
「ッはあ!?!?」
なんっ……だそりゃあ!!
「だめ。それだけはだめだよ。異能力なんてそんなもの、どうして欲しがるの。あげられないよ」
「何でそんなゲーム機をほしがる子供に説教する母親みたいな言い方すんだよ!?いやそんなことはどうでもいい!お前さっき願い叶えるって言ったよなあ!?!?」
……いや。
俺はそこで一つの可能性に気づき、自らの勝利を確信した。
「……ははーん?ひょっとしてお前、実は願いを叶える力なんてなくて…ただ俺にかっこつけたかっただけなんじゃねえのか?」
「なっ!?!?」
女郎蜘蛛は顔を真っ赤にして体をこわばらせ、大きく見開いた目で俺を睨んだ。
「そうなると、てめえが化け物っつうのも怪しいなあ~?」
「ちっ、違うもん!ちゃんと願いは叶えられるし、あたしは化け物なの!人間なんかじゃないの!あたしは――」
「ハイハイ、じゃあ証明して見せろよ、お前が願いを叶えられるってこと。ついでにお前が化け物ってことも!」
大人げない?何を言う。これは希望をあっけなく潰されてしまった俺にとって、正当な行為だ。
「ほらどうした?証明しろよ、俺に異能力を与えてみろ!それができたら信じてやっても――」
「だからあっ、それは出来ないの!やっちゃいけないの!蓮田谷家の人間に異能力を与えるなんてことしたら…それに、あたしには真咲との約束だって…」
女郎蜘蛛はもにょもにょとよくわからないことを口走り、オロオロと周囲を見回すような仕草をする。
ふっ、言い訳か?見苦しいな。
「ったく、お前の悪ふざけに付き合うこっちの身にもなってくれよ。大体、一瞬でも信じた俺が馬鹿だった――」
「…………ふぐぇ……」
ん?ふぐぇ?なんだ、どこの言語だ?
そう思って、うつむいた女郎蜘蛛の顔をのぞき込む。
「…………あっ」
女郎蜘蛛は、その大きくて真っ赤な目から、ボロボロと大粒の涙を――
「あ″ーーーっ悪かった!ごめんな!ちょっ、泣くなって!なんか俺が滅茶苦茶悪い奴みたいじゃん!」
実際そう…?いやそんな訳ねえ!俺は善良な男子高校生だ!
「ごめんごめん、わかった信じるから!うんうん、女郎蜘蛛なんだもんなー!化け物なんだもんなー!願い事叶えられるんだもんな?信じる信じる信じますからもう泣くなってえーーーー!!!!!」
その後、女郎蜘蛛を泣き止ませるのにそれなりの時間がかかったことは、言うまでもない。
* * *
「真里のばか」
女郎蜘蛛は鼻をすすりながらそう言った。
「……悪かったって。でもお前も十分悪いってことわかっとけよ?」
全く。子供って世話が焼けるよなあ…。
そりゃ悪かったとは思ってるが、正直本気で異能力を欲しがっていた俺にあの発言はない。あれはたとえ仏様でもキレるだろう。
「でも、やっぱまだお前を化け物だと思える証拠は、正直に言ってまだ足りないと思うんだが」
「……そう?」
女郎蜘蛛はようやく鼻をすするのをやめ、まだうっすら涙ぐんでいた目も正常に戻っていた。
「じゃああたし、真里に化け物だって認めて貰うためにこの家粉々にするから見てて!」
「ふむふむなるほどぶっ飛ばすぞお前」
一応俺らの土地!!!俺らの先祖の家!!!
「つーか家粉々くらいなら、レベル高え異能力者は皆余裕だろ?」
「むう、そっか…」
そう言うと女郎蜘蛛は少し考える仕草をする。
「わかった!じゃあ真里に女郎さんを見せてあげる!そしたらきっと、あたしが化け物だってわかると思うから…」
?女郎さん?…見せる?
女郎蜘蛛の上の部分をとった名前?
どういうことなんだ、と聞く前に女郎蜘蛛は行動に出ていた。
「んんーーっ…」
「……?」
女郎蜘蛛は空に手を向けて何かを引き寄せるように腕を伸ばす。
……ビキッ。
女郎蜘蛛の血管が膨張する。
「………ッ!?」
ビキビキビキビキビキッ……
彼女の小さな体が、どんどんどんどん大きくなって――
彼女の面影はもう、どこにもない。
「…何をそんな幽霊でも見たような目ェしてんだい、アンタは――」
その女性は、女郎蜘蛛より身長があった。少なく見積もっても三十センチメートルは高く、顔立ちも二十代後半に見える。
和服の色だって、女郎蜘蛛は白が基準だったが、この女性は黒が基準にされていて…女郎蜘蛛とは全てが違う。
だがどこかが同じだ。
根っこにある部分。あいつとこいつの一番深い部分が、繋がっているような。
この、全く別人な二人が同じ細胞から出来ているような気がしてならない。
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…いや、どういう仕組みだよ馬鹿!!
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