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黒砂糖デニーロ

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第一章

第六話 決闘

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 ボブさんによって路上の魔属の躯が撤去される間、審判資格所有者のトキワさんの元、アオイとガーネットさんの両者にルールが説明される。
 もっとも、決闘のルールはそんなに多くはなく、制約と禁則事項と勝敗の条件の説明くらいだ。要約すると、

 1.能力使用には周囲環境への配慮をし、それが守られない場合は反則負けとする。

 2.相手の殺害は禁止。勝敗は片方のギブアップ、もしくは戦闘不能で決する。

 3.戦闘不能とは著しい負傷のなどの他、聖剣の破壊や喪失など、片方に著しい戦力の差がついた場合で、審判の判断によって決着とする。

 4.その他、決闘の続行が不可能と審判が判断した場合、決闘は中断、もしくは中止とする。

「……と、以上が決闘における最低限のルールとなります。続きまして、両者ハンディキャップについての確認をいたします」
「ハンディキャップ、ですか?」
「はい。一例を申しますと、アオイ様とガーネットお嬢様はクラスが違います。下位クラスの勇者はハンディキャップとして従属一名の加勢が認められます」
 なるほど。言われてみれば確かに納得できることだ。勇者と言っても、その実力や経歴は様々だ。駆け出しとベテランでは実戦経験に差があるし、聖剣や能力の有無によっても戦力に大きく開きが出る。
「そんなのはいらん。私は一人でいい」
「ですが今申した以外にも――」
「いいからさっさとはじめろ」
 今、アオイの頭にあるのは、ガーネットさんと戦い勝利することだけだろう。ハンデ付きの勝利に意味は無いなんて考えてるに決まってる。
 ちらりとガーネットさんに視線を送るトキワさん。ガーネットさんは黙って頷き了承の意思を伝える。
「それではハンディについては双方合意したものとみなします。両者、準備を整えてください」
「本当にいけるの?アオイ」
 位置につくアオイに心配の声をかける。アオイはまだコンディションが万全ではないはずだ。おそらく魔属の大群以上に強敵であろうガーネットさんを相手にするには心許ない気がする。
「大丈夫だ。すぐに終わる」
 だが、返すアオイの口ぶりは何か確信めいたものが感じられた。
「それでは、勇者法第二一条に則り、ガーネット・ヴァーミリオンとアオイ・イリスの決闘を行う」
 トキワさんの号令で、間合いを置いて対峙する両者は戦闘態勢に入る。ガーネットさんは剣を鞘に収め、腕を組んだまま自然体で佇む。余裕の構えだ。
 アオイの方は身を沈めつつ前傾姿勢となりつつ、剣の柄に手をかける。
「……始め!」
 開始の声が耳に届くと同時に、アオイの姿は光の残滓だけを残して掻き消える。
 僕は何事が起きたのかわからず、周囲に目を巡らす。
 ガーネットさんだけはアオイの動きを正確に捉えていたようだ。彼女は首を傾け、半顔を背後に向けていた。
 そこにはガーネットさんに背を向けたアオイがいた。その手にはベルカではない、一振りの剣が握られている。
「聖剣の喪失は戦闘不能扱い、だろ?」
 それは、ガーネットさんの聖剣だった。見れば確かに、先ほどまで鞘に収められていたガーネットさんの聖剣が無かった。
 彼女は粒子加速によって高速で駆け、すれ違いざまにガーネットさんの聖剣をかすめ取っていったのだ。
「なるほど!ルールを利用するなんて、アオイにしては考えたね!」
 アオイの成長に、僕は涙すら流しそうになる。普段からこれだけ頭が働けば、僕の苦労もどれだけ減ることか。
「お前の負けだ。さぁ泣いて謝れ。額を地面に擦り付けて」
「何を馬鹿なことを。負けたなんていつ、誰がおっしゃいました?」
「いや、ルールだろ」と、呆れ顔のアオイ。しかし、ガーネットさんは冗談を言っているようには見えないし、悔し紛れの負け惜しみとも思えない。
 僕は審判でもあるトキワさんの方を仰ぎ見ると、トキワさんは静かに首を横に振り、まだ勝負が決していないことを示した。
「負け認めないと返してやらんぞ」
「ええ構いませんわ。なんでしたら差し上げてもよくってよ」
「ほ、本当ですか!いいんですね!?よぉし!早速分解して構造解析だ!あとで返せって言っても返せませんからね!」
「落ち着けレン。本気にするな」
 おっと。魅力的な言葉に、危うく惑わされるところだった。
「素手でも私に勝てるって言いたいのか?」
「そこまで見くびってはいませんわ。私の武器はその一つだけではないっていうことですわ……ボブ!」
「Yes,Boss」
 短く答えたボブさんは背負っていたハードケースを地面に下ろす。長身な彼とほぼ同じ大きさのそのケースがバクンっと左右に開くと同時に、無数の刀剣がせり出す。
「まさか……これ全部聖剣!?」
「左様です」とトキワさん。大小様々な聖剣に僕はうっとりと思わず見とれてしまう。一度にこれほどの数の聖剣を視界に入れたのは、生まれて初めてだ。
「それは性能評価のための試作品。携行する一五本の聖剣のうちの一本に過ぎませんわ」
「多すぎるだろ!もはやありがたみの欠片もねぇな」
 呆れ顔のクロウ。確かに個人ではありえない所有数だけど、彼女がヴァーミリオン社の令嬢だと考えれば納得もできる。
 ヴァーミリオン社は、聖剣の製作を担うメーカーなのだ。
 勇者の活動支援を経営方針の柱の一つに掲げているヴァーミリオン社は、勇者にとって無くてはならない聖剣の開発・製造を経営の主軸とし、もっとも注力している企業。聖剣メーカーとしては後発ながら、これまで数々の名剣を生み出し、勇者の戦いを支え続けてきた。
 現代型聖剣のトップブランドに名を連ねるヴァーミリオン社の社長令嬢ともなれば、試作聖剣の二本や三本を持ち歩くなど当たり前なのだろうか。
「そうね……[Λラムダ]がいいかしら」
 短くそう告げると、ボブさんはハードケースに収められていた一つを取り出し、ガーネットさんに投げて寄越す。
「あなたを相手にするなら、これがちょうどいいですわね」
 言いながらその聖剣[Λラムダ]を鞘から抜き、ビュンビュンと巧みに振り回し、具合を確認する。
 その聖剣は先程の長剣とは真逆の、くの字に湾曲した短剣で、ククリナイフと呼ばれる軍刀に似た形状をしている。
「ボブ、[グリーム]も」
 さらなるリクエストに、ボブさんはケース底面に帯状に並ぶ円筒の一つを投げる。
 拳に収まるほどコンパクトなそれは、一見すると剣には見えない。
「VWS-081C[グリーム]。私を媒介に発生した熱エネルギーで刀身を形成する、非実体型聖剣ですわ」
 興味津々な僕の様子を見て取ったガーネットさんが、ご丁寧に説明してくれる。
 柄を握り込むと、カチっというスイッチ音と共に、ガスバーナーの炎のような青白い刀身が現れる。五〇センチほどに伸びた刀身周囲の空気が高温で揺らめいている。
 二振りの聖剣の具合を確かめると、[Λラムダ]を逆手に、[グリーム]を順手に構える。
「実力では勝てないと踏んでの奇策だったのなら、ご愁傷様ね。素直に降参するのが賢明でしてよ」
「するか、バカ」
 悪態をつきながら、アオイは粒子加速で一気に肉薄。ガーネットさんの胴目掛けて[ベルカ]を抜き放つ。
 聖剣を取れたところから察するに、ガーネットさんはアオイのスピードに反応できない――そんな僕の甘い読みはどうやら間違いだった。
「粒子の爆発による反動で加速を得る。なかなかおもしろい能力ですわね」
 まるで余裕を崩さない口調のガーネットさん。その手に握った[Λラムダ]で、[ベルカ]を受け止めていた。
 一瞬の交錯でアオイの能力に加え戦法まで見抜くガーネットさんの鋭い観察眼には驚嘆を禁じえない。
 ガーネットさんの言う通り、アオイは変質させた〈L粒子〉を足元に展開している。そして踏み込むと同時に〈L粒子〉が起爆し、文字通り爆発的な超加速を可能としている。
 彼女は間違いなく実戦を多く経験した本物の勇者だ。やはりクラス:ネクストは伊達じゃない。
「だからなんだ!」
 アオイはさらに粒子加速でガーネットさんの脇を抜け、背後から切っ先を突き出す。
 ガーネットさんの背中目掛けて繰り出された[ベルカ]はしかし、何の前触れもなく急角度で軌道を逸らしたかと思うと、肩に担がれた[Λラムダ]の刀身に激突した。
 疑問と驚愕の入り混じった表情で自分の腕を凝視するアオイ。
「言い忘れてましたわね。[Λラムダ]は局所的な空間歪曲を発生させる。剣筋を歪める程度、造作もありませんわ」
「空間歪曲!?そんなことが!?」
「いかに速くても、来るとわかっている攻撃なら、いくらでも対処のしようはあるということよ。覚えておきなさい」
 ガーネットさんの言葉はにわかには信じられなかったが、実際に目の前で起こった事象が証明している。空間歪曲すら可能にするなんて、恐るべしヴァーミリオン社の技術力だ。
「あなたの覚悟が虚勢でないことを祈りますわ」
 ガーネットさんは不敵な笑みを浮かべると、[ベルカ]を巧みに受け流しつつ体を回転させ、背後のアオイめがけ[グリーム]を横薙ぎに払う。
 身を逸らしたアオイの眼前を[グリーム]の刃が過ぎり、前髪の先をわずかに焼き焦がしていく。
 今度は真上から振り下ろされる[Λラムダ]の剣先に、アオイは[ベルカ]を掲げて防ぐ。膝を屈するほどの重い衝撃に、歯を食いしばった口から苦鳴が漏れる。
 と、真横から迫る熱波を感じ取り、とっさに[Λラムダ]を押し返して[ベルカ]を縦に構える。
 そこに迫る[グリーム]の刀身。実体を持たない[グリーム]の刀身は[ベルカ]の防御をすり抜け、アオイの甲冑を炙った。
「今は出力を抑えていますが、本来であれば魔属の甲殻を焼き切るほどの力を有しています。これはアオイ様の大きな失点となります」
 トキワさんが淡々と告げる。あくまで模擬戦であるこの決闘においては、本来致命傷になりうるような攻撃を受ければ大きなマイナスポイントとなる。
 こういった一手一手がポイントとなって勝敗を分けるだけでなく、一定回数重なれば試合終了となってしまう。
 胸に感じた熱さよりも、食らってしまった自分の舌打ちするアオイ。思わず一歩後退したその瞬間を好機とばかりに、ガーネットさんが烈火のごとく攻め立てる。
 実体剣と非実体剣による巧みな剣捌きは、アオイに安易な防御を許さない。特に、刀身を持たない[グリーム]は受け流しや鍔迫り合いができないため、戦いのリズムを著しく狂わされる。
 かといって[グリーム]に意識を向けてしまえば[Λラムダ]の攻撃を防ぎきれない。
「無理に組み合っちゃダメだよ!距離を取ってヒット・アンド・アウェイで攻めるんだ!」
 僕は熱くなりかけているアオイにアドバイスする。
 機動性に関しては〈L粒子〉による加速があるアオイに一日の長がある。粒子加速である時は橋の上を縦横無尽に駆け、またある時は軽いフットワークで右へ左へと不規則に体を振り、ガーネットさんを撹乱しながら、一瞬の隙を見ては果敢に懐に潜り込む。
 目にも留まらぬアオイの高速機動からの攻撃は、本来であれば必殺の一撃になりうるが、ガーネットさんの[Λラムダ]による空間歪曲がそれを許さない。何より、ガーネットさんの動体視力は、アオイを見失いはしなかった。
 攻撃を逸らすとほぼ同時にカウンターで[グリーム]を繰り出すも、その時すでにアオイは再び距離を取っていた。
 互いに決め手を欠きながらの攻防が繰り返され、場は膠着の様相を見せる。
 このまま地道な戦いが続くかに思われたが、そこに変化をもたらしたのはガーネットさんだった。
「逃げ足だけは一人前ね。なら、まずはその足をいただこうかしら?」
 言いながらガーネットさんは腕を振りかぶる。その意図は分からないが、その隙にアオイは素早く攻勢に転じ、一気にガーネットさんに迫る。
 そのアオイが突如、急制動をかけ、真後ろに飛び退ったのと、ガーネットさんが腕を振り下ろしたのはほぼ同時だった。
 瞬間、アオイの太ももを何かが貫いた。アオイの動きに合わせ、血の筋が宙に線を引く。
「“魔弾”に気付き、とっさに回避に入ったのは褒めて差し上げますわ。もっとも、それも一瞬遅かったようですけど」
「魔弾だと……?」
 おどろおどろしい物言いにアオイは訝しげな表情を作る。
「私の“魔弾”はどこまでもあなたを追い、確実に射抜きますわ」
「魔弾……彼女の"DEEP能力"か!?」
 アオイが〈L粒子〉を生み出せるように、"DEEP"はすべての勇者が有している。
 原初勇者時代から確認されている"DEEP"は、現代においては実に多種多様な能力が発現されている。クラス:ネクストのガーネットさんなら、どんな能力を持っていても不思議なことじゃない。
「そんなところでのんびり立ち止まっていていいのかしら?あなたはすでに魔弾の射程内にいますのよ?」
 言いながらピッと指差すガーネットさんに、アオイは弾かれたようにその場を飛び退く。直後、魔弾は右足の具足を掠め、一瞬火花を散らす。アオイは不可視の攻撃に捕捉されないよう、とにかく動き回る。
「無駄なあがきですわね」
 その一言と共に、魔弾はアオイの左足の膝を射抜いた。姿勢を崩し、前のめりに転倒してしまう。なんとか受け身を取りながら瞬時に立ち上がるも、その隙を狙いすまし、剣を振りかぶった状態のガーネットさんが背後に回っていた。
 肌に感じた風圧で攻撃を察知したアオイは反射的に全身を前に投げ出す。そのすぐ後で斬撃が地面に激突。まるで爆撃のような衝撃が鉄橋の路面を抉り、破片がアオイの背中を打つ。
「その逃げ足の良さも、いつまで持ちますかしら」
 舌で上唇を舐めるガーネットさんの嗜虐の表情は、思わずぞくりとさせられる。
 見たところ、威力そのものはアオイにとってそれほど脅威ではない。甲冑を貫くほどの威力は無いようだし、貫かれた箇所も〈L粒子〉によって瞬時に回復をしている。
 が、足を射抜かれれば一瞬であろうと動きが停止し、体勢を崩してしまう。ガーネットさん相手に一瞬とはいえ足を止められることは致命的な隙となり得る。
 なんとか紙一重で防げているが、それが打ち崩されるのももはや時間の問題だ。
「いったいどういう性質の能力なんだ!?指先から出てるのか?いや、あの動作がなくてもアオイは撃たれた。視覚に連動しているのか?思念具象の一種とも考え……」
「いや、そんな複雑なものじゃない」
 と、隣に立つギンが短く言う。これまでただ静かに傍観していたギンだが、今は鋭い眼差しを向けていた。
「どういうこと、ギン?」
 僕の問いには答えず、だた黙して戦いを注視していた。
「ぐあぁっ!」
 さらに問い詰めようとした時、アオイの苦鳴が響く。力で押し返されたアオイが、後方に吹き飛ばされていた。
 持ち前のバランス感覚でアオイは両足を踏ん張り、転倒を防ぐと、そのまま飛び出さんと右足を強く踏みしめる。が、膝と肩を撃ち抜かれ体はバランスを失い、体勢を大きく崩してしまう。
 それでも膝立ちの体勢で切っ先を持ち上げ、なんとかガーネットさんを牽制したのは、実戦で染み付いた半ば反射的な動きだった。
 ガーネットさんは肉食獣の如き足取りで、アオイの周囲を悠然と歩く。
「そろそろ降参したらどうなのかしら?弱者は弱者らしく強者にひれ伏すものよ」
「嫌だ!」
 震える足を叱咤して立ち上がったアオイは気を吐く。まだ些かも闘志が衰えていない様子のアオイに、ガーネットさんは呆れたようにため息をつく。
「ならひれ伏させるまでね――跪きなさい」
 ガーネットさんはまた指をアオイに付きつける。不可視の魔弾は、身構えるアオイの穿たれる――かに思われた。
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