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第三章
第二十一話 閑話休題
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ガーネットさんを見送り、ガルスラボを後にした僕たちは本来のミッションである、勇者失踪事件の究明に取りかかることにした。
まだ瓦礫の残る道を行きながら、僕は投げかける。
「差し当たって今、僕達には手がかりは二つある。何だと思う?」
するとアオイがぴっと手を挙げる。
「アーネストたちが拠点にしていたホテルがあるってラーキンが言っていた」
「うん、そうだね。じゃあもう一つはわかるかな?」
思い当たる節が無く、首を傾げるアオイに「ケイン君だよ」と告げる。けれどもアオイはますます困惑した様子だった。
「これまで失踪した勇者はいずれもガルスでミッションに当たっていた。ごく最近までね。で、ケイン君もブラインの一件以前からガルスでミッションに従事してた」
「つまり、最新のガルスでの事情を知っている、ということか」
「なら話は早ェ。さっさと両方に当たっていこうぜ」
「もちろんそのつもりなんだけどね。ただ、ケイン君が今どこにいるかはわからないんだよね。アーネストのホテルの場所も近いわけじゃないし、どっちから当たろうか……」
ディスプレイに表示されたマップに示されたホテルまでの経路を見比べ思案しながら言うと、「なんだ。そんなことか」と横からの声。
「別に全員で行く必要はないだろ?俺が行ってこよう」
と、ギンがそんなことを提案してきた。
「何か記録らしいものを回収してくればいいのだろう?難しいことじゃない」
「いや、そうは言うけどね。ホテルはネスト化した区域に近くて、まだ危険な場所なんだよ?さすがに一人じゃ……」
「なら尚の事、大所帯で行くよりも少人数で素早く行ったほうがいい。仮に魔属に遭遇しても逃げるくらいの心得はあるつもりだ」
いつもの不敵な笑みを作りながら、なんでもない事のように言う。ギンは逃げるとは言ってるけど、彼の技量であれば小規模の下級種程度なら返り討ちにしてしまうに違いない。少なくとも戦闘では足手まといの僕なんかが着いて行くよりも確かに効率的かもしれない。
「へっへっへ。なんだギン。最近影が薄いから手柄を立てて名誉挽回を図ろうってか?地味で根暗なキャラはこういうところで地道に点数を稼がないとすぐリストラされちまうから大変だな?!」
と、そのギンの背後から挑発するような声。この場でそんなことを言い出すのは一人しかいない。
「地味で根暗でも、筋肉だけで頭が空っぽな馬鹿よりはリストラ候補が上ではないと思うがな」
「口だけなら何とでも言えるが、そいつを決めるのはオメェじゃねぇぜ」
「いや、お前がリストラ候補最有力だから」
アオイにバッサリと一刀両断され、一瞬「ぐっ……」と言葉に詰まる。
「そ、そいつは不当な評価だ。このユニットのキーパーソンであるオレ様が不要だという真っ当な理由を簡潔に述べよ!」
「お前は暑苦しいしやかましいし頭悪いし、キモいし、キショいし、グロいし。見ているだけで不快だ」
「へっ!お前のそのテの発言は聞き飽きたぜ。毎回毎回同じようなことを言っても言葉の重みってやつが――」
「って昨日、レンが言ってた」
「お願いしますレン様ァ!わたくしめもぜひ、ギンに同行させてください!某にも起死回生の機会をお与えくださいませぇぇぇ!」
「いやいやいや!僕そんな事言ってないから!必死過ぎて一人称が変わっちゃってるよ!」
僕の名前が出たとたんに目にも留まらぬ早さで土下座をしだすクロウ。人目もはばからず額を地面に擦り付けて懇願する親友の姿は痛々しくて見ていられない。
「お前が視界に入る度にレンはいつも汚物を見るような目で小さく舌打ちしてたのを私はいつも見てた」
「僕どんだけ感じ悪いやつなんだよ!……って、いやいや。クロウもそんなガタガタ震えないで!全部嘘だから!」
僕がどんなに言葉を尽くしても、許可しないと頭すら上げてくれない勢いだ。僕はちらりとギンに視線を送ると、肩を釣り上げて「好きにしてくれ」とジェスチャーで返してくる。
まぁクロウも一緒に行ってくれるなら万が一ということもないか。
「じゃ、じゃあクロウも行ってくれる?」
そう言うとガバっと顔を上げ、まるで僕の後ろに神か仏でも見たかのように希望に表情を明るくさせた。
「ありがたき幸せ!ご恩に報いるよう拙者、必ずや有益な手がかりを掴んでまいりまする!御免!」
そう言葉を残すと一人、土煙を上げながら走っていく。ちなみにホテルの方向は全く逆だ。
「……それじゃあ行ってくる」
お互いに苦笑いを浮かべながら顔を見合わせた後、ギンはそう言ってクロウの後を追いかけていった。
「あんなに必死な姿を見るとさすがに引くな」
「焚きつけた本人が言わないでよ……」
ケイン君はおそらく、都市に展開している掃討部隊のどれかに随行し魔属掃討を行っていると予想してたけど、それは外れだった。結局ケイン君を見つけることができたのは、都市の外れにある軍の仮設拠点の一つであった。
「これはアオイさん、レンさん」
「やぁケイン君にヒルダさん……と、アルベルト?」
これはまた珍しい組み合わせだ。
顔こそ合わせていなかったもののアルベルトも怪我から回復すると僕らやケイン君同様に魔属掃討戦に参加していたのは知っている。任務完了になった今、てっきりガルスからは出ていったものと思っていた。
相変わらず不機嫌そうにこちらを睨み、「俺がいちゃ悪ィのかよ?」と因縁をつけてくる。面倒だから適当に無視しておこう。
見たところケイン君ら三人とも完全武装をし、荷物の積み込みや兵士と打ち合わせをしている最中だったようだ。
「なんだか慌ただしいね?何かあったの?」
「はい。実は国連軍から緊急の指示がありまして」
「緊急?軍から?」
「ええ。ここから近い廃都に魔属群の反応を探知したとのことで。おそらく、ガルスを脱した魔属と周辺に生息する魔属が合流しているのではないかと」
そんな話は初耳だ。その話が本当なら、アオイにだけ話が来ないのは不自然だ。
「正確な規模がわからないから、あくまで今回は偵察が主って話よ。あなた達の出番はその後じゃないかしら?」
僕が首を傾げていると、そうヒルダさんが付け加える。
「まぁ確かにそう考えることもできるけど……」
「ま、少数精鋭ってこったな。お前らみたいな喜劇団はお呼びじゃないんだよ」
「一体どこからその自信が来るんだか……」
僕が呆れていると、トコトコと歩み出たアオイはただ黙ってアルベルトの顔を凝視する。挑発したのに、別に噛み付くわけでも何か不満そうなわけでもない様子のアオイに、アルベルトも狙いが外れて当惑してしまう。
そんなアルベルトに、アオイは懇願するように言う。
「いいか?くれぐれも気を付けてくれ。お前の身に何かあったら……」
「お、お前、まさか俺のことを……?」
心配そうな表情のアオイを目の前に、アルベルトが顔を赤らめ照れくさそうにはにかむ。
「いや、こん中で一番足引っ張りそうなのはお前だからな。何かあったらケインの迷惑になる」
「気を付けろってそういう意味かよ!そりゃご親切にありがとうございますこのド畜生が!」
アオイの正直な意見にアルベルトは声を荒げる。まぁそんなところだろうとは思ったけどね。
「それで、僕に何か御用でしたか?」
「ああ。そうなんだ。ちょっと聞きたいことがあって」
僕が早速話を聞こうと口を開きかけると、「時間がありません。お急ぎを」と、背後から現れた兵士に声をかけられる。
装備と、肩に貼られたエンブレムから見るにグリュー軍所属の兵ではなく、カスパール社の傭兵だ。察するに、今回も正規軍に代わってケイン君らのミッションを支援するために随行するのだろう。
しかし、あの勇者嫌いなマーレ氏が勇者との共同作戦をよく許可したものだ。先の一見で心変わりした……なんて思えないけど。
生真面目なケイン君は「えっと……」と困った様子で僕と兵士さんを交互に見遣る。
「急いでるとこごめんね。こっちはいいからミッションを優先して。話は帰ってからででも」
僕にも事の重要性は理解できる。もし本当に魔属が集結しているなら、時間を浪費して事態を悪化させる訳にはいかない。
「申し訳ありません。帰って来ましたら真っ先に伺いますので!」
どこまでも礼儀正しいケイン君はそう言葉を残しながら、いそいそと車に乗り込む。乗り込んだ後も、こちらに何度も頭を下げるケイン君と運転席から軽く手を振るヒルダさん。そしてその後部座席でムッツリ顔のアルベルト。
僕たちは無事を祈りながら三人を乗せた車を見送った。
他に手がかりもないので、とりあえずはギンたちの帰りを待つとしよう。
まだ瓦礫の残る道を行きながら、僕は投げかける。
「差し当たって今、僕達には手がかりは二つある。何だと思う?」
するとアオイがぴっと手を挙げる。
「アーネストたちが拠点にしていたホテルがあるってラーキンが言っていた」
「うん、そうだね。じゃあもう一つはわかるかな?」
思い当たる節が無く、首を傾げるアオイに「ケイン君だよ」と告げる。けれどもアオイはますます困惑した様子だった。
「これまで失踪した勇者はいずれもガルスでミッションに当たっていた。ごく最近までね。で、ケイン君もブラインの一件以前からガルスでミッションに従事してた」
「つまり、最新のガルスでの事情を知っている、ということか」
「なら話は早ェ。さっさと両方に当たっていこうぜ」
「もちろんそのつもりなんだけどね。ただ、ケイン君が今どこにいるかはわからないんだよね。アーネストのホテルの場所も近いわけじゃないし、どっちから当たろうか……」
ディスプレイに表示されたマップに示されたホテルまでの経路を見比べ思案しながら言うと、「なんだ。そんなことか」と横からの声。
「別に全員で行く必要はないだろ?俺が行ってこよう」
と、ギンがそんなことを提案してきた。
「何か記録らしいものを回収してくればいいのだろう?難しいことじゃない」
「いや、そうは言うけどね。ホテルはネスト化した区域に近くて、まだ危険な場所なんだよ?さすがに一人じゃ……」
「なら尚の事、大所帯で行くよりも少人数で素早く行ったほうがいい。仮に魔属に遭遇しても逃げるくらいの心得はあるつもりだ」
いつもの不敵な笑みを作りながら、なんでもない事のように言う。ギンは逃げるとは言ってるけど、彼の技量であれば小規模の下級種程度なら返り討ちにしてしまうに違いない。少なくとも戦闘では足手まといの僕なんかが着いて行くよりも確かに効率的かもしれない。
「へっへっへ。なんだギン。最近影が薄いから手柄を立てて名誉挽回を図ろうってか?地味で根暗なキャラはこういうところで地道に点数を稼がないとすぐリストラされちまうから大変だな?!」
と、そのギンの背後から挑発するような声。この場でそんなことを言い出すのは一人しかいない。
「地味で根暗でも、筋肉だけで頭が空っぽな馬鹿よりはリストラ候補が上ではないと思うがな」
「口だけなら何とでも言えるが、そいつを決めるのはオメェじゃねぇぜ」
「いや、お前がリストラ候補最有力だから」
アオイにバッサリと一刀両断され、一瞬「ぐっ……」と言葉に詰まる。
「そ、そいつは不当な評価だ。このユニットのキーパーソンであるオレ様が不要だという真っ当な理由を簡潔に述べよ!」
「お前は暑苦しいしやかましいし頭悪いし、キモいし、キショいし、グロいし。見ているだけで不快だ」
「へっ!お前のそのテの発言は聞き飽きたぜ。毎回毎回同じようなことを言っても言葉の重みってやつが――」
「って昨日、レンが言ってた」
「お願いしますレン様ァ!わたくしめもぜひ、ギンに同行させてください!某にも起死回生の機会をお与えくださいませぇぇぇ!」
「いやいやいや!僕そんな事言ってないから!必死過ぎて一人称が変わっちゃってるよ!」
僕の名前が出たとたんに目にも留まらぬ早さで土下座をしだすクロウ。人目もはばからず額を地面に擦り付けて懇願する親友の姿は痛々しくて見ていられない。
「お前が視界に入る度にレンはいつも汚物を見るような目で小さく舌打ちしてたのを私はいつも見てた」
「僕どんだけ感じ悪いやつなんだよ!……って、いやいや。クロウもそんなガタガタ震えないで!全部嘘だから!」
僕がどんなに言葉を尽くしても、許可しないと頭すら上げてくれない勢いだ。僕はちらりとギンに視線を送ると、肩を釣り上げて「好きにしてくれ」とジェスチャーで返してくる。
まぁクロウも一緒に行ってくれるなら万が一ということもないか。
「じゃ、じゃあクロウも行ってくれる?」
そう言うとガバっと顔を上げ、まるで僕の後ろに神か仏でも見たかのように希望に表情を明るくさせた。
「ありがたき幸せ!ご恩に報いるよう拙者、必ずや有益な手がかりを掴んでまいりまする!御免!」
そう言葉を残すと一人、土煙を上げながら走っていく。ちなみにホテルの方向は全く逆だ。
「……それじゃあ行ってくる」
お互いに苦笑いを浮かべながら顔を見合わせた後、ギンはそう言ってクロウの後を追いかけていった。
「あんなに必死な姿を見るとさすがに引くな」
「焚きつけた本人が言わないでよ……」
ケイン君はおそらく、都市に展開している掃討部隊のどれかに随行し魔属掃討を行っていると予想してたけど、それは外れだった。結局ケイン君を見つけることができたのは、都市の外れにある軍の仮設拠点の一つであった。
「これはアオイさん、レンさん」
「やぁケイン君にヒルダさん……と、アルベルト?」
これはまた珍しい組み合わせだ。
顔こそ合わせていなかったもののアルベルトも怪我から回復すると僕らやケイン君同様に魔属掃討戦に参加していたのは知っている。任務完了になった今、てっきりガルスからは出ていったものと思っていた。
相変わらず不機嫌そうにこちらを睨み、「俺がいちゃ悪ィのかよ?」と因縁をつけてくる。面倒だから適当に無視しておこう。
見たところケイン君ら三人とも完全武装をし、荷物の積み込みや兵士と打ち合わせをしている最中だったようだ。
「なんだか慌ただしいね?何かあったの?」
「はい。実は国連軍から緊急の指示がありまして」
「緊急?軍から?」
「ええ。ここから近い廃都に魔属群の反応を探知したとのことで。おそらく、ガルスを脱した魔属と周辺に生息する魔属が合流しているのではないかと」
そんな話は初耳だ。その話が本当なら、アオイにだけ話が来ないのは不自然だ。
「正確な規模がわからないから、あくまで今回は偵察が主って話よ。あなた達の出番はその後じゃないかしら?」
僕が首を傾げていると、そうヒルダさんが付け加える。
「まぁ確かにそう考えることもできるけど……」
「ま、少数精鋭ってこったな。お前らみたいな喜劇団はお呼びじゃないんだよ」
「一体どこからその自信が来るんだか……」
僕が呆れていると、トコトコと歩み出たアオイはただ黙ってアルベルトの顔を凝視する。挑発したのに、別に噛み付くわけでも何か不満そうなわけでもない様子のアオイに、アルベルトも狙いが外れて当惑してしまう。
そんなアルベルトに、アオイは懇願するように言う。
「いいか?くれぐれも気を付けてくれ。お前の身に何かあったら……」
「お、お前、まさか俺のことを……?」
心配そうな表情のアオイを目の前に、アルベルトが顔を赤らめ照れくさそうにはにかむ。
「いや、こん中で一番足引っ張りそうなのはお前だからな。何かあったらケインの迷惑になる」
「気を付けろってそういう意味かよ!そりゃご親切にありがとうございますこのド畜生が!」
アオイの正直な意見にアルベルトは声を荒げる。まぁそんなところだろうとは思ったけどね。
「それで、僕に何か御用でしたか?」
「ああ。そうなんだ。ちょっと聞きたいことがあって」
僕が早速話を聞こうと口を開きかけると、「時間がありません。お急ぎを」と、背後から現れた兵士に声をかけられる。
装備と、肩に貼られたエンブレムから見るにグリュー軍所属の兵ではなく、カスパール社の傭兵だ。察するに、今回も正規軍に代わってケイン君らのミッションを支援するために随行するのだろう。
しかし、あの勇者嫌いなマーレ氏が勇者との共同作戦をよく許可したものだ。先の一見で心変わりした……なんて思えないけど。
生真面目なケイン君は「えっと……」と困った様子で僕と兵士さんを交互に見遣る。
「急いでるとこごめんね。こっちはいいからミッションを優先して。話は帰ってからででも」
僕にも事の重要性は理解できる。もし本当に魔属が集結しているなら、時間を浪費して事態を悪化させる訳にはいかない。
「申し訳ありません。帰って来ましたら真っ先に伺いますので!」
どこまでも礼儀正しいケイン君はそう言葉を残しながら、いそいそと車に乗り込む。乗り込んだ後も、こちらに何度も頭を下げるケイン君と運転席から軽く手を振るヒルダさん。そしてその後部座席でムッツリ顔のアルベルト。
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