Pop Step

慰弦

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- 18章 -

- 違和感 -

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「えっ、何それなに笑顔?」

「いや、なに笑顔って言われても…」


『なんか笑われるような事言ったか?』

やはり自分が誰かの相談に乗るなんて身の丈以上の事だったのだろうか?
自分なりに精一杯頭を巡らせたつもりであったが…笑われるほど変な回答だったのかもと思うと些か自信もなくす。

『…いや、なんであれ笑顔に出来たんだし、これはこれで良かったのか?』

悶々と考えを巡らせている市ノ瀬を変わらぬ笑顔で見つめていた安積であったが、見つめていたのは別に困らせたい訳ではなかった。


「凄いなぁって思って」

「…は?何が?」

「お前がだよ」


そう言うと、冷めきってしまった紅茶を一口含み、緊張で乾いていた口内を潤してから一つ大きく深呼吸をした。


「本当、お前の言う通りだよ。誰かを羨んだり妬ましく思ってばっかりで、特別を作っていくなんて考えてもなかった…失くなっていく物を失くしたくないって駄々こねて、自分ではなんもしないのに相手には攻撃的になって、そんで悲しくなって落ち込んで、問題の前進どころか後退して、どうしようも出来なくなってお前にまで迷惑かけて…」

「いや、迷惑とは…思ってはない」


なんの笑顔で

今その目にうっすらと浮かんでいる涙は
なんの涙なのか

訳が分からない事ばかりだ。


「特別で居たいって思ってるのは誰でもない俺自身だし、それなら俺が努力しなきゃいけないのは当たり前だよな。なんで、こんな簡単な事気が付かなかったんだろ」

「…まぁ、ほら、あるだろ、そういう時も」


気の利いた慰めが思いつかず、なんだか適当な返事になってしまった。語彙力のなさに落ち込みそうだ。否、落ち込んだ。現在進行形だ。


「だからさ。ありがと、睦月。気づかせてくれて。自分の事だけで手一杯で誰かに嫌な想いさせる前に気づかせてくれて助かった。お前、すごいよ」

「別に…そんなに凄くないし」

「いや、そこ認めてくれないと俺がちょー駄目な奴になっちゃうじゃん。認めてよそこはw」


相談に乗るのもそれに感謝されるのもほぼ初めてで、むずがゆい上に反応にも困る。そのせいで更に紅茶を飲むペースが早くなるのを自覚するがどうにもならない。


「最初はさ、お前の事我儘で自分勝手で人の傷つくことも平気でやる最低な奴だって思ってたんだけど」

「…悪かったな」

「でもさ、一緒に行動するうちに色々見えてきて…自分の夢とか、その為の目標もしっかり持ってて、口だけじゃなくてそれに向かって努力もしてて。…軽率にクソな事やらかすけど自分のしたことはわりと冷静に見えてるし」

「悪かったって…」
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