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- 24章 -
- クレープ -
しおりを挟む「ねぇ!これ旨そうじゃねっ!?」
「ん? あー、良いな。うまそう」
「でもこっちも気になるなぁー…睦月はなにするか決めた??」
「あー、俺?」
班乃と別れた後、例のクレープ店まで来た2人は長い列に並びつつHPでメニューをチェックしていた。最初こそ緊張を感じさせる面持ちをしつつあまりの女性客の多さに戸惑っていた安積だったが、今は面影もないくらいに生き生きとしてメニュー選びに熱心になっている。
良い意味でも周りを気にしない市ノ瀬にとっては女性客の多さなど気にも止めることではなかったし、むしろ最早安積以外は眼中にもない。
「俺はチョコバナナ一択」
「即答っ!?そんなチョコバナナ好きなん?」
「好きだけど、凄い好きというか、初めて来た店ではまずチョコバナナって決めてんだよ」
「なにそれっw なんで?」
「チョコバナナ旨い店は大抵全部旨い」
「なんだそれっ!!でもなんとなく分かる気がする!!」
今まで考えもしなかったことだけれど、そう言われればそう思えてくるから不思議だ。しかしだからといって、こんなにも目移りする程のメニューがあるのに同じチョコバナナを頼むのは勿体ない気がしてしまってー…
『…悩みすぎじゃね?』
列も2/3ほど進んだというのに隣でいまだ熱心にメニューとにらめっこしながら決めかねている安積からは順番が来てもまだ悩んでる未来しか見えない。
『ほんと、なにするにも一生懸命なやつだ…』
もちろん、そこも好きの1つなんだけど。
しかし決められないまま順番がきてしまい時間に迫られ取りあえずで決めたもので後悔でもしたら可哀想だ。自業自得と言えばそうなのだけれど、そうならないように手助け出来るのならする以外の選択肢はない。
「決まったか?」
「うーん……4つまで絞ったとこ!!」
「どれ?」
「アイス系だと、イチゴアイスとハニーアイスで迷ってて、クリーム系だと、チョコバナナとイチゴチョコ…あっ、でもベリーベリーってのも気になるな!! あー、でもカスタード系も美味しそうなんだよなぁー。あっ、これも旨そう!!スイートポテトだって!!」
『………4つとは?』
どうやら絞った先から興味そそる物が目に入ってしまい、食べたいものがドンドンとっ散らかってしまっているようだ。興味津々すぎるのも大変そうだなぁーとどこか他人事のように眺める市ノ瀬だったが、注文の列は待ってくれない。安積の要望を耳に入れつつ今一度メニューへと目を落とすと、丁度良さそうなのを見つけ指差した。
「…イチゴチョコバナナってのもあるぞ?イチゴチョコとチョコバナナで迷ってんならこれで良くね?」
「えっ!?どこどこ!?ホントだ!?頭良いっ!!」
「……そりゃどーも。取りあえずアイスかクリーム系で絞れば?変わり種は置いといてさ。それは次来た時頼めば良いだろ」
「……次?」
「来ねぇの?」
「来るっ!!」
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