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- 27章 -
- 謹賀新年-
しおりを挟む「えっ、待って!めっちゃ狸!!」
「おぉ、まじだ、めっちゃ狸ww」
「すげぇ、葉っぱとか、なんか…あれ、鰻掬うかごみたいなの持ってるのも居る!なんでっ!?」
「成田は鰻が名物らしいですからね」
「なる程っ!」
市ノ瀬と並び歩き会話に花を咲かせながらも、振り返り後ろを歩く班乃へもどんどんと話題が振られていく。それはとても小さいことで安積自身意識してそうして居るのかは分からないけれど、それだけでも存在を認知してくれているのだと感じられ心に喜びという花を咲かせていく。
もし市ノ瀬を好きになった事で自分に引け目を感じ気まずくなってしまったら…
班乃の心中そんな不安が渦巻いていたのだけれど、どうやらそれは杞憂で終わってくれたようだ。
そもそも人一倍他人を気にかける安積には、そんな心配をする事事態が不必要だったかもしれない。
「あっ、がっくん、ドジョウっ!!」
「…ドジョウ?鰻じゃなくて?」
「そう、ドジョウ!すっごい、わらわら居るっ!」
そんなどこかほのぼのとした演劇部の後ろでは、木で出来た大きめの樽に食用だろう鰌が所狭しと泳ぐのを見つけた植野が興味津々と覗き込んでいた。そんな植野に釣られるように覗き込んだ鈴橋だったが…
その行動は只でさえ良くない顔色に拍車をかけた。
「ドジョウ……」
「あっ、もしかしてドジョウ苦手だったっ?」
「いや。苦手ではない、けど…小さい頃、水変えようとしてペットのドジョウを排水口に流したの思い出した」
「えっ、排水口っ!?ww」
「4、5匹くらいスルスルっと…茫然自失ってああ言うこと言うんだなって、今になって思う」
植野が地味に鈴橋の地雷を踏みつけ、演劇部の醸し出すほのぼのとした雰囲気と見事反比例したなんとも言えない空気を醸し出していた。
これは知らなければ回避不可な地雷だ…
「なんか…ごめん」
「いや、ほんと、小さい頃の話だし…今は別に…そんな気にしてないし」
「…無事に川までたどり着いてると良いねっ!」
「そうだな…」
ペットとしてならさぞ可愛がって居ただろうに…
幼い鈴橋が自身のうっかりミスで見たその光景に茫然自失とする姿を想像すると、なんだか聞いてる側でさえ居たたまれなくなり過ぎたこととは言えやるせない気持ちになってしまうには十分な出来事だった。
「おぉ!見て睦月っ! すげぇ!!鰻捌いてる!」
「うわぁ…まじだ。…痛そ」
「気持ちいいほどスコンといくなっ!手際すごっ!」
「気持ちいいって…」
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