やせ男とアイちゃん

こんさん

文字の大きさ
6 / 6

やせ男とアイちゃん その6

しおりを挟む
えっ?アイちゃんが泣いてる?

恐る恐る、遠巻きに回り込む。

ふむ、よく見えない。もっと近づかなくては

って、ほぼ真横だけど…

むむっ?気づいてない。アイちゃんらしくないぞ

突然、アイちゃんがこっちを向く

驚いた孝志は、思わず後退りして、マシンに足を取られ尻餅をつく

アイちゃんはマシンから降りると、やや間があって

「何やってるんですか」

いつもの口調だ

「あぁ、いやぁ、今日も来てたんだねー」

「ダメですか?」

「いや、全然良いんだけどさ」

「なんかあった?」

「なんかって、なんですか?」

「いや、泣いてるのかなぁ、なんて思っちゃって」

「泣いてちゃだめですか?」

って、泣いてたんかい!

「えっ、なんで泣いてるの?」

「言わないとダメですか?」

「い…いや、ダメではないけど…」

「じゃぁ言わないでおきます」

言わないのかい!

「加藤さんには一切関係ないので」

(分かってるわ、それくらい)

「失礼します」

あ~なんだろう。とにかくなんかムカつく。

あ~腹が立つ。何なんだよ。あの女。

ひょっとして、本当にアンドロイドじゃないのか?

あの喋り方。短いセリフ。

そもそも感情というか、抑揚がなさすぎる。

あの馬のような、しなやかな身体も怪しい。

何もかもが怪しいぞ。

これは確かめるしかない!





翌日

「おはようございます」

いつも通りの、毎日の始まり。

さて、本物の人間でないならば、きっと皮膚が硬いはず。
だってアンドロイドは基本、金属製なはずだ。

「おはようございます」

アイちゃんだ。
いつもの様に、いつもの場所に座って、コーヒーを飲んでいる。
よし。
フレンドリー作戦実行!
そっと肩に手を置いて、硬さを調査してみよう。

「なにしてるんですか?」

うん?
うわっ!
思わず、アイちゃんのすぐ横で、凝視してた。

「お…おはようございます」
「昨日はどうも」

「…」

なんか言えよ~
良し、フレンドリー作戦発動だ!

「い…いやぁ…大丈夫かな~…なんて思って」

孝志は、何気ないふりをして肩に手を置く。

むむ?温かい…そして柔らかい…おまけにいい匂いもする…

「淫行の次は、セクハラですか?」

アイちゃんの視線が刺さる

「はい?」
「あっ!ち…違いますよ!」

慌てて離れる

「フレンドリーにというか、スキンシップというか」

-あ~もう、何言ってるんだ俺

「ふ~ん」
「私は大丈夫です」

「そ…そうだよね~。そう思ってました。失礼します~」

慌ててトイレに駆け込む。

おかしい。肌は温かかったし、柔らかかったぞ?
しかも、いい匂いまでしているし。
普通の女じゃん。

いやいや、超高性能の可能性も捨て切れない。
でも、超高性能なのに、言葉だけ初期型AIって矛盾してないか?

謎は更に深まった!

続く…
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

この離婚は契約違反です【一話完結】

鏑木 うりこ
恋愛
突然離婚を言い渡されたディーネは静かに消えるのでした。

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

【完結短編】ある公爵令嬢の結婚前日

のま
ファンタジー
クラリスはもうすぐ結婚式を控えた公爵令嬢。 ある日から人生が変わっていったことを思い出しながら自宅での最後のお茶会を楽しむ。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。 いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。 ただし、後のことはどうなっても知りませんよ? * 他サイトでも投稿 * ショートショートです。あっさり終わります

処理中です...