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蛇足編 イェルハルドの恋
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私が恋に落ち愛に目覚めたのは4歳の薄曇りの季節だった。
訳あって母方の実家で暮らし、父上はたまに母上や私たち子供の顔を見にやってくるだけの殿上人だった。
父上がお越しになると母上と一緒にお迎えをするのだが、決して長居はされない。
なぜ共に暮らさないのか、なぜ父上がひっそりと通ってくるのか。
自身の弟を突然攫われて失い探し続ける日々、家族を危険に晒さぬ配慮を幼い子供が知ろうはずもない。
一度だけ父上とお出かけをしてみたい、と下の姉様がぐずったことがある。
「これ以上大切なものを失うことに、私は耐えられない」
父上は膝をつくと私たちを抱きしめて、にこやかだったお顔を曇らせた。
もっと一緒にいたい、と思うことが父上を苦しめる悪いことなのだと幼いながらに理解した。
「お父上を困らせてはなりません」
父上がお帰りになったあと、まだ涙を溜める下の姉様のおぐしを撫でながら、母上がお話してくださった。
父上は王太子様であること、その弟君がいなくなったこと、そして私が父上の跡を継ぐこと。
「わたくしたちは皆でお父上をお支えせねばなりません。そのためにはわたくしたちの誰一人、欠けてはいけないのです」
母上の話すことは子供には少し難しかったが、それ以後父上には甘えてもそれはすべて屋敷の内で行われた。
風花の日生まれた私の4歳の誕生祝に合わせてお越しになった父上が、暖炉の部屋に敷いた絨毯の上に、たくさんのクッションを置いてゴロゴロ転がりながら、私たち全員を一人ずつ抱きしめていった。
「本当に聞き分けの良い子供たち、私の大事な宝物」
父上は母上には内緒だよとおっしゃって、たまにお行儀の悪いおこないをされるが、それらは私たち子供にとって甘美な遊びであった。
「小さな騎士よ、母上のことを私の代わりに守っておくれ」
いつもにこやかなお顔の父上が、真面目なお顔で私の目を見ておっしゃった。
「はい、おうけいたします」
教わったばかりの騎士の礼をしてみれば、父上は私の頭に手を置いて、お前はフロイラインの幼い頃にそっくりだよと撫でてくださった。
フロイライン叔父上の記憶は私にはないが、一度だけお会いしたお祖父様が私の顔を見て、フロイラインと涙を零されたのは憶えている。
ある日、父上と母上がお茶の時間を楽しんでおられるとき、私は父上にお渡し忘れた一枚の紙のことを思い出した。
それは父上を描いたもので、教師に褒められもした、なかなか会心の作であった。
少し開いた扉から覗き込んでみれば、ひとまず3年が一区切りだろう、と父上が母上に話しているのを耳にした。
我々にはその名をもって守るべき義務がある、杳として消息が知れないものはいつか諦めなければいけない、と父上は深いため息をつかれた。
何の話か私には全く分からなかったが、父上も母上も寂しそうで、父上がお越しになったら見て頂こうと手にしていた絵は、ついにその日お渡しできなかった。
花曇りの時、先触れもなく父上が来訪された。
私は2階の子供部屋で本を読んでいたのだが、馬車の音がしたので二人の姉様と窓から覗いて見ていたのだった。
2頭立て馬車が止まると、御者が準備する前に何と馬車の扉を自分で開けた父上が、一人で降り立った。
そして屋敷の方へ向かって走ってきたのだ!
何という不作法、父上でなければきっと執事にひどく叱られることだろう。
だがしかし急ぎ階下に降りお迎えした父上のお顔は、喜びに満ち溢れ輝いているかのようだった。
「フロイラインが戻ったのだ!」
父上が大きな声を上げて両手を掲げた。
母上が大変ようございました、とハンカチーフを父上にそっと手渡した。
それを受け取った父上は、上を向いて両手でお顔を覆ってしまわれた。
お嬢様お坊ちゃまはこちらへと執事に促され、二人の姉様と私は弟の籠を揺らしつつ、客間の一室でお茶を飲み待つことになった。
扉の閉まる前に振り返ると、父上が母上を抱きしめたのが見えた。
目元を赤くした父上がいつも以上にきつい抱擁を残してお帰りになられると、母上が私たちを呼び寄せた。
「明日ここを発ちます、これからはお父上と一緒に暮らしましょうね」
やはり目元を赤く腫らした母上が、寝ている弟の籠を揺らしながら優しく微笑んだ。
「お母様、なぜかおたずねしても?」
上の姉様が母上に尋ねた、普段ならば疑問を口にしてはいけないとたしなめられるところだが、母上は微笑んだまま不思議な話を聞かせてくださった。
「落ち人様がフロイライン様をお助けくださったのです」
「おちびとさまにも、あえるのですか?」
落ち人様!思わぬお名前が母上からでてきて、私は思わず尋ねてしまった。
私の読んでいる本に出てきた落ち人様は、騎士と共に戦って勝利へ導く強き戦士であった。
父上から小さな騎士と呼ばれて以来、私はすっかり騎士の物語に夢中になり、子供向けの絵本を諳んじられるほど何度も読み返していた。
騎士を導く大きな体の戦士、これが私が憧れる落ち人様であった。
「そうですね、落ち人様にお会いできるのも楽しみですね」
騎士の物語に夢中の私を知っている母上は、優しくお顔を綻ばせたまま頷いた。
「おちびと様はせがたかくて、まほうがおじょうずなのよ、わたくしご本でよみましたわ」
「おとうさまといっしょにくらすのですね、おでかけもできるかしら」
上の姉様の絵本は落ち人様が偉大な魔法使いで、姫を救う物語であった。
子供たちだけで遊ぶとき上の姉様は姫役を所望し、私では役不足と偉大な魔法使い役を探すのが、少し厄介だった。
下の姉様はあまり本を好まずとにかく父上が好きなので、一緒に暮らすことに大変満足気だった。
私は記憶にないフロイライン叔父上のことよりも、まだ見ぬ落ち人様への憧れでその夜はなかなか寝付けず、翌日出立した馬車のなかでうたた寝してしまい、降りた先で目にした光景に眠気なぞ飛んだ。
父上と同じ髪の色をしたフロイライン叔父上の横で佇む落ち人様は、大きな体の戦士などではなかった。
上の姉様より少し上くらいのご年齢ではなかろうか、背は叔父上の肩にも届かない黒髪の少年である。
教えられた挨拶をすれば、落ち人様はそれは晴れやかな笑顔を見せてくださった。
「はじめまして、俺はひろきって言います。堅苦しいのは苦手だから、気楽に話してね?」
「はい、あの、ひろき様……」
「俺のことはひろきって呼んで?友達になりたいんだ」
背の高い魔法使いが好きだったはずの上の姉様が、落ち人様とおずおずと会話を始めた。
たくさんお話を聞いておいで、と父上が髪を撫でてくださったので、下の姉様も笑顔である。
私は少し裏切られたような気持ちで、笑って話す落ち人様と二人の姉様を見ていた。
目の前の少年には、騎士と共に長剣を振るうなど到底できそうにない。
しかし落ち人様ならばあるいは、と期待をこめて私は尋ねた。
「ひろき…さまは、きしのように、けんをふるわれますか」
「んー、俺は剣なんて持ったことないんだ、ごめんね?」
落ち人様は私の手を取って、あやすように揺らしながら目線を合わせていた。
その手は母上のようにとても柔らかくて、私はひどく気落ちしたのと同時に胸の辺りがもやもやした。
「それから俺のことは、様なんてつけないで。ひろきって呼んでね」
私は頷くと、ひろきと小さな声で呼んでみた、何か話したかったわけではない。
だが呼ばれた落ち人様は、ん、とこちらを見て続きを待っている様子である。
その黒い瞳が私だけを映しているのが嬉しくて、私も大きく一歩近づいた。
私の青い瞳にも、この人だけが映っているだろうか。
ふいに私の頬を柔らかな両手で包み込み、なあんて可愛らしいんだあ!と落ち人様が白い歯を見せて笑った。
歯を見せて笑うことは不作法である、と教わったが他の誰も気にしていないようだった。
大きな口を開けて笑うのは、とても自然で楽しそうに思えて私も一緒に笑った。
額と額をつけて、これからもたくさん遊ぼうね?と内緒の約束をして、また笑った。
毎朝フロイライン叔父上とひろきは一緒にやって来て、朝食を皆で摂る。
叔父上が仕事に出掛けられたら、ひろきは私たちと共に学んだり遊んだりする。
屋外で剣も持たず同じ動作を繰り返すばかりのひろきを見て、私はなぜ騎士のように訓練をしないのだろうかと不思議に思う、剣を持って振る方がよほど恰好良いのにと。
水を浴びたらしくまだ少し濡れた髪のまま、私たちとお茶を飲むためにやって来たひろきに、そのことを問う。
「剣を扱えない俺が剣を持つって、危ないでしょ?」
「だからきしは、くんれんをするのであろう?」
んー、とひろきは考えて、君は騎士の物語が大好きだったねぇと笑った。
私は騎士のように強き者になりたいのだ、剣を持って母上たちをお守りするのだ。
「前にも言ったけど俺は剣を持ったことがない。そんな俺が剣を持ち多少訓練したとして、剣の扱いに慣れた者に襲われれば、俺はすぐ剣を奪われるだろう」
「それは………」
「君のように幼い頃から剣の扱いに慣れていれば、騎士のように剣を振るうことができるんだと思う。だけど俺は剣を持つことが怖い、剣で人を傷つけることができそうにないんだ」
がっかりさせてごめん、と私の頬を撫でてひろきは言った、君の騎士になれなくてごめんね。
その夜私は初めて父上にお願いごとをした、少し早いけれど大事なことだし、もちろん構わないと許可を得た。
翌日から屋外でのひろきの訓練に私も同行した、同じ教師から教えを請い、同じ動作を繰り返す。
ひろきほどたくさん走ることはできないが、その分護衛騎士に頼んで剣を習った。
剣を扱えぬひろきの代わりに、私が剣を強くすれば良いのだ。
私はひろきに騎士になってもらいたかったのではなかった、私自身がひろきの騎士になりたかったのだと自覚した。
騎士の物語で読んだ騎士が姫を慕う大切な気持ち、というのが私のひろきに対するそれではないかと思った、とすればこれが愛というものなのだろう。
季節が巡り白い息を吐きながら屋外で同じ動作を繰り返すひろきの動きは、最初と比べて素早さがまし洗練されてきた。
流れるような動きからふと止まる動作も、舞ってきた蝶が花弁にそっと乗るかのようであった。
吐いた白い息を身体にまといながら体術の訓練を繰り返すひろきは、まるで舞踏を踊っているように見え私は見惚れた。
「ひろきは美しいだろう」
いつのまにやら横に立っていたフロイライン叔父上がつぶやいた。
見た目の美醜をいうならば、フロイライン叔父上の方が美しいと多くの者が評価するであろう。
だが私は離れたところでひらりと舞うようなひろきを見つめたまま、大きく頷いた。
「はい、とてもうつくしいです。ひろきはこころがうつくしい」
フロイライン叔父上が眉を上げて私を見下ろしたのを、私もできる限り胸をそらせ顔を上げて応える。
「ふふっ、小さいくせにわかっているじゃないか」
「ふろいらいんおじうえこそ」
ははっと笑ったフロイライン叔父上が、父上と同じ金色の髪をかきあげながら、片方の手で私の髪をぐしゃりとかき回した。
乱れた髪を見苦しくないよう自分で整えていると、訓練を終えたひろきが汗を拭きながら歯を見せた。
「ずいぶん仲良しだね、それにしてもよく似ているなぁ……」
フロイライン叔父上が鼻を鳴らしたが、私とて同じ気持ちだ。
どちらがひろきの隣を歩いて屋敷に戻るか牽制し合い、結局ひろきを挟んで三人で並んで戻ることとなった。
ひろきの左手をそっと引っ張れば、手を繋いでくれるのを知っている、微笑み合いながら歩いていれば。
フロイライン叔父上が急にひろきの顎をとり、その右頬に口づけをした。
「ちょっ、子供が見てるからそーゆうのはダメっ!」
「………」
ひろきが空いた右手でフロイライン叔父上の顔ごと逸らした。
屋敷に入りこれから身体を清めるのであろう、繋いだ手を放そうとしたひろきの手を、再度軽く引っ張る。
恥ずかしくもあれど自分の頬を指でついてみせれば、ひろきはあぁ、と笑って私の頬に口づけをくれた。
それを笑顔で見ていたフロイライン叔父上が、私の顎をぐいと持ち上げ、ひろきがたった今唇を触れた場所にぶっちゅと唇を押し当てた。
一瞬前には今宵は顔を清めずに寝ようと考えていたのに、と私は苦い思いで頬を服の袖で拭った。
淡雪が解け私の愛はますます深みを増した。
愛するひとに毎日会えるのだ、どのような努力も惜しまない。
私は5歳になっており、ひろきには及ばないが少し背も伸びた。
訓練の賜物か一年前より凛々しい少年となったひろきに、上の姉様は夢中だ。
上の姉様は8歳、そろそろ社交界のデビューも迫っているのに、私にはひろきがいるから良いのですわと言っている。
ひろきは私のものだと言いたいところだが、残念ながら誰に対してもひろきは分け隔てなく接している。
相変わらずフロイライン叔父上がひろきにベタベタしているが、死にかけたところ命を助けられたそうなので、恩人であるひろきに執着する気持ちも理解はできる。
そんな昼下がり、珍しく暖かいからと庭園の東屋でお茶を飲んでいたとき。
上の姉様がお茶のカップを置くと、唐突にひろきに結婚を申し込んだ。
ひろきは嬉しそうに笑っているが、冗談ではない、私も焦ってしまい思わず結婚を申し込んでいた。
黒い瞳をまん丸にしたあと、二人ともどうもありがとうと礼を言われた。
それは将来結婚を約束するという意味か、上の姉様と私どちらを選ぶのか確認したかったのだが、急に強くなった風にあおられた茶菓子が吹き飛び、話はうやむやになった。
翌日朝食の席でフロイライン叔父上が、ひろきと伴侶であることを明かした。
愛したひとに伴侶がいた、その事実を受け止めきれない私にひろきが更に追い打ちをかけた。
17歳……こちらの世界へ来る前に16歳の誕生日を迎えてすぐだったので、17歳になっているはず、と。
上の姉様と変わらないくらいと思っていたが、私と12年も年齢差があるとは……。
どんなに努力しても年の差は縮められない。
フロイライン叔父上の得意気な顔を見たくなくて、パンの皿だけを見続けた、そうせねば涙が零れてしまいそうだった。
隣の席で上の姉様が母上に慰められているのを聞きながら、私の片恋はふいに終わりを告げた。
季節が2回巡り、7歳となった私の背はぐんと伸び、2~3歳上の貴族令息と変わらぬ体格である。
屋敷のなかだけで過ごすのではなく、同じ程度の貴族令息たちと引き合わされ、切磋琢磨せよと学園に投げ込まれた。
毎日会っていた家族と離れ、何よりそれが愛だと思い込み、引きずっていたひろきと離れたのは良かったのかもしれない。
ひろきに釣り合おうと努力していた私は、学力においても胆力においても上級生に引けをとらず、おかげで恥をかかずにすんでいた。
何より体術を幼き頃から続けていたおかげで、他の者にはない基礎が身についていたらしい。
私が個人的に続けていた体術を見て、いたく感心した剣術の指南役により、学園の剣の習いの前段階として、体術が取り入れられたほどである。
素晴らしいと褒められるほどに、違和感を覚える。
私などまだまだだ、同じ動作を繰り返しても、ひろきの蝶が舞うような美しさには到底かなわない。
外見の美しさを褒められても、それは違うと感じてしまう。
本当の美しさとは、外見などではないのだと私は知っているからだ。
こちらの機嫌を伺うように媚びた笑顔で近づいてくる者たち。
私の傍にいることで、自らの立場が上がると勘違いしている者たち。
自分の努力が足りないことを、人のせいにして貶めようとする者たち。
彼らに対して煩わしさを感じることはないが、それらは私にとって何ひとつ必要ではない。
思い出すのも、できることなら今すぐ会いたいのも、黒髪の凛とした横顔だけ。
離れてもなお、ひろきへの思いは泉のように溢れ、一層愛しさは募った。
家族やひろきと離れて良かったと思うのは、距離を置くことで客観的に見つめ直すことができたからである。
夜に寝付けずひろきのことを思い起こす、黒髪の間からたまに耳が覗くこと、いつも笑っていること、そういえば私はひろきに怒られたことなどなかった。
柔らかかった手は少し硬くなったこと、その手のひらを合わせたとき、互いの手の大きさにあまり差がなかったこと。
フロイライン叔父上のいないとき、たまにねだれば頬に口づけてくれる、その唇の柔らかいこと。
おもむろに腰の辺りへと熱が溜まり、どうしたことかと夜着の上から利き手で抑えれば背筋をぞくりと何かが走った。
そのままやわやわと揉みこめば、ぞくりぞくりと背中が泡立つ感覚があり、あっと声を上げて手を止めた。
固くなった尿道から液体が出ており、夜着をじんわりと濡らしていた。
それが何であるかは本で学び知識があった、精通である。
私はこれがそれかとぼんやりしつつ、冷たくなっていく夜着と固さを失った腰の辺りから手を放し、そのまま眠ってしまった。
学園に同年代の女性はいないし未婚の女性を見かける暇もないのだから、私が精を吐き出すときにひろきを思うことは致し方ないことであろうと思う。
歳を重ねた私に懸想する者もいるらしいが、私にとって必要なことではない。
背中を預けても構わないと信頼のおける友はできたが、愛するひとは相変わらず一人だけである。
あるとき友が恋愛に興味はないのか聞くので、愛するひとがいると素直に答えると、異常な食いつきをみせて洗いざらい話すはめになった。
自分から聞いておいて、聞かなければよかったとつぶやいた友が、その愛は重症だとため息をついた。
私は自分の思いを無理にひろきに押し付けるつもりはない。
もっと大人になれば心のほとんどを占めているあの笑顔を超えて、愛するひとができるのかもしれない。
だが今はまだ、私は夢を見ていてもいいと思う。
フロイライン叔父上と愛するひとは年齢差が8歳、私と愛するひとは年齢差が12歳。
希望がなくはない、と思っている。
もしもこの先、愛するひとがひとりきりになったら、そのときは私が傍にいればよい。
愛したひとに伴侶がいた、私のものにはならないがずっと傍にいることはできる。
愛したひとの愛する世界ごと、私が愛して慈しむ、そのひとがいつもしあわせでいられる国を作ればよい。
訳あって母方の実家で暮らし、父上はたまに母上や私たち子供の顔を見にやってくるだけの殿上人だった。
父上がお越しになると母上と一緒にお迎えをするのだが、決して長居はされない。
なぜ共に暮らさないのか、なぜ父上がひっそりと通ってくるのか。
自身の弟を突然攫われて失い探し続ける日々、家族を危険に晒さぬ配慮を幼い子供が知ろうはずもない。
一度だけ父上とお出かけをしてみたい、と下の姉様がぐずったことがある。
「これ以上大切なものを失うことに、私は耐えられない」
父上は膝をつくと私たちを抱きしめて、にこやかだったお顔を曇らせた。
もっと一緒にいたい、と思うことが父上を苦しめる悪いことなのだと幼いながらに理解した。
「お父上を困らせてはなりません」
父上がお帰りになったあと、まだ涙を溜める下の姉様のおぐしを撫でながら、母上がお話してくださった。
父上は王太子様であること、その弟君がいなくなったこと、そして私が父上の跡を継ぐこと。
「わたくしたちは皆でお父上をお支えせねばなりません。そのためにはわたくしたちの誰一人、欠けてはいけないのです」
母上の話すことは子供には少し難しかったが、それ以後父上には甘えてもそれはすべて屋敷の内で行われた。
風花の日生まれた私の4歳の誕生祝に合わせてお越しになった父上が、暖炉の部屋に敷いた絨毯の上に、たくさんのクッションを置いてゴロゴロ転がりながら、私たち全員を一人ずつ抱きしめていった。
「本当に聞き分けの良い子供たち、私の大事な宝物」
父上は母上には内緒だよとおっしゃって、たまにお行儀の悪いおこないをされるが、それらは私たち子供にとって甘美な遊びであった。
「小さな騎士よ、母上のことを私の代わりに守っておくれ」
いつもにこやかなお顔の父上が、真面目なお顔で私の目を見ておっしゃった。
「はい、おうけいたします」
教わったばかりの騎士の礼をしてみれば、父上は私の頭に手を置いて、お前はフロイラインの幼い頃にそっくりだよと撫でてくださった。
フロイライン叔父上の記憶は私にはないが、一度だけお会いしたお祖父様が私の顔を見て、フロイラインと涙を零されたのは憶えている。
ある日、父上と母上がお茶の時間を楽しんでおられるとき、私は父上にお渡し忘れた一枚の紙のことを思い出した。
それは父上を描いたもので、教師に褒められもした、なかなか会心の作であった。
少し開いた扉から覗き込んでみれば、ひとまず3年が一区切りだろう、と父上が母上に話しているのを耳にした。
我々にはその名をもって守るべき義務がある、杳として消息が知れないものはいつか諦めなければいけない、と父上は深いため息をつかれた。
何の話か私には全く分からなかったが、父上も母上も寂しそうで、父上がお越しになったら見て頂こうと手にしていた絵は、ついにその日お渡しできなかった。
花曇りの時、先触れもなく父上が来訪された。
私は2階の子供部屋で本を読んでいたのだが、馬車の音がしたので二人の姉様と窓から覗いて見ていたのだった。
2頭立て馬車が止まると、御者が準備する前に何と馬車の扉を自分で開けた父上が、一人で降り立った。
そして屋敷の方へ向かって走ってきたのだ!
何という不作法、父上でなければきっと執事にひどく叱られることだろう。
だがしかし急ぎ階下に降りお迎えした父上のお顔は、喜びに満ち溢れ輝いているかのようだった。
「フロイラインが戻ったのだ!」
父上が大きな声を上げて両手を掲げた。
母上が大変ようございました、とハンカチーフを父上にそっと手渡した。
それを受け取った父上は、上を向いて両手でお顔を覆ってしまわれた。
お嬢様お坊ちゃまはこちらへと執事に促され、二人の姉様と私は弟の籠を揺らしつつ、客間の一室でお茶を飲み待つことになった。
扉の閉まる前に振り返ると、父上が母上を抱きしめたのが見えた。
目元を赤くした父上がいつも以上にきつい抱擁を残してお帰りになられると、母上が私たちを呼び寄せた。
「明日ここを発ちます、これからはお父上と一緒に暮らしましょうね」
やはり目元を赤く腫らした母上が、寝ている弟の籠を揺らしながら優しく微笑んだ。
「お母様、なぜかおたずねしても?」
上の姉様が母上に尋ねた、普段ならば疑問を口にしてはいけないとたしなめられるところだが、母上は微笑んだまま不思議な話を聞かせてくださった。
「落ち人様がフロイライン様をお助けくださったのです」
「おちびとさまにも、あえるのですか?」
落ち人様!思わぬお名前が母上からでてきて、私は思わず尋ねてしまった。
私の読んでいる本に出てきた落ち人様は、騎士と共に戦って勝利へ導く強き戦士であった。
父上から小さな騎士と呼ばれて以来、私はすっかり騎士の物語に夢中になり、子供向けの絵本を諳んじられるほど何度も読み返していた。
騎士を導く大きな体の戦士、これが私が憧れる落ち人様であった。
「そうですね、落ち人様にお会いできるのも楽しみですね」
騎士の物語に夢中の私を知っている母上は、優しくお顔を綻ばせたまま頷いた。
「おちびと様はせがたかくて、まほうがおじょうずなのよ、わたくしご本でよみましたわ」
「おとうさまといっしょにくらすのですね、おでかけもできるかしら」
上の姉様の絵本は落ち人様が偉大な魔法使いで、姫を救う物語であった。
子供たちだけで遊ぶとき上の姉様は姫役を所望し、私では役不足と偉大な魔法使い役を探すのが、少し厄介だった。
下の姉様はあまり本を好まずとにかく父上が好きなので、一緒に暮らすことに大変満足気だった。
私は記憶にないフロイライン叔父上のことよりも、まだ見ぬ落ち人様への憧れでその夜はなかなか寝付けず、翌日出立した馬車のなかでうたた寝してしまい、降りた先で目にした光景に眠気なぞ飛んだ。
父上と同じ髪の色をしたフロイライン叔父上の横で佇む落ち人様は、大きな体の戦士などではなかった。
上の姉様より少し上くらいのご年齢ではなかろうか、背は叔父上の肩にも届かない黒髪の少年である。
教えられた挨拶をすれば、落ち人様はそれは晴れやかな笑顔を見せてくださった。
「はじめまして、俺はひろきって言います。堅苦しいのは苦手だから、気楽に話してね?」
「はい、あの、ひろき様……」
「俺のことはひろきって呼んで?友達になりたいんだ」
背の高い魔法使いが好きだったはずの上の姉様が、落ち人様とおずおずと会話を始めた。
たくさんお話を聞いておいで、と父上が髪を撫でてくださったので、下の姉様も笑顔である。
私は少し裏切られたような気持ちで、笑って話す落ち人様と二人の姉様を見ていた。
目の前の少年には、騎士と共に長剣を振るうなど到底できそうにない。
しかし落ち人様ならばあるいは、と期待をこめて私は尋ねた。
「ひろき…さまは、きしのように、けんをふるわれますか」
「んー、俺は剣なんて持ったことないんだ、ごめんね?」
落ち人様は私の手を取って、あやすように揺らしながら目線を合わせていた。
その手は母上のようにとても柔らかくて、私はひどく気落ちしたのと同時に胸の辺りがもやもやした。
「それから俺のことは、様なんてつけないで。ひろきって呼んでね」
私は頷くと、ひろきと小さな声で呼んでみた、何か話したかったわけではない。
だが呼ばれた落ち人様は、ん、とこちらを見て続きを待っている様子である。
その黒い瞳が私だけを映しているのが嬉しくて、私も大きく一歩近づいた。
私の青い瞳にも、この人だけが映っているだろうか。
ふいに私の頬を柔らかな両手で包み込み、なあんて可愛らしいんだあ!と落ち人様が白い歯を見せて笑った。
歯を見せて笑うことは不作法である、と教わったが他の誰も気にしていないようだった。
大きな口を開けて笑うのは、とても自然で楽しそうに思えて私も一緒に笑った。
額と額をつけて、これからもたくさん遊ぼうね?と内緒の約束をして、また笑った。
毎朝フロイライン叔父上とひろきは一緒にやって来て、朝食を皆で摂る。
叔父上が仕事に出掛けられたら、ひろきは私たちと共に学んだり遊んだりする。
屋外で剣も持たず同じ動作を繰り返すばかりのひろきを見て、私はなぜ騎士のように訓練をしないのだろうかと不思議に思う、剣を持って振る方がよほど恰好良いのにと。
水を浴びたらしくまだ少し濡れた髪のまま、私たちとお茶を飲むためにやって来たひろきに、そのことを問う。
「剣を扱えない俺が剣を持つって、危ないでしょ?」
「だからきしは、くんれんをするのであろう?」
んー、とひろきは考えて、君は騎士の物語が大好きだったねぇと笑った。
私は騎士のように強き者になりたいのだ、剣を持って母上たちをお守りするのだ。
「前にも言ったけど俺は剣を持ったことがない。そんな俺が剣を持ち多少訓練したとして、剣の扱いに慣れた者に襲われれば、俺はすぐ剣を奪われるだろう」
「それは………」
「君のように幼い頃から剣の扱いに慣れていれば、騎士のように剣を振るうことができるんだと思う。だけど俺は剣を持つことが怖い、剣で人を傷つけることができそうにないんだ」
がっかりさせてごめん、と私の頬を撫でてひろきは言った、君の騎士になれなくてごめんね。
その夜私は初めて父上にお願いごとをした、少し早いけれど大事なことだし、もちろん構わないと許可を得た。
翌日から屋外でのひろきの訓練に私も同行した、同じ教師から教えを請い、同じ動作を繰り返す。
ひろきほどたくさん走ることはできないが、その分護衛騎士に頼んで剣を習った。
剣を扱えぬひろきの代わりに、私が剣を強くすれば良いのだ。
私はひろきに騎士になってもらいたかったのではなかった、私自身がひろきの騎士になりたかったのだと自覚した。
騎士の物語で読んだ騎士が姫を慕う大切な気持ち、というのが私のひろきに対するそれではないかと思った、とすればこれが愛というものなのだろう。
季節が巡り白い息を吐きながら屋外で同じ動作を繰り返すひろきの動きは、最初と比べて素早さがまし洗練されてきた。
流れるような動きからふと止まる動作も、舞ってきた蝶が花弁にそっと乗るかのようであった。
吐いた白い息を身体にまといながら体術の訓練を繰り返すひろきは、まるで舞踏を踊っているように見え私は見惚れた。
「ひろきは美しいだろう」
いつのまにやら横に立っていたフロイライン叔父上がつぶやいた。
見た目の美醜をいうならば、フロイライン叔父上の方が美しいと多くの者が評価するであろう。
だが私は離れたところでひらりと舞うようなひろきを見つめたまま、大きく頷いた。
「はい、とてもうつくしいです。ひろきはこころがうつくしい」
フロイライン叔父上が眉を上げて私を見下ろしたのを、私もできる限り胸をそらせ顔を上げて応える。
「ふふっ、小さいくせにわかっているじゃないか」
「ふろいらいんおじうえこそ」
ははっと笑ったフロイライン叔父上が、父上と同じ金色の髪をかきあげながら、片方の手で私の髪をぐしゃりとかき回した。
乱れた髪を見苦しくないよう自分で整えていると、訓練を終えたひろきが汗を拭きながら歯を見せた。
「ずいぶん仲良しだね、それにしてもよく似ているなぁ……」
フロイライン叔父上が鼻を鳴らしたが、私とて同じ気持ちだ。
どちらがひろきの隣を歩いて屋敷に戻るか牽制し合い、結局ひろきを挟んで三人で並んで戻ることとなった。
ひろきの左手をそっと引っ張れば、手を繋いでくれるのを知っている、微笑み合いながら歩いていれば。
フロイライン叔父上が急にひろきの顎をとり、その右頬に口づけをした。
「ちょっ、子供が見てるからそーゆうのはダメっ!」
「………」
ひろきが空いた右手でフロイライン叔父上の顔ごと逸らした。
屋敷に入りこれから身体を清めるのであろう、繋いだ手を放そうとしたひろきの手を、再度軽く引っ張る。
恥ずかしくもあれど自分の頬を指でついてみせれば、ひろきはあぁ、と笑って私の頬に口づけをくれた。
それを笑顔で見ていたフロイライン叔父上が、私の顎をぐいと持ち上げ、ひろきがたった今唇を触れた場所にぶっちゅと唇を押し当てた。
一瞬前には今宵は顔を清めずに寝ようと考えていたのに、と私は苦い思いで頬を服の袖で拭った。
淡雪が解け私の愛はますます深みを増した。
愛するひとに毎日会えるのだ、どのような努力も惜しまない。
私は5歳になっており、ひろきには及ばないが少し背も伸びた。
訓練の賜物か一年前より凛々しい少年となったひろきに、上の姉様は夢中だ。
上の姉様は8歳、そろそろ社交界のデビューも迫っているのに、私にはひろきがいるから良いのですわと言っている。
ひろきは私のものだと言いたいところだが、残念ながら誰に対してもひろきは分け隔てなく接している。
相変わらずフロイライン叔父上がひろきにベタベタしているが、死にかけたところ命を助けられたそうなので、恩人であるひろきに執着する気持ちも理解はできる。
そんな昼下がり、珍しく暖かいからと庭園の東屋でお茶を飲んでいたとき。
上の姉様がお茶のカップを置くと、唐突にひろきに結婚を申し込んだ。
ひろきは嬉しそうに笑っているが、冗談ではない、私も焦ってしまい思わず結婚を申し込んでいた。
黒い瞳をまん丸にしたあと、二人ともどうもありがとうと礼を言われた。
それは将来結婚を約束するという意味か、上の姉様と私どちらを選ぶのか確認したかったのだが、急に強くなった風にあおられた茶菓子が吹き飛び、話はうやむやになった。
翌日朝食の席でフロイライン叔父上が、ひろきと伴侶であることを明かした。
愛したひとに伴侶がいた、その事実を受け止めきれない私にひろきが更に追い打ちをかけた。
17歳……こちらの世界へ来る前に16歳の誕生日を迎えてすぐだったので、17歳になっているはず、と。
上の姉様と変わらないくらいと思っていたが、私と12年も年齢差があるとは……。
どんなに努力しても年の差は縮められない。
フロイライン叔父上の得意気な顔を見たくなくて、パンの皿だけを見続けた、そうせねば涙が零れてしまいそうだった。
隣の席で上の姉様が母上に慰められているのを聞きながら、私の片恋はふいに終わりを告げた。
季節が2回巡り、7歳となった私の背はぐんと伸び、2~3歳上の貴族令息と変わらぬ体格である。
屋敷のなかだけで過ごすのではなく、同じ程度の貴族令息たちと引き合わされ、切磋琢磨せよと学園に投げ込まれた。
毎日会っていた家族と離れ、何よりそれが愛だと思い込み、引きずっていたひろきと離れたのは良かったのかもしれない。
ひろきに釣り合おうと努力していた私は、学力においても胆力においても上級生に引けをとらず、おかげで恥をかかずにすんでいた。
何より体術を幼き頃から続けていたおかげで、他の者にはない基礎が身についていたらしい。
私が個人的に続けていた体術を見て、いたく感心した剣術の指南役により、学園の剣の習いの前段階として、体術が取り入れられたほどである。
素晴らしいと褒められるほどに、違和感を覚える。
私などまだまだだ、同じ動作を繰り返しても、ひろきの蝶が舞うような美しさには到底かなわない。
外見の美しさを褒められても、それは違うと感じてしまう。
本当の美しさとは、外見などではないのだと私は知っているからだ。
こちらの機嫌を伺うように媚びた笑顔で近づいてくる者たち。
私の傍にいることで、自らの立場が上がると勘違いしている者たち。
自分の努力が足りないことを、人のせいにして貶めようとする者たち。
彼らに対して煩わしさを感じることはないが、それらは私にとって何ひとつ必要ではない。
思い出すのも、できることなら今すぐ会いたいのも、黒髪の凛とした横顔だけ。
離れてもなお、ひろきへの思いは泉のように溢れ、一層愛しさは募った。
家族やひろきと離れて良かったと思うのは、距離を置くことで客観的に見つめ直すことができたからである。
夜に寝付けずひろきのことを思い起こす、黒髪の間からたまに耳が覗くこと、いつも笑っていること、そういえば私はひろきに怒られたことなどなかった。
柔らかかった手は少し硬くなったこと、その手のひらを合わせたとき、互いの手の大きさにあまり差がなかったこと。
フロイライン叔父上のいないとき、たまにねだれば頬に口づけてくれる、その唇の柔らかいこと。
おもむろに腰の辺りへと熱が溜まり、どうしたことかと夜着の上から利き手で抑えれば背筋をぞくりと何かが走った。
そのままやわやわと揉みこめば、ぞくりぞくりと背中が泡立つ感覚があり、あっと声を上げて手を止めた。
固くなった尿道から液体が出ており、夜着をじんわりと濡らしていた。
それが何であるかは本で学び知識があった、精通である。
私はこれがそれかとぼんやりしつつ、冷たくなっていく夜着と固さを失った腰の辺りから手を放し、そのまま眠ってしまった。
学園に同年代の女性はいないし未婚の女性を見かける暇もないのだから、私が精を吐き出すときにひろきを思うことは致し方ないことであろうと思う。
歳を重ねた私に懸想する者もいるらしいが、私にとって必要なことではない。
背中を預けても構わないと信頼のおける友はできたが、愛するひとは相変わらず一人だけである。
あるとき友が恋愛に興味はないのか聞くので、愛するひとがいると素直に答えると、異常な食いつきをみせて洗いざらい話すはめになった。
自分から聞いておいて、聞かなければよかったとつぶやいた友が、その愛は重症だとため息をついた。
私は自分の思いを無理にひろきに押し付けるつもりはない。
もっと大人になれば心のほとんどを占めているあの笑顔を超えて、愛するひとができるのかもしれない。
だが今はまだ、私は夢を見ていてもいいと思う。
フロイライン叔父上と愛するひとは年齢差が8歳、私と愛するひとは年齢差が12歳。
希望がなくはない、と思っている。
もしもこの先、愛するひとがひとりきりになったら、そのときは私が傍にいればよい。
愛したひとに伴侶がいた、私のものにはならないがずっと傍にいることはできる。
愛したひとの愛する世界ごと、私が愛して慈しむ、そのひとがいつもしあわせでいられる国を作ればよい。
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