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16話 弟がツンデレ過ぎる件について…
しおりを挟む「えっ…「別に…てめぇのために…つくったんじゃねぇからっ。…てか全部食ったんだな…。焦げてただろ…?結構。」
「えっ…まぁそうだったけど…」
「なんで食ったんだよ。こんなん食ったら病気になるぞ。やめろっ食うなよ。体に悪い。」
…弟が何を言ってるのかわからない。
「えっ…だって…お前がくれたんだろ?」
「だって…まさかこんなゴミ全部食うなんて思わねーじゃん。体に毒だし。全部食べさせないように…屋上から逃がしてやったんだろ…。食べなくて…よかったのに。」
「えっ…それって────」
「くそっ、何でもねぇよ!クソ兄貴!!ポンコツ兄貴っ!!」
弟はぐわぁっといきなり怒鳴り声をあげる。
「だって…お前…この弁当つくるために頑張ったんだろ?料理なんて…できないのに…手、怪我してるし。」
「はぁ!?この手の怪我はちげーよ、猫だっ!!そう、猫っ!!」
「お前猫の毛アレルギーだろ。」
「おれのいうことに逆らってんじゃねぇぞ!!クソ兄貴がぁぁ!!」
…なんかこうやって言い合う?の久しぶりだ。なんか嬉しい。
「それに…全部食べたのは───」
焦げていた、おいしいとはいえなかった。でもそれでも弁当を全部食べたのは────お前が一生懸命つくってくれたからで──
「─────勇太がつくった弁当だからだよ。」
おれがそういうと勇太は呆然とした顔をする。すっげぇマヌケな顔。
でもはっとしてまた─────顔紙赤くなる。
「─────なっななななぁ──//!?」
そしていきなり叫びだす。うるさい。
「バカかっ!嬉しいって…それ、失敗作だぞ!?嫌がらせ、だ!!」
「でも…嬉しかった。」
「っなんでっそういうこと、いうんだよっ!」
「え?」
「兄貴がそんなんだから────おれはっ────────どうすれば、いいのかわからなくなるだろっ。」
弟はそういうと下を向いてそのまましゃがみこんだ。
「─────えっ?」
「兄貴は─────おれにどうなってほしいの?」
…どうなってほしい?勇太に?
「えっ…それは…「嘘っ!いや、ごめん。なんでもねぇ。変なこといった。おれ、バカだった。」
弟の様子がおかしい。おれはそんな弟になんていっていいのかわからなくなる。けど────一つ、言いたかったこと。
「──あのさっ…」
「…な、なんだよ。」
「また…弁当、つくってくれると嬉しい。」
「はぁ//!??」
おれがそういうと弟はびっくりしたような様子を見せる。そんな驚かなくても。
「…っくそがっ!今日と同じだぞっ!?焦げっ焦げの弁当だっ!失敗したやつだぞ!?上手くねぇぞ!いいのかよ!!」
「いいよ。別に。」
「ダメに決まってんだろ!!病気になったらどうするっ!!」
「…おれは…勇太がつくってくれた弁当食べたいから…。勇太が今日弁当つくってくれて…嬉しかったよ。」
「っ─────//くっ!!」
弟はうなり声をあげる。
「くそっ!ダンゴムシとかゴキブリとかいれてやるんだからなっ!!」
「…それはちょっと…」
「なに本気にしてんだよっ!おれがゴキブリとかダンゴムシとか捕まえられる訳ねぇだろっ!!クソ兄貴がぁ!」
というとドアをバァッンとしめ自分の部屋に入ってしまった。
弟の部屋には絶対絶対絶対入るなっといわれているので入れない。だから弟が自分の部屋に入ってしまっては話なんかできない。
弟と…久しぶりに話した気がする。なんか、嬉しかった。あと…あの弟の様子だと…もしかしておれに弁当食べてもらって嬉しかったのか…?いや、ないか。おれは飛鳥くんの弁当のついでなんだし…。
「────────全部食べるなんてバカかよっ!ほんと全部コゲコゲで人の食うもんじゃなかったのにっ。バカ兄貴っ!優しすぎんだろぉがっ!!
───────ほんと、ごめん。」
つづく
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