41 / 186
番外編 合コン
8話 きっとずっと隠して生きていくのだろうな。番外編 合コン(終)
しおりを挟む
勇太はそう答え黎を睨みつけた。
「─────確かにそうだが
亮はまた弟を好きになる。
その前に…亮を諦められたらと思う。時間はかかる。だが…いつか、お前らの恋を応援できならな…と思っているんだ。」
「…思いを消すのは簡単じゃねぇだろうが。バカか。」
勇太のその答えにふっと黎は笑ってしまった。
「やはり───勇太は優しいな。」
「あっ!?」
「───おれを捨てればいいのにな。」
黎の言葉に勇太は反応する。
「てめぇが…いいこちゃんじゃなけりゃあ…そうしてたよ。」
勇太は自分の手を撫でて笑みを浮かべていた。
「───おれは、引くつもりはねぇ。
てめぇが…どう来ようがおれはお前にも誰にも兄貴は渡さねぇ。」
「…そうか。ならよかった。」
「…バカにしてんのか?」
「してなどいない。
とても──尊敬しているぞ。」
黎の笑みに勇太は何度もため息をついてしまう。
(…ほんと、話にならねぇ…。)
「それで…今日、亮は休んでいるようだが…監禁なんてしていないよな?」
「…そうしたっていったら?」
「ここでお前をぶっ刺して殺そう。」
「応援…すんじゃねぇのか?」
「…なんのことだ?」
にこにこと笑い黎と勇太は向かい合っていた。
「まぁ、想像にお任せってところだ。」
「…そうか。」
黎はふぅっと息を吐いて吸った。
「───なら、勝手に想像するとするか。」
「あぁ。勝手に想像してろ。」
勇太はそういうとそのまま話は終わったと歩き始めた。
「─────弟。」
「…なんだよ。」
勇太が動き出してから数秒経った後、黎が声を掛けた。
「おれは…亮が好きだ。ずっと前から小さい頃からずっと好きだ。
この思いは…本物だ。
だからこそ──お前にすべてを渡そう。
だが、お前が亮を傷つけることがあればおれはお前を許さない。
そして───どんな手を使っても奪ってみせる。
そのときに────亮を守るのはおれになっているだろうな。」
黎の挑発に勇太はははっと笑った。
「いいな、そういうの。
笑えるな。
けど────んなことは天地がひっくり返ってもねぇよ。
諦めろ、バーカ!」
「それは…残念だな。」
そう、言葉を掛け合い勇太はその場をゆっくり離れたのだった。
(つい…心にもないことを言ってしまった…。)
黎はそう感じ少し反省していた。
つい、勇太の前に立つと意地悪をしてしまう衝動に駆られる。
「…亮。」
亮のことが──好きだ。
それは小さいころからずっと。
そして───これからも。
亮を好きでいることはおれの生きる意味。だけど…時々辛くなる。
おれのこの思いは…意味がないと思うからだ。
亮にこの思いを隠すと決めてからずっと痛い。痛い、痛いっ…。
(…とても、苦しい。)
もし、この思いが爆発してしまったら、この思いが…抑えられなくなったら…。
おれは死んでしまうかもしれない。
期待する気持ちはないとはいえない。
けど、亮の心は勇太にあることを知っていた。
亮は───勇太に助けを求めている。
決して──おれなんかじゃない。
そう思っているからこそ、諦められる。ただの妄想で抑えられる。
けれど───もし。
勇太が消えてしまったら───。
勇太が─────なかったことになったら。
そしたら、そのときは───。
(…自分の気持ちを抑えることが…出来なくなるかもしれない。)
だから、そんなことが起こる前に早くこの気持ちをなかったことにしたい。
この…亮への思いを───消してしまいたい。
そう、考えるたび───
涙が一粒零れてくる。
(─────早く消えてくれ。)
けれど、長年思っていた気持ちが消えることなんかない。
ずっとずっと亮が好きだったのだから。
(──────助けて)
ポタポタと涙が流れる。この気持ちが消えたらどんなにいいことだろう。
おれは亮の隣へ堂々と立っていられるのに…なのに。
今のおれは────中途半端だった。
(好きだ好きだっ…好きだっ…。)
好きは消えない。なら、このままでいることを望む。
このまま変わらないことを望む。
(だから───お願いだ。)
このままで、いさせてくれ。
このまま────おれは何もないおれでいてくれ。
そう願えば願うほど…気持ちが高まっていく。
そして────涙が零れる。
二人が結ばれればいいと思いながらどこかでそれを否定したい気持ちと…戦いながらおれは───生きていく。
(────あぁ、助けてっ…)
流れる涙は止まらない。おれはこの思いとずっと向き合っていく。
考えて悩んで…苦しんで──
そして───その思いに押しつぶされながらおれは────
誰にも気づかれず───生きていくのだ
おれの辛い思いを知るものはいない。おれの苦しみを共感するものはいない。
なぜって───すべて
自分で隠し───壊してしまったから
合コン 終わり
番外編はここで終わりです。
本編が続くに連れて関係が番外編の
ようになっていきます。
続きは本編の方を読んでくださると
嬉しいです!
ありがとうございました!
「─────確かにそうだが
亮はまた弟を好きになる。
その前に…亮を諦められたらと思う。時間はかかる。だが…いつか、お前らの恋を応援できならな…と思っているんだ。」
「…思いを消すのは簡単じゃねぇだろうが。バカか。」
勇太のその答えにふっと黎は笑ってしまった。
「やはり───勇太は優しいな。」
「あっ!?」
「───おれを捨てればいいのにな。」
黎の言葉に勇太は反応する。
「てめぇが…いいこちゃんじゃなけりゃあ…そうしてたよ。」
勇太は自分の手を撫でて笑みを浮かべていた。
「───おれは、引くつもりはねぇ。
てめぇが…どう来ようがおれはお前にも誰にも兄貴は渡さねぇ。」
「…そうか。ならよかった。」
「…バカにしてんのか?」
「してなどいない。
とても──尊敬しているぞ。」
黎の笑みに勇太は何度もため息をついてしまう。
(…ほんと、話にならねぇ…。)
「それで…今日、亮は休んでいるようだが…監禁なんてしていないよな?」
「…そうしたっていったら?」
「ここでお前をぶっ刺して殺そう。」
「応援…すんじゃねぇのか?」
「…なんのことだ?」
にこにこと笑い黎と勇太は向かい合っていた。
「まぁ、想像にお任せってところだ。」
「…そうか。」
黎はふぅっと息を吐いて吸った。
「───なら、勝手に想像するとするか。」
「あぁ。勝手に想像してろ。」
勇太はそういうとそのまま話は終わったと歩き始めた。
「─────弟。」
「…なんだよ。」
勇太が動き出してから数秒経った後、黎が声を掛けた。
「おれは…亮が好きだ。ずっと前から小さい頃からずっと好きだ。
この思いは…本物だ。
だからこそ──お前にすべてを渡そう。
だが、お前が亮を傷つけることがあればおれはお前を許さない。
そして───どんな手を使っても奪ってみせる。
そのときに────亮を守るのはおれになっているだろうな。」
黎の挑発に勇太はははっと笑った。
「いいな、そういうの。
笑えるな。
けど────んなことは天地がひっくり返ってもねぇよ。
諦めろ、バーカ!」
「それは…残念だな。」
そう、言葉を掛け合い勇太はその場をゆっくり離れたのだった。
(つい…心にもないことを言ってしまった…。)
黎はそう感じ少し反省していた。
つい、勇太の前に立つと意地悪をしてしまう衝動に駆られる。
「…亮。」
亮のことが──好きだ。
それは小さいころからずっと。
そして───これからも。
亮を好きでいることはおれの生きる意味。だけど…時々辛くなる。
おれのこの思いは…意味がないと思うからだ。
亮にこの思いを隠すと決めてからずっと痛い。痛い、痛いっ…。
(…とても、苦しい。)
もし、この思いが爆発してしまったら、この思いが…抑えられなくなったら…。
おれは死んでしまうかもしれない。
期待する気持ちはないとはいえない。
けど、亮の心は勇太にあることを知っていた。
亮は───勇太に助けを求めている。
決して──おれなんかじゃない。
そう思っているからこそ、諦められる。ただの妄想で抑えられる。
けれど───もし。
勇太が消えてしまったら───。
勇太が─────なかったことになったら。
そしたら、そのときは───。
(…自分の気持ちを抑えることが…出来なくなるかもしれない。)
だから、そんなことが起こる前に早くこの気持ちをなかったことにしたい。
この…亮への思いを───消してしまいたい。
そう、考えるたび───
涙が一粒零れてくる。
(─────早く消えてくれ。)
けれど、長年思っていた気持ちが消えることなんかない。
ずっとずっと亮が好きだったのだから。
(──────助けて)
ポタポタと涙が流れる。この気持ちが消えたらどんなにいいことだろう。
おれは亮の隣へ堂々と立っていられるのに…なのに。
今のおれは────中途半端だった。
(好きだ好きだっ…好きだっ…。)
好きは消えない。なら、このままでいることを望む。
このまま変わらないことを望む。
(だから───お願いだ。)
このままで、いさせてくれ。
このまま────おれは何もないおれでいてくれ。
そう願えば願うほど…気持ちが高まっていく。
そして────涙が零れる。
二人が結ばれればいいと思いながらどこかでそれを否定したい気持ちと…戦いながらおれは───生きていく。
(────あぁ、助けてっ…)
流れる涙は止まらない。おれはこの思いとずっと向き合っていく。
考えて悩んで…苦しんで──
そして───その思いに押しつぶされながらおれは────
誰にも気づかれず───生きていくのだ
おれの辛い思いを知るものはいない。おれの苦しみを共感するものはいない。
なぜって───すべて
自分で隠し───壊してしまったから
合コン 終わり
番外編はここで終わりです。
本編が続くに連れて関係が番外編の
ようになっていきます。
続きは本編の方を読んでくださると
嬉しいです!
ありがとうございました!
25
あなたにおすすめの小説
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。
とうふ
BL
題名そのままです。
クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
【完結】我が兄は生徒会長である!
tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。
名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。
そんな彼には「推し」がいる。
それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。
実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。
終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。
本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。
(番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる